「余剰」と「剰余」。
まぎらわしいですよね…。
意味に違いがあるのか?それとも同じなのか?
たとえば、「余剰人員」といいますが、「剰余人員」は聞いたことがないような…。
でも、「余剰金」は聞いたことがありますし、「剰余金」も聞いたことがあります。
これは、キチンと調べる必要がありますね…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
「余剰」と「剰余」の言葉の意味には、意外な事実が隠されていました!
本記事では、「余剰」と「剰余」の意味や使い方について、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「余剰」と「剰余」の意味の違いは?
最初に、「余剰」と「剰余」の違いを簡潔にお伝えします。
ただし、「余剰金」と「剰余金」になると違いがあります。
「余剰金」とは、余ったお金のこと。
「剰余金」とは、自己資本のうちの資本金を超える部分のことで、会計上の用語。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「余剰」と「剰余」の意味とは!
「余剰」と「剰余」の意味は、余り、残りのこと。
どちらも意味は同じです。
一例をあげると、「余剰価値」という言葉がありますが、「剰余価値」ともいいます。
これは、労働者がその労働力以上に生産した価値のこと。
たとえばですが、普通は人間1人が1個の物を作ることができるとすれば、仮に工夫を重ねて1人で5個作った場合。
4個分が「余剰価値」であり、「剰余価値」ということになります。
言い方が悪いですが、余った価値ということ。
ですが、「余剰」と「剰余」は必ず同じような使い方ができるのか?といえばそうではありません。
具体的には、「余っている人員」のことを「余剰人員」といいますが、「剰余人員」とはいいません。
それから、割り算で出た「あまり」のことを「剰余」といいます。
割り算のあまりは、「余剰」とはいいません。
言葉の使い方には、違いがありますので気をつける必要があります。
②「余剰金」と「剰余金」の意味の違いとは!
「余剰」と「剰余」の言葉の意味自体は同じなのですが、「余剰金」と「剰余金」になると違ってきます。
「余剰金」は、ただ単に余ったお金のことで、会計上の用語ではありません。
これが「剰余金」になると、自己資本のうちの資本金を超える部分のことで、会計上の用語として使われる言葉です。
「剰余金」を簡単にいってしまえば、会社で出した利益のようなもの。
「剰余金」は、資本取引から生じた「資本剰余金」と、営業活動から得られた利益を源泉とする「利益剰余金」があります。
日常生活で、「余剰金」という言葉は滅多に使うものではありません。
したがって、言葉としては「剰余金」のみを覚えておけば良いかと思います。
③「余剰」と「剰余」の違いを整理!
それでは、ここで一度「余剰」と「剰余」の違いを整理します。
「余剰」と「剰余」は、余り、残りという意味でどちらも同じ。
ただし、「余剰」と「剰余」に「金」を付けることで意味が違ってきます。
余ったお金が「余剰金」。
そして、自己資本のうちの資本金を超える部分が「剰余金」。
「余剰金」は会計上の言葉ではありませんが、「剰余金」は会計上の用語です。
2.「余剰」と「剰余」の辞書での意味!
続いて、辞書による「余剰」と「剰余」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「余剰」の辞書での意味!
【余剰】
・余り。残り。剰余。「―物資」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりですね。
②「剰余」の辞書での意味!
【剰余】
・余り。残り。余分。余剰。「―金」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおり、「余剰」と同じ内容です。
3.「余剰」と「剰余」の使い方!
次に、「余剰」と「剰余」の使い方を例文で紹介します。
①「余剰」の使い方!
・生産量が増加することで余剰が出て廃棄になることも考えられる。
・飲食店向けに卸す予定だった余剰米を地元の米問屋から仕入れたもの。
・系列販売店が正規ルートでさばききれない安い余剰生産品を購入することは可能か?
・カーボンブラックの生産能力余剰分は年間150万トンあるといいます。
②「剰余」の使い方!
・剰余金の配当に関するお知らせ。
・「a」を「b」で除算した後の剰余を返します。
・企業の利益になる「剰余価値」は、労働者が生産する過程で出した付加価値。
・前年比すれすれの事業高伸び、前年比ダウンの剰余が想定された。
4.「余剰」や「剰余」には似た意味の言葉がたくさんある!
「余剰」や「剰余」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「余剰」と「剰余」の意味と使い分けについてでした。
「余剰」と「剰余」の意味に違いはありません。
どちらも、余り、残りという意味です。
ただし、「余剰金」と「剰余金」は意味が違います。
「余剰金」は、余ったお金のこと。
「剰余金」は、自己資本のうちの資本金を超える部分のことで、会計上の用語。
会計処理で使うのは「剰余金」であり、「余剰金」ではありません。