「拡大」と「増大」。
似ていますが、どちらも「大」があります。
これはつまり、どちらも「大きくなる」ということ。
「不安が拡大」
「不安が増大」
どちらでも良い感じがしますが…。
では、この「拡大」と「増大」、いった違いは何か??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「拡大」と「増大」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「拡大」と「増大」の意味の違い!
まずは、「拡大」と「増大」の意味の違いを端的にお伝えします。
「増大」とは、増えて大きくなること。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「拡大」と「増大」の違いのポイント!
違いのポイントを一言であらわすならば、広がる「拡大」と増える「増大」ということ。
「広がる」と「増える」は、意味が似ていますので、双方に当てはまる場合があります。
たとえば、「不安感」。
この「不安感」は、「高齢者の不安感が拡大する」でも「高齢者の不安感が増大する」でもオッケー。
「不安感」は「広がる」し、「増える」ものでもあるということ。
では、「増える」もので「広がる」ものではないものは?ですよね。
それは、「威力」です。
たとえば、「手榴弾の威力が増大した」といいますが、「手榴弾の威力が拡大した」となるとなんとなく違和感があります。
「拡大」と「増大」は非常に似ているのですが、「量が増す」イメージのものが「増大」と覚えてください。
②「増大」が使えないものとは!
「拡大」と「増大」を使い分ける時のポイントは、もう一つあります。
それは、「増大」は数えられるものには使えないということ。
つまり、「増大」は数値であらわすことが不可能であるということです。
たとえば、「施設の面積を拡大する」といいますが、これは「増大」には使えません。
つまり、「面積」は数値であらわすことができるから。
「増大」は、数値であらわすことができない「不安感」などの「感情」や、「威力」「危険性」など抽象的なものだけに使われるのです。
また、「降水量」や「人口」は、「広がる」ものではなく「増える」もの。
しかも、「降水量」や「人口」は、数値であらわすことが可能ですよね。
この場合は、「拡大」も「増大」も使えません。
「降水量」や「人口」などは、「増加」が使われます。
③「拡大」と「増大」の違いを整理!
それでは、ここで一度「拡大」と「増大」の意味の違いを整理します。
広がり大きくなるのが「拡大」。
増えて大きくなるのが「増大」。
広がるのが「拡大」で、量が増すのが「増大」です。
ただし、「増大」は数値であらわすことができない抽象的なもの限定ですよ。
2.「拡大」と「増大」の辞書での意味!
続いて、辞書による「拡大」と「増大」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「拡大」の辞書での意味!
【拡大】
・広がり大きくなること。また、広げて大きくすること。「被害が―する」「不―」↔縮小
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容ですね。
②「増大」の辞書での意味!
【増大】
・増えて大きくなること。増やして大きくすること。
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明したとおりの内容です。
3.「拡大」と「増大」の使い方!
最後に、「拡大」と「増大」の使い方を例文で紹介します。
①「拡大」の使い方!
・アリを虫メガネで拡大して観察する。
・パソコンに取り込んだ写真を拡大して見る。
・野球場の天然芝のスペースを拡大する。
・営業エリアが拡大され時間外が増える。
②「増大」の使い方!
・怒りの感情が増大し頂点に達した時…。
・増大したスマッシュの威力は凄まじいものがある。
・炎が広がり救出する側にも危険性が増大している。
・家族がいるだけでその喜びも増大する。
まとめ
以上が、「拡大」と「増大」の意味の違いと使い分けについてでした。
「拡大」は、広がり大きくなること。
「増大」は、増えて大きくなること。
まぎらわしいのですが、「広がる」と「増える」の違いです。
また、「増大」は数値にできるものには使えない、と覚えてください。