「希少」と「貴重」。
読み方は、「きしょう」と「きちょう」…。
この2つの言葉は、意味も読み方も似ています…。
しかも、「希少」なものは「貴重」なものと重なることが多く、まぎらわしいですよね…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「希少」と「貴重」には明確な違いがありました!
本記事では、「希少」と「貴重」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「希少」と「貴重」の意味の違い!
最初に、「希少」と「貴重」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「貴重」とは、高い価値があること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「希少」の意味とは!
「希少」は、少なくて珍しいこと。
価値があるかどうかは関係ありません。
滅多になく、極めてまれであるという物事が対象になります。
たとえば、「レアメタル」を「希少金属」と呼んだりします。
この「レアメタアル」は、リチウム電池などの原料として使われており、現在では数多くの製品に採用されている金属。
使い道は多く、凄く有用な金属なのですが、採掘して抽出するのが困難だといわれています。
要するに、入手するのが難しいので、「希少」な金属ということです。
それから、嫌われ者の昆虫で有名な「ゴキブリ」の中にも、実は「希少」な種類が存在します。
それは、「オオゴキブリ」という種類で、絶滅危惧種に指定されているらしい…。
こういった嫌われ者であっても、珍しいものは「希少」であるということです。
②「貴重」の意味とは!
「貴重」は、高い価値があること。
価値が高ければ、珍しいかそうでないかは関係ありません。
ただし、比較的珍しい物ほど、価値が上がりやすいということはあります。
たとえば、「希少」な金属として前項で紹介した「レアメタル」。
抽出が困難でありながら、需要が上がっていますので、価値もどんどん上がっているらしい…。
ですから、ある意味「レアメタアル」も「貴重」な金属といってもよいでしょう。
つまり「レアメタル」は、「希少」であり「貴重」であるということができます。
それが、「希少」だった「オオゴキブリ」の場合はどうでしょう?
果たして「オオゴキブリ」が、価値が高い「貴重」な昆虫といえるのか?
専門家にしてみれば、喉から手が出るほど「貴重」な生き物だといえるのかもしれませんが、一般庶民からみたら価値は感じませんよね…。
要するに「オオゴキブリ」は「希少」ではありますが、一般庶民にしてみれば「貴重」ではないということがいえます。
それから「貴重」は、「物」以外にも頻繁に使われます。
たとえば、「貴重な体験」や「貴重な時間」といった使い方。
これはどちらも「物」ではありません。
ですが、どちらも価値あることということですね。
③「希少」と「貴重」の違いを整理!
それでは、ここで一度「希少」と「貴重」の違いを整理します。
少なくて珍しいことが「希少」。
高い価値があることが「貴重」。
必ず「希少=貴重」であるとは限りません。
ただし、珍しいものの価値は自然に上がる傾向があります。
2.「希少」と「貴重」の辞書での意味!
続いて、辞書による「希少」と「貴重」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「希少」の辞書での意味!
【希少】
・起こる度数の少ないこと。めったにないこと。また、そのさま。「―金属」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「貴重」の辞書での意味!
【貴重】
・きわめてたいせつなこと。高い価値があること。また、そのさま。「―品」「―な体験」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりですね。
3.「希少」と「貴重」の使い方!
次に、「希少」と「貴重」の使い方を例文で紹介します。
①「希少」の使い方!
・絶滅の恐れがある希少な鳥「ブッポウソウ」が、東南アジアから三次市に飛来した。
・希少価値が高いオランダワインの特徴とは?
・神戸牛一頭から3キロしか取れない別格希少部位しか使用しないローストビーフ。
・極めて希少な約19カラットのピンクダイヤの競売が実施された。
②「貴重」の使い方!
・他の施設では見ることのできない貴重な昆虫化石も数多く展示している。
・海外旅行の時、絶対になくしてはいけない貴重品の保管はどうしていますか?
・留学は私の価値観を180度変えてくれたとても貴重な体験となりました。
・極めて貴重な100カラットの最高級ダイヤモンドを披露した。
4.「希少」や「貴重」には似た意味の言葉がたくさんある!
「希少」や「貴重」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「希少」と「貴重」の意味の違いと使い分けについてでした。
「希少」は、少なくて珍しいこと。
「貴重」は、高い価値があること。
人生にとって、時間は「貴重」なものではありますが、「希少」なものとはいえません。