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「損害」と「損失」の違い!確かな差をわかりやすく解説!

更新日:

 
「損害」と「損失」。

まぎらわしいです…。
 
 
といいますか、同じ意味では…??

たとえば、「台風による損害といいますし、「台風による損失ともいいます…。
 
 
しかし!!しかし…。

「彼の他界は、俳優界にとって大きな損失だ」とはいいますが、「彼の他界は、俳優界にとって大きな損害だ」となると違和感を覚えます…。

これは、同じ意味にみえた「損害」と「損失」に、違いがあるということか…??
 
 
 
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!

やはり、「損害」と「損失」には確かな違いがありました!
 
 
本記事では、「損害」と「損失」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。

かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
 

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1.「損害」と「損失」の意味の違い!

最初に、「損害」と「損失」の意味の違いを簡潔にお伝えします。

「損害」とは、金銭や物などを損ない失うことですが、主に外的要因で損ない失う場合に使われることが多い言葉。

「損失」とは、金銭や物などを損ない失うことですが、外的要因の他に自分の過失で損ない失う場合にも使う言葉。

また「損失」は、金銭や物以外に、人・エネルギー・力・スピードなど様々な物事に使います。

 
一言で表現すると、こういった違いです。

それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
 

①「損害」の意味とは!

「損害」は、金銭や物などを損ない失うことです。

この部分は、「損失」と同じ意味。
 
 
ただし「損害」の方は、主に外的要因で損ない失う場合に使われることが多くなります。

つまり、損害を受ける」「損害を被る」というように、自分の過失で損なうのではなく、自分以外の原因で損ない失うということ。

逆に加害者側は、損害を与える」という言い方をします。
 
 
要するに、自分の失敗で自分が損をするというケースではあまり使われないということ。

そして、この外的要因とは何か?ですが…。

多いのは、事故や災害などが当てはまります。
 
 
 
あと、まぎらわしいのが損害を出す」「損害を出してしまった」という使い方があります。
 
 
たとえば、「事業の失敗で損害を出す」という場合は、自分の失敗で自分が損をするような感じがしますが、実はそうではありません。

実際に損をするのは、取引先や金融機関などが主であり、基本的に事業に失敗した社長や従業員の個人財産まで損なうものではありません。
 
 
あと、「仕事のミスで損害を出してしまった」という場合は、ミスをした社員が雇い主である会社に損をさせるということになります。

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②「損失」の意味とは!

「損失」も、金銭や物などを損ない失うこと。

この意味は「損害」と共通しているのですが…。
 
 
「損失」の場合は、外的要因の他に自分の過失で損ない失う場合にも頻繁に使われます。

外的要因の場合は、「台風により多大な損失を被る」といった使い方で、これは「損害」に置き換えが可能。
 
 
自分の過失の場合は、「財布をどこかで落としたが、損失額は少なくてホッとした」といった使い方をします。

この例文で「損害」が使えない、というわけではないのですが…。

どちらかというと、「損失」の方が「自分のミスで、自分が失ったもの」というイメージで違和感なく使えます。
 
 
ちなみに、「財布が盗まれた」場合は、「損害」でも全く違和感はありません。
 
 
 
それから「損失」は、金銭や物以外に、人・エネルギー・力・スピードなど様々な物事に使えるということも大きな特徴。
 
 
人の場合は、「日本の宝である彼の他界は、俳優界にとって大きな損失だ」といった使い方をします。

その他には、「信頼関係の損失」「信頼損失」「信用の損失」「機会損失といった使い方も。
 
 
また、エネルギーでは「エネルギーの損失が大きく、効率が低下する」といった使い方をします。

これは、「力」や「スピード」などにも同じように使います。
 
 
こういった、「金銭」や「物」以外については、「損害」は基本的に使えません。

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③「損害」と「損失」の違いを整理!

それでは、ここで一度「損害」と「損失」の違いを整理します。
 
 
「損害」と「損失」は、どちらも金銭や物などを損ない失うことで意味は同じ。

ただし、外的要因で損なう場合に使われることが多いのが「損害」。
 
 
そして、外的要因で損なう場合でも、自分の過失で損なう場合でも使えるのが「損失」。

また「損失」の大きな特徴は、金銭や物以外に、人・エネルギー・力・スピードなど様々な物事に使うことができるということです。
 

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2.「損害」と「損失」の辞書での意味!

続いて、辞書による「損害」と「損失」の意味がどうなっているのか確認していきます。
 

①「損害」の辞書での意味!

【損害】

①そこなうこと。そこなわれること。

②利益の失われること。また、失われた利益。損失。「―を受ける」

引用元:旺文社国語辞典

細かい解説はありませんが、説明したとおりの内容です。

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②「損失」の辞書での意味!

【損失】

①そこない失うこと。「人材の―」

②利益・財産などを失うこと。また。その額。損害。「―を補填する」↔《利益》

引用元:旺文社国語辞典

こちらも説明どおりですが、これだと「損害」との違いがわかりません…。
 

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3.「損害」と「損失」の使い方!

次に、「損害」と「損失」の使い方を例文で紹介します。
 

①「損害」の使い方!

・地震や噴火などによって生じた損害に対しては、保険金をお支払いしません。

・公然と他人を侮辱すれば、高額の損害賠償や慰謝料を請求されることもある。

・当社は、ペット保険専門の損害保険会社です。

・両者の話し合いで、治療費・通院費・休業損害などを示談金とした。
 

②「損失」の使い方!

・リーマンショックで巨額の私的損失を抱えた。

・美容院経営で7000万円の損失を出した経験を持つ。

・電力損失が世界最小の半導体素子を開発しました。

・新たな人材確保が難しい今、既存社員の流出は文字通り大きな損失となる。

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4.「損害」や「損失」には似た意味の言葉がたくさんある!

「損害」や「損失」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。

下の関連記事も、覗いてみてください。

「損傷」と「破損」の違いを解説!実は微妙な差があったよ!

「汚損」と「破損」の違い!わかりやすく具体例で解説するよ!

 
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
 

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まとめ

以上が、「損害」と「損失」の意味の違いと使い分けについてでした。
 
 
「損害」は、金銭や物などを損ない失うことですが、主に外的要因で損ない失う場合に使われることが多い言葉。
 
 
「損失」は、金銭や物などを損ない失うことですが、外的要因の他に自分の過失で損ない失う場合にも使う言葉。

また「損失」は、金銭や物以外に、人・エネルギー・力・スピードなど様々な物事に使います。

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