「推進」と「振興」。
全く違う言葉なのですが…。
実は、よく考えると似たような使い方をします。
たとえば、「スポーツ振興推進事業」や「振興事業の推進」など…。
同じ場面で使われていて、まぎらわしいですよね…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「推進」と「振興」には明確な違いがありました!
本記事では、「推進」と「振興」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「推進」と「振興」の意味の違い!
最初に、「推進」と「振興」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「振興」とは、物事を盛んにすること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「推進」の意味とは!
「推進」は、物事を目標に向けておし進めること。
「振興」のように、「盛んにする」ということではありません。
「おし進める」です。
たとえば、「来年には、東京に支社をつくって、首都で勝負するぞ!」という目標があったとします。
この場合は、「首都進出」という目標に向けて、おし進めることが「推進」。
具体的には、「東京の営業先を開拓」「建設予定地の選定」「建設計画」「人事構想」などやることは様々。
こういったことを、前に進めていくのが「推進」です。
つまりは、「東京進出を推進する」ということ。
それから、「この船のスクリューは、凄まじい推進力だ」といった使い方もします。
この例文は、より物理的な使い方。
船を、物理的におし進めるということです。
ですが、船は「進む」乗り物ですので、ある意味「目標に向けておし進める」といってもよいかもしれませんね。
②「振興」の意味とは!
「振興」は、物事を盛んにすること。
よく「産業を盛んにする」「学術を盛んにする」という時に使われる言葉です。
たとえば、「商店街振興組合」というものがあります。
これは、主に商店街で商売をしている人たちがメンバーで、その商店街を盛んにしたいという目的で結成された組織。
まさに、商店街を盛んにしたい人たちの組合ということです。
あとは、「科学技術振興機構」という組織があります。
これは、科学技術を盛んにすることを目的として設立された組織。
文部科学省の管轄である、国立研究開発法人です。
③「推進」と「振興」の違いを整理!
それでは、ここで一度「推進」と「振興」の違いを整理します。
物事を、目標に向けておし進めることが「推進」。
物事を、盛んにすることが「振興」。
仮に、「盛んにする」ことを目標に掲げておし進める場合はどうなるか?
その場合は、「『振興』に向けて『推進』する」ということができます。
2.「推進」と「振興」の辞書での意味!
続いて、辞書による「推進」と「振興」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「推進」の辞書での意味!
【推進】
・前におし進めること。また、目標に向けて物事をおし進めること。「改革を―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「振興」の辞書での意味!
【振興】
・学術・産業などが盛んになること。また、盛んにすること。「産業の―を図る」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりですね。
3.「推進」と「振興」の使い方!
次に、「推進」と「振興」の使い方を例文で紹介します。
①「推進」の使い方!
・今後は、相互に連携したマーケティング活動を推進する。
・女性の活躍推進に優れた企業として「なでしこ銘柄」に7年連続で選定。
・交通安全対策の推進活動を行う。
・マイクロ波を使ってロケットの推進力を生み出す実験に成功した。
②「振興」の使い方!
・最高レベルの技術を追求するとともにマーケットの振興に貢献していきます。
・機械工業の振興や社会福祉等に役立てています。
・生活困窮者や非営利組織、地域振興のための貸し出しを行っている。
・自動車整備振興会が実施する「マイカー点検教室」に参加した。
4.「推進」や「振興」には似た意味の言葉がたくさんある!
「推進」や「振興」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「推進」と「振興」の意味の違いと使い分けについてでした。
「推進」は、物事を目標に向けておし進めること。
「振興」は、物事を盛んにすること。
似てはいますが、「おし進める」と「盛んにする」の違いです。