「補充」と「補給」。
まぎらわしいですよね…。
意味に違いはあるのか?と思ってしまいます。
「商品棚へ商品を補充する」
「商品棚へ商品を補給する」
ん~、どちらも有りそうですし、意味も同じような…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
実は、「補充」と「補給」には明確な違いがありました!
本記事では、「補充」と「補給」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「補充」と「補給」の意味の違い!
最初に、「補充」と「補給」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「補給」とは、足りなくなった分を足して補うことであり、必ず元の状態にするとは限らない。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「補充」の意味とは!
「補充」は、足りなくなった分を足して補い、元の状態にすること。
ポイントは、元の状態に戻すくらいの量を補う必要があるということです。
「補充」の「補」は、字のとおり「おぎなう」こと。
たとえば、「補強」や「補習」というように、「おぎなう」意味で使われます。
そして、「補充」の「充」は、「みたす」「みちる」という意味。
たとえば、「充電」や「充分」というように、「みたす」意味で使われる漢字です。
つまり、「補充」は、「おぎなう」他に「みたす」必要があるのですね。
要するに、みたして元の状態にするということ。
ですから、「商品棚の商品が少なくなったので、補充する」といった場合。
これは、商品棚をいっぱいにする必要があるわけです。
②「補給」の意味とは!
「補給」は、足りなくなった分を足して補うことですが、必ず元の状態にするとは限りません。
「おぎなう」ことは、「補充」と同じですが「みたす」必要はないのです。
もちろん、「みたして」も構いません。
あくまでも、絶対に「みたす」ということではないということです。
「補給」の「補」は、「おぎなう」こと。
そして、「補給」の「給」は「たす」という意味。
たとえば、「供給」や「給油」というように「たす」意味で使われます。
ですから、「商品棚の商品が少なくなったので、補給する」といった場合。
商品棚に商品を「たす」ことであり、絶対に「みたす」ということが条件ではないということです。
「補給」した後の商品棚は、いっぱいの場合もあればそうでない場合もあるということ。
③「補充」と「補給」の違いを整理!
それでは、ここで一度「補充」と「補給」の意味の違いを整理します。
足りなくなった分を足して補い、元の状態にするのが「補充」。
そして、足りなくなった分を足して補うのが「補給」ですが、必ずみたさなくてはいけないということではありません。
必ずみたすのが「補充」、みたしてもみたさなくてもよいのが「補給」です。
2.「補充」と「補給」の辞書での意味!
続いて、辞書による「補充」と「補給」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「補充」の辞書での意味!
【補充】
・不足分を足しておぎなうこと。「商品の―」「人員を―する」
引用元:旺文社国語辞典
これだけだとわかりにくいですね。
みたすことが条件とは記載されていません。
②「補給」の辞書での意味!
【補給】
・足りなくなった分を補うこと。「―線」「ガソリンを―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりですが、辞書では「補充」と「補給」は同じ意味として解釈できます。
3.「補充」と「補給」の使い方!
最後に、「補充」と「補給」の使い方を例文で紹介します。
①「補充」の使い方!
・毎年、空気補充時やタイヤ組立て時に、多くの事故が発生しています。
・食事で必要な栄養素のすべてを補充することは可能か?
・定年退職した教員の後任補充を凍結する人件費抑制策がとられる。
・インクカートリッジにインクを補充してカートリッジを再利用する。
②「補給」の使い方!
・シカが鉄分を補給するため線路をなめにくる。
・昨今の猛暑などを背景に、飲料に対する塩分補給ニーズが高まる。
・宇宙空間で人工衛星の燃料を補給するガスステーション計画。
・大量印刷時でも用紙補給の手間が省ける新機能。
まとめ
以上が、「補充」と「補給」の意味の違いと使い分けについてでした。
「補充」も「補給」も、足りなくなった分を足して補うこと。
ただし、「補充」はみたす必要があります。
「補給」の方は、みたしてもみたさなくてもどちらでも構いません。