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「危機」と「危険」の違いを解説!実は意外な差があったよ!

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「危機」と「危険」。

「あぶない」ということは理解しているつもりですが…。

似ていて、まぎらわしいですよね…。
 
 
といいますか、違いはあるの?同じ意味では?と思ってしまいます…。

でも、危険な仕事だ」とはいいますが、危機な仕事だ」とはいいません…。

これはつまり、「危機」と「危険」には違いがあるということか…??
 
 
 
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!

やはり、「危険」と「危機」には決定的な違いがありました!
 
 
本記事では、「危機」と「危険」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。

かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
 

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1.「危機」と「危険」の意味の違い!

最初に、「危機」と「危険」の意味の違いを簡潔にお伝えします。

「危機」とは、あぶない時や状況のことで、その「場面」に焦点が当たっている。

「危険」とは、あぶないこと、また、あぶない状態になるおそれがあることで、「場面」の他に「場所」「物」「行動」など様々なものに焦点が当たっている。

 
一言で表現すると、こういった違いです。

それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
 

①「危機」の意味とは!

「危機」は、あぶない時や状況のこと。

ですが、その「あぶない」は、主に「場面」に焦点が当たっています。
 
 
「場面」ということは、「時」や「局面」へ言い換えが可能。

基本的に、その「場面」の一点以外は「危機」とはいいません。

要するに、時間の流れとともにやって来て、そして過ぎ去るまでの一点です。
 
 
 
「危機」の語源を理解すると、わかりやすく理解できますよ。

「危機」は、一説では「危険」の「危」と「好機」の「機」を合わせてできた言葉といわれています。
 
 
つまりは、好機から危険に変わる転換点のことを指しているのですね。

安全な状況からあぶない状況へ変わる転換点、したがってその「場面」「時」「局面」ということです。
 
 
 
ですから、「危機」の実際の使い方は、その一点の「場面」を捉えたものがほとんど。

「台風は過ぎ去り、危機は脱した」

「近所の火災の火が強風にあおられ、我が家にも危機が迫っている」

こういった、時間の経過とともに動く「場面」として使われます。
 
 
 
それから、身にふりかかる「ああぶない」以外にも、以下のような使い方もしますよ。

「経営危機を乗り越える」

「絶滅の危機が迫っている」

「石油危機を経験しエネルギー源の分散をすすめた」

これも、全て「場面」をあらわしています。

災害
 

②「危険」の意味とは!

「危険」は、あぶないこと、また、あぶない状態になるおそれがあること。

そして、「危機」は「場面」に焦点が当たっていましたが、「危険」は「場面」の他に「場所」「物」「行動」など様々なものに焦点が当たっています。

つまりは、同じ「あぶない」をあらわす言葉なのですが、「危険」の方が幅広く使えるということ。
 
 
 
ですから、「場面」をわらした、前項の例文を「危機」から「危険」に置き換えることが可能です。

「台風は過ぎ去り、危険は脱した」

「近所の火災の火が強風にあおられ、我が家にも危険が迫っている」

「絶滅の危険が迫っている」
 
 
あと、「経営危機」や「石油危機」は慣用句のようになっている言葉なのでさすがにそのままの置き換えはできません。

ですが、文章を多少いじると置き換えが可能です。
 
 
「経営が破たんする危険があったが、それを乗り越える」

「石油が手に入らなくなる危険があったが、それを経験しエネルギー源の分散をすすめた」
 
 
 
それから、「場面」以外に「場所」をあらわす例文は以下のとおりです。

「エベレストは、多くのクレバスがあり非常に危険だ」
 
 
これは、「場所」をあらわしているので「危機」に置き換えることはできません。

「エベレストは、多くのクレバスがあり非常に危機だ」

というように、おかしいですよね…。
 
 
 
それから、「物」の場合。

「チェーンソーは、使い方を間違えると危険

これも、「チェーンソーは、使い方を間違えると危機だと変です…。
 
 
最後は「行動」。

「消防士の消火作業は、危険な仕事」

これも、「消防士の消火作業は、危機な仕事」とはいいません。
 
 
 
というように、「場面」も含め様々な物事に対して使うことができるのが「危険」です。

使命感
 

③「危機」と「危険」の違いを整理!

それでは、ここで一度「危機」と「危険」の違いを整理します。
 
 
あぶない時や状況が「危機」。

「危機」は、「場面」に焦点が当たっています。
 
 
あぶないこと、また、あぶない状態になるおそれがあることが「危険」。

「危険」は、「場面」「場所」「物」「行動」など様々なものに焦点が当たっています。
 

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2.「危機」と「危険」の辞書での意味!

続いて、辞書による「危機」と「危険」の意味がどうなっているのか確認していきます。
 

①「危機」の辞書での意味!

【危機】

・あぶない時や状態。「―に直面する」「―を脱する」

引用元:旺文社国語辞典

説明したとおりの内容です。

危機管理
 

②「危険」の辞書での意味!

【危険】

①あぶないこと。また、あぶないさま。「―が迫る」「頭上―」

②あぶない状態になるおそれがあること。また、そのさま。「滑落の―がある」⦅↔安全⦆

引用元:旺文社国語辞典

こちらも、説明どおりですね。
 

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3.「危機」と「危険」の使い方!

次に、「危機」と「危険」の使い方を例文で紹介します。
 

①「危機」の使い方!

・シェアが下落し、大手メーカーを中心に勝ち残りへの危機感が芽生えている。

・今回の世界的な金融危機の発端は、米国を舞台としたサブプライムローン問題だ。

・登山道の岩場を下りる途中で滑落したが危機を乗り越え生還した。

・熱中症は、程度の軽いものから生命の危機に直結するまで病態は様々。
 

②「危険」の使い方!

・火山には、噴気や火山ガスが発生している危険な場所があります。

・専門家は激しい運動の際に高機能マスクを着けると危険だと指摘。

・カツオノエボシは、青い鮮やかな浮袋が特徴の危険生物です。

・ヘディングはサッカー技術の中で特に危険視されているというのは本当?

サッカー
 

4.「危機」や「危険」には似た意味の言葉がたくさんある!

「危機」や「危険」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。

下の関連記事も、覗いてみてください。

「危ない」と「危険」に違いはある?わかりやすく徹底解説!

「リスク」と「危険」の違い!意味を徹底的に深掘り解説!

 
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
 

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まとめ

以上が、「危機」と「危険」の意味の違いと使い分けについてでした。
 
 
「危機」は、あぶない時や状況のこと。

そして、焦点が当たっているのは「場面」です。
 
 
「危険」は、あぶないこと、また、あぶない状態になるおそれがあること。

焦点が当たっているのは、「場面」「場所」「物」「行動」など様々です。
 
 
幅広く使うことができるのが「危険」です。

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