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「補償」と「補填」の違いを解説!やはり明確な差があった!

更新日:

 
「補償」と「補填」。

「おぎなう」意味の「補」という字は共通していますが、似ています…。

使う場面も似ているような…。
 
 
たとえば…。

「損失の補償」

「損失の補填」

というように、どちらも違和感がありません…。
 
 
 
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!

実は、「損失の補償」と「損失の補填」では、微妙な違いがあります!!
 
 
本記事では、「補償」と「補填」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。

かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
 

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1.「補償」と「補填」の意味の違い!

最初に、「補償」と「補填」の意味の違いを簡潔にお伝えします。

「補償」とは、与えた損害を金銭などでつぐなうこと。

「補填」とは、足りないものをおぎない埋めること。

 
一言で表現すると、こういった違いです。

それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
 

①「補償」の意味とは!

「補償」は、与えた損害を金銭などでつぐなうこと。
 
 
「補償」の「補」は、「おぎなう」という意味があります。

「補助」や「補足」といった、「おぎなう」意味の言葉として使われています。
 
 
「補償」の「償」は、「つぐなう」という意味。

「弁償」や「賠償」といった、損害を与えた場合の「つぐない」の言葉として使われます。
 
 
 
要するに、何かの損害を与えてしまった場合に、それにより失われたものを金銭などで「おぎない」、「つぐなう」ということ

ですから、「補償」の前には必ず何らかの「損害」や「損失」というものがあるということです。

ちなみに、「損害」や「損失」ではなく、単に少なくなったものをおぎなう場合は、「補償」は使えませんよ。

必ず「損害」や「損失」が前提にあり、それをつぐなうのが「補償」なのですね。
 
 
 
冒頭で「損失の補償」という例文を紹介しましたが、この場合は「損失を与えた責任をとり、つぐなう」という意味です。

被害
 

②「補填」の意味とは!

「補填」は、足りないものをおぎない埋めること。
 
 
「補填」の「補」は、「補償」の「補」と同じで、「おぎなう」という意味。

「補填」の「填」は、「ふさぐ」「うずめる」という意味があります。

「装填」や「充填」といった、「ふさぐ」「うずめる」意味として使われます。
 
 
 
ですから、「補填」の場合は「不足」に対して使うのですね。

つまり、「補填」は「つぐなう」ものではないということ

この部分が、「補償」との最大の違いです。

ただし、「不足」全てが対象ですので、厳密には「損害」や「損失」も「不足」に含まれますよ。
 
 
 
冒頭で、「損失の補填」という例文を紹介しましたが、この場合は「損失を穴埋めする」という意味

あくまでも、「穴埋め」であり、「つぐない」の意味はありません。
 
 
 
「補填」と似た意味の言葉で「補給」があります。

「補填」も「補給」も、どちらも不足したものをおぎなうという意味。
 
 
ただし、「補填」は「埋める」意味合いが強く、「補給」は「足す」意味合いが強くなります。

ですから、「補填」は「赤字の補填」というように穴埋め的な使い方が多く、「補給」は「水分の補給」というように足す(プラスする)使い方が多くなります。
 
 
ちなみに、「赤字の補給」とは言いませんし、「水分の補填」とも言いません。

同じような意味でありながら、「穴埋めする」と「プラスする」というように微妙なニュアンスの違いがあります。

水
 

③「補償」と「補填」の違いを整理!

それでは、ここで一度「補償」と「補填」の意味の違いを整理します。
 
 
与えた損害を金銭などでつぐなうのが「補償」。

前提に「損害」や「損失」を与える行為があり、それに対するつぐないです。
 
 
そして、足りないものをおぎない埋めるのが「補填」。

足りないものをプラスするというよりは、穴埋めしてふさぎます。

つぐないの意味はありません。
 

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2.「補償」と「補填」の辞書での意味!

続いて、辞書による「補償」と「補填」の意味がどうなっているのか確認していきます。
 

①「補償」の辞書での意味!

【補償】

・与えた損害を金銭などでつぐなうこと。特に、国や公共団体が災害によって生じた損害や公共のために生じた財産上の損害をつぐなうこと。「災害―」

引用元:旺文社国語辞典

説明どおりです。
 

②「補填」の辞書での意味!

【補填】

・不足のものを補いうめること。「赤字の―」「損失を―する」

引用元:旺文社国語辞典

説明どおり「うめる」ことですね。

赤字
 

3.「補償」と「補填」の使い方!

最後に、「補償」と「補填」の使い方を例文で紹介します。
 

①「補償」の使い方!

・健康アプリで24時間健康相談やケガの補償にも対応。

・トラブルで選手に支払われる航空会社からの補償額が物議を醸す。

・クレジットカードで加入できる賠償責任の補償が1億円ほどの保険。

・車の衝突などによる建物の被害は火災保険で補償を受けられることが多いのか?
 

②「補填」の使い方!

・不漁などによる減収を補填するため国と漁業者の拠出で運営している基金。

・蔓延しているのがレジの金額が合わずに不足分を補填させられる違算金の問題。

・赤字の年金財政の補填に使われている。

・外国為替証拠金取引で生じた損失を補填していた疑いがある。
 

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まとめ

以上が、「補償」と「補填」の意味の違いと使い分けについてでした。
 
 
「補償」は、与えた損害を金銭などでつぐなうこと。

「補填」は、足りないものをおぎない埋めること。
 
 
つぐないが「補償」で、穴埋めが「補填」です。

「補償」と「補填」の意味の違いを説明しましたが、似た意味の言葉で「補充」や「補給」があります。

「補給」の意味は本記事で簡単に触れましたが、「補充」と「補給」も同じようで実は微妙に違いますよ!

もしよかったら、下の関連記事をご覧ください。

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