「可決」と「承認」。
国会や地方議会に関するニュースで出てくる言葉です。
でも、よく考えてみると、「可決」と「承認」って似ていますよね…。
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「可決」と「承認」では言葉の意味が違いました!
本記事では、「可決」と「承認」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「可決」と「承認」の意味の違い!
最初に、「可決」と「承認」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「承認」とは、よいと認めること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①会議における「可決」と「承認」の違い!
「可決」と「承認」は、会議などでよく使われる言葉です。
特に、「可決」の方は会議や議会だけに使われる言葉。
ということで、会議における「可決」と「承認」の意味の違いから解説していきます。
まず「承認」は、よいと認めること。
そして「可決」は、議案をよいと認めて決めることです。
要するに、議案をよいと認める「承認」を経て、決める「可決」といった流れとなるわけですね。
決めるという行為の多くは、多数決となります。
この多数決を行う際に、会議のメンバーが賛成するか反対するかを判断するわけですが。
この時に、「賛成しよう」と思うこと、これが「承認」です。
つまり、よいと認めたから「賛成しよう」と思ったのですね。
そして、最終的な多数決が行われ、賛成多数となること、これが「可決」です。
会議で、多数決によって決まったということですね。
議会などによっては、「可決」と「承認」は同じ意味で使われることがあります。
たとえば、決める議案によって「可決」と「承認」を使い分けるということ。
ですから、多数決で決めたことを、「承認された」といういい方をする場合もあるということです。
②会議以外の「承認」の意味とは!
「可決」は会議や議会だけで使われる言葉ですが、「承認」は違います。
ということで、「承認」の意味をさらに掘り下げていきますね。
「承認」の意味は3つあります。
1つ目が、正当であると認めて許すこと。
これは、たとえば「活動計画が承認される」といった使い方をします。
つまり、計画が認められて、活動することを許されるということ。
「晴れて計画が認められた!来月から活動だ!」ということですね。
この意味は、前の項目で説明した「会議」などで使う「承認」です。
2つ目が、承知すること。
これは、聞き入れる、また、受け入れるということです。
たとえば、「変更の申請が承認された」といった使い方をします。
これは、変更の申請をしていたのですが、それが受け入れられたということですね。
3つ目が、国家などに対して、国際法上の地位を認めること。
これは、「認める」ことなのですが、対象が「国」です。
国家間同士で、その国の地位を認めること、これが「承認」です。
③「可決」と「承認」の違いを整理!
それでは、ここで一度「可決」と「承認」の違いを整理します。
提出された議案をよいと認めて決めるのが「可決」。
議案をよいと認めるのが「承認」。
「承認」は会議以外でも、「認めて許す」「承知する」「国の地位を認める」という意味があります。
2.「可決」と「承認」の辞書での意味!
続いて、辞書による「可決」と「承認」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「可決」の辞書での意味!
【可決】
・会議で、提出された議案をよいと認めて決めること。「予算案を―する」↔否決
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「承認」の辞書での意味!
【承認】
①正当であると認めて許すこと。「理事会の―を得る」
②申し出に同意すること。承知すること。「入会を―する」
③[法]国家などに対して、国際法上の資格を認めること。「新政権を―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりですね。
3.「可決」と「承認」の使い方!
次に、「可決」と「承認」の使い方を例文で紹介します。
①「可決」の使い方!
・法案を賛成407、反対1の圧倒的多数で可決した。
・衆院本会議で可決し、参院に送付される見込み。
・11人の取締役の選任案も可決された。
・自治会の総会で可決されれば、いつでも解散できる。
②「承認」の使い方!
・取締役会が全会一致で購入を承認した。
・自転車競技の会場として、富士スピードウェイが承認された。
・理事会などの承認を経ないまま事業を進めた。
・バスケットボール大会の概要について承認されました。
4.「可決」や「承認」には似た意味の言葉がたくさんある!
「可決」や「承認」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「可決」と「承認」の意味の違いと使い分けについてでした。
「可決」は、提出された議案をよいと認めて決めること。
「承認」は、よいと認めること。
提出された議案は、よいと認められる「承認」を経て、多数決により「可決」されます。