「案内」と「紹介」。
違う意味のようで、実は似た言葉です。
たとえば、「入学案内」や「テレビで紹介された新製品」といった使い方をしますよね。
よく考えると、これ、どちらも「知らせる」こと。
「入学案内」は入学する方法や手続きなどを知らせてくれていますし、「テレビで紹介」はテレビの放送で知らされた製品のことです。
この例文を逆にして、「入学紹介」「テレビで案内された新製品」となると、なんとなく違和感が…。
これは、意味や使い方に微妙な違いがあるということか…??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「案内」と「紹介」には微妙な違いがありました!
本記事では、「案内」と「紹介」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「案内」と「紹介」の意味の違い!
最初に、「案内」と「紹介」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
a.内容などを知らせること。
b.知らない人どうしを取り次ぐこと。
c.人を導いてそこへ連れて行くこと。
「紹介」の意味は2種類。
a.未知のものを知らせること。
b.知らない人どうしを引き合わせること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「案内」と「紹介」の違いをわかりやすく!
「案内」と「紹介」の意味で、似ている2つの部分にスポットをあてて解説していきますね。
1つ目が、「知らせる」という部分。
「案内」は内容などを知らせることで、「紹介」が未知のものを知らせること。
似ていますよね…。
「案内」は「入学案内」、「紹介」は「新製品の紹介」といった使い方をします。
この違いは、「案内」は「それを求めている人」でしかも「特定の人」を対象とするのに対し、「紹介」は「不特定多数」が対象で「求めるという意識とは無関係」であるということ。
たとえば、「案内」は「入学案内」の他に「案内図」「事業案内」といった使い方をしますが、どれも必要と求める人でしかも関係する特定の人に対して知らせるもの。
積極的に万人に知らせるのではありません。
「紹介」の方は、相手の意識は関係なく、なるべく多くの人に知らせること。
たとえば、「紹介」は「新製品の紹介」の他に、「テレビで広く紹介された」「新刊紹介」といった使い方をします。
どれも、不特定多数に対し広く知らせることを目的としています。
2つ目が、「取り次ぐ」「引き合わせる」という部分。
「案内」は知らない人どうしを取り次ぐことで、「紹介」は知らない人どうしを引き合わせること。
「取り次ぐ」と「引き合わす」の違いです。
「案内」は「受付で担当者への案内を請う」、「紹介」は「彼女を紹介して!」といった使い方をします。
「案内」は「取り次ぐこと」ですので、面会までの責任は持ちません。
たとえば、「受付で担当者への案内を請う」といった場合、内線電話などで取り次いで終了。
その後二人は、決められた場所で勝手に面会することになります。
「紹介」は「引き合わせること」なので、基本的には「対面」まで。
でも厳密には、「対面」の場所に必ず立ち会うといったものではありませんよ。
ただ取り次いで終わりということではなく、お互いを引き合わせるわけなので、それなりの責任が必要になるということです。
要するに、「紹介」で引き合わせる場合、いい加減な人間は対象外になるということ。
②「案内」の独自の意味とは!
「案内」には、まだ他の意味もあります。
この意味は「紹介」とは、全く似ている部分がありません。
その「案内」は、人を導いてそこへ連れて行くという意味。
つまり、「道案内」の「案内」です。
目的地を知らない人に対し、その場所へ到着できるように導くこと。
他には、「新設したばかりの施設内を、来客者に案内する」といった使い方をします。
③「案内」と「紹介」の違いを整理!
それでは、ここで一度「案内」と「紹介」の違いを整理します。
「案内」は内容などを「それを求めている人」でしかも「特定の人」に知らせることで、「紹介」が未知のものを「意識は関係なく」「不特定多数」に知らせること。
また、「案内」は知らない人どうしを「取り次ぐ」ことで、「紹介」は知らない人どうしを「面会まで引き合わせる」こと。
さらに、「案内」には人を導いてそこへ連れて行くという意味もあります。
2.「案内」と「紹介」の辞書での意味!
続いて、辞書による「案内」と「紹介」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「案内」の辞書での意味!
【案内】
①人を導いてそこへ連れて行くこと。「名所を―する」
②内容・事情などを知らせること。また、その知らせ。「営業―」「―状」
③取り次ぐこと。「玄関で―を請う」
引用元:旺文社国語辞典
意味が3種類で、内容も説明どおりです。
②「紹介」の辞書での意味!
【紹介】
①未知の人どうしの間に立って両者を引き合わせること。「友人を親に―する」
②未知のものが広く世間に知られるようにすること。「新製品の―」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明したとおりの内容です。
意味も2種類ですね。
3.「案内」と「紹介」の使い方!
次に、「案内」と「紹介」の使い方を例文で紹介します。
①「案内」の使い方!
・公開シンポジウムのご案内状をお届けします。
・第91回定時株主総会開催のご案内ページ。
・窓口で担当への案内を請う。
・女性が近くのアパートの物件を案内中に事件が起きる。
②「紹介」の使い方!
・今回も冬本番目前にスタッドレスタイヤのご紹介です。
・週刊誌の現状を示す内容をそこから紹介しよう。
・仕事の関係で君の会社の担当者を紹介してほしい。
・特定技能の外国人労働者紹介サービスの新会社設立。
4.「案内」や「紹介」には似た意味の言葉がたくさんある!
「案内」や「紹介」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「案内」と「紹介」の意味の違いと使い分けについてでした。
「案内」は、a.事情などを知らせること、b.知らない人どうしを取り次ぐこと、c.人を導いてそこへ連れて行くことといった3つの意味があります。
「紹介」は、a.未知のものを知らせること、b.知らない人どうしを引き合わせること、この2つの意味。
「知らせること」は共通していますが、対象者やその意識などに違いがあります。
また、「案内」は「取り次ぐ」で、「紹介」は「引き合わせる」といった違い。
さたらに、「案内」には人を導いてそこへ連れて行くという意味もあります。