「減少」と「低下」。
この違いって…、まぎらわしいです…。
仕事でもよく使いますよね…、たとえば…。
「売上げが減少する」
「売上げが低下する」
これ、悩ましいところです…。
ですが、「減少」と「低下」には、決定的な違いがあるようで…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「減少」と「低下」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「減少」と「低下」の意味の違い!
最初に、「減少」と「低下」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「低下」とは、低くなること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「減少」と「低下」の違いのポイント!
「減少」は減って少なくなることで、「低下」は低くなること。
「少なくなる」と「低くなる」の違いです。
「減少」の具体例としては…。
たとえば、酸素ボンベの酸素の量は、潜って時間が経つと減って少なくなりますよね。
ですから、この場合は「酸素の量が減少する」です。
「酸素の量が低下する」とはいいません。
一方の「低下」は、たとえば海水温。
海水温が低くなることを「海水温が低下する」といいます
温度は低くなるもので、減って少なくなるものではありませんので「海水温が減少する」とはいいません。
酸素の量は少なくなるので「減少」、海水温は低くなるので「低下」です。
ですから、冒頭で触れた「売上げ」は少なくなるものですので、「売上げが減少する」が正解。
②「低下」には別の意味も!
「低下」には、「低くなる」以外に、「程度が悪くなる」という意味もあります。
たとえば、「品質」や「作業効率」など。
「品質が低下する」といいますし、「作業効率が低下する」ともいいます。
「品質」や「作業効率」などは、「低くなる」というよりは、どちらかといえば「悪くなる」です。
ですから、この「低下」は「悪化」に置き換えることができます。
「低下」は「程度が悪くなる」という意味もあることを覚えておいてください。
③「減少」と「低下」の違いを整理!
それでは、ここで一度「減少」と「低下」の意味の違いを整理します。
減って少なくなるのが「減少」。
低くなるのが「低下」。
ただし、「低下」は程度が悪くなるといった意味もあります。
2.「減少」と「低下」の辞書での意味!
続いて、辞書による「減少」と「低下」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「減少」の辞書での意味!
【減少】
・数量や程度がへって少なくなること。また、へらして少なくなること。「犯罪の―」「輸入量が―する」↔増加
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「低下」の辞書での意味!
【低下】
①低くなること。下がること。「気温が―する」
②程度が悪くなること。「能率の―」↔向上
引用元:旺文社国語辞典
「低下」も、説明どおりですね。
意味が2種類あります。
3.「減少」と「低下」の使い方!
最後に、「減少」と「低下」の使い方を例文で紹介します。
①「減少」の使い方!
・人口の減少に歯止めがかからない。
・川の水量が減少している。
・温室効果ガスを減少させる必要があるのでは?
・労働力の減少は品質に影響する。
②「低下」の使い方!
・人口が減ることで経済成長率の低下に影響するのではないか?
・川の水位が低下している。
・温室効果ガスを少なくすることで気温が低下するのか?
・労働力を確保し品質の低下を防ぐ必要がある。
まとめ
以上が、「減少」と「低下」の意味の違いと使い分けについてでした。
「減少」は、減って少なくなること。
「低下」は、低くなること、また、程度が悪くなることです。
水にたとえるなら、水の量は「減少」、水位は「低下」です。