「拒絶」と「拒否」。
どちらも断る時に使う言葉です…。
似ていますよね…。
なんとなく、「拒絶」の方が「強い」「冷たい」イメージを持っていましたが…。
果たして、そのイメージは正しいのだろうか…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「拒絶」と「拒否」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「拒絶」と「拒否」の意味の違い!
最初に、「拒絶」と「拒否」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「拒否」とは、働きかけや申し入れをはねつけること、また、こばむこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「拒絶」の「拒否」は違うのか?
「拒絶」と「拒否」は、どちらも働きかけや申し入れを断ることです。
そして、どのように断るのかという部分がポイント。
「拒絶」は「受け付けない」で、「拒否」は「はねつける」「こばむ」です。
どれも、強く断るさまが伝わりますよね。
ですが、「拒絶」の「受け付けない」というのは、言い換えれば「受け取ることをしない」ということ。
これは、要するに働きかけや申し入れを、受け取っていないということ。
つまり、聞き入れる前に断っているともいえます。
かなり強い断り方ですよね…。
では、「拒否」の「はねつける」「こばむ」の断り方がどうなのか?
「はねつける」=「冷たく拒絶する」
「こばむ」=「はねつける。受け入れをかたく断る」
「はねつける」には「拒絶する」意味があり、「こばむ」には「はねつける」意味があります。
「はねつける」=「こばむ」=「拒絶」
これはつまり、「拒否」と「拒絶」は同じ意味ともいえるということ。
様々な辞書を調べてみましたが、「拒絶」と「拒否」はどちらも似かよった言葉で説明されており、ほぼ違いはないといえます。
ただし、私の辞書だけには「受け付けないこと」という記載があり、この言葉が一番強烈な断り方ではないかと、自分は判断します。
ですから、強く断るのが「拒否」で、さらに強く断るのが「拒絶」ということですね。
②「拒絶」と「拒否」の違いを熟語で検証!
では、「拒絶」と「拒否」の熟語でその意味の違いを検証していいきますね。
「証言拒絶権」
「証言拒否権」
この、「証言拒絶権」と「証言拒否権」は、どちらも証言をこばむことのできる権利のこと。
要するに、双方とも意味は同じです。
「拒絶反応」
「拒否反応」
そして、「拒絶反応」と「拒否反応」も意味は同じ。
どちらも、ある物事や人を生理的に受け付けないことであり、また、体が臓器移植などをこばむことです。
熟語だけで判断すると、「拒絶」と「拒否」は違いがないといえます。
③「拒絶」と「拒否」の違いを整理!
それでは、ここで一度「拒絶」と「拒否」の意味の違いを整理します。
働きかけや申し入れを受け付けないのが「拒絶」。
働きかけや申し入れをはねつける、こばむのが「拒否」。
ですから、強く断るのが「拒否」で、さらに強く断るのが「拒絶」ということです。
ただし、様々な辞書を調査しましたが、「拒絶」と「拒否」の違いは明確になっていません。
2.「拒絶」と「拒否」の辞書での意味!
続いて、辞書による「拒絶」と「拒否」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「拒絶」の辞書での意味!
【拒絶】
・働きかけや申し入れを断ること。受け付けないこと。「要求を―する」
引用元:旺文社国語辞典
ちなみに、この辞書以外で「受け付けないこと」と記載されたものはありませんでした。
②「拒否」の辞書での意味!
【拒否】
・働きかけや申し入れを断ること。はねつけること。こばむこと。拒絶。「要求を―する」
引用元:旺文社国語辞典
「はねつける」「こばむ」「拒絶」と記載されています。
「拒絶」とあるので、「拒否」と「拒絶」は同じということ。
また、「はねつける」や「こばむ」は、他の辞書では「拒否」「拒絶」双方に使われている表現です。
3.「拒絶」と「拒否」の使い方!
最後に、「拒絶」と「拒否」の使い方を例文で紹介します。
①「拒絶」の使い方!
・拒絶症とは人の要求とは逆の行動をとる症状のこと。
・拒絶証書は手形を振り出した人が支払わない時に使います。
・会いに行っても面会を拒絶している。
・如何なる要求も全て拒絶してしまう。
②「拒否」の使い方!
・登校拒否となって2年になる。
・供述拒否権とは、つまり黙秘権のことです。
・DNR指示というのは蘇生処置拒否指示のこと。
・国によっては思想上の理由で兵役拒否ができる場合がある。
まとめ
以上が、「拒絶」と「拒否」の意味の違いと使い分けについてでした。
「拒絶」は、働きかけや申し入れを受け付けないこと。
「拒否」は、働きかけや申し入れをはねつけること、また、こばむこと。
どちらも強く断ることですが、「拒絶」の方がさらに強く断ることです。
ですが、多くの辞書では「拒絶」と「拒否」の違いは明確ではありません。