「走行」と「通行」。
似ていますね…。
「走行」の方は、漢字の持つ意味合いからなんとなく想像できますが…。
では、車や自転車の場合はどういった違いがあるのだろう…。
もしかして、同じ意味???
ということで、「走行」と「通行」の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「走行」と「通行」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「走行」と「通行」の意味の違い!
まずは、「走行」と「通行」の意味の違いを端的にお伝えします。
「通行」とは、人や乗り物などが通ること、また往来することです。
簡単に説明すると、こういった違いです。
では、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「走行」と「通行」の違いのポイント!
「走行」の意味のポイントになるのが、「走って」移動するという部分。
つまり、「走る」ということなので、「歩く」よりも速く動くのです。
ただし、これはあくまでも生き物に限っての定義。
乗り物の「走行」の場合は、少し違ってきます。
なぜなら、乗り物は歩きません。
つまり、乗り物の場合は移動するだけで「走行」といいます。
一方の「通行」は、スピードに関する定義はありません。
人であれば、歩いて通ることで「通行」が成立します。
「歩いて」通っても「通行」、「走って」通っても「通行」ですね。
ただし、乗り物は歩きません。
乗り物の場合は、通るだけで「通行」ですね。
②「走行」と「通行」の違いは他にもある!
もう1つの違いのポイントが、「走行」は「移動」で、「通行」が「通る」という部分。
「通行」は「通る」なのですが、「通る」とはある区間を通過するという意味です。
たとえば、○○町の1丁目を出発し同じ町の2丁目へ行ったとしましょう。
これは、○○町の1丁目と2丁目の間を通過したことになりますが、これが「通行」です。
一方の「走行」は、ただ単に移動することなので、区間を通過しなくてはいけないといった決まりはありません。
ですから、広大なグラウンドを10メートル程走った場合、これは「走行」と言っても間違いではありません。
そして、この広いグラウンド内のほんの短い距離を移動することを、一般的には「通行」とはいいません。
(極端な例で説明しましたが、グラウンドの場合は「走行」よりも「走る」と表現するのが一般的です)
ちなみに、○○町の1丁目と2丁目間を、人や乗り物が走って移動した場合は、「走行」でもありますし「通行」でもあります。
③道路交通法での「走行」と「通行」の違い!
道路交通法の中でも、「走行」と「通行」といった言葉が使われます。
ちなみに、よく「走行車線」という言葉が普通に使われますが、実はこの言葉は法律用語ではありません。
道路交通法で、「走行」という言葉はたった1か所しか登場しません。
それは、「走行」中の携帯電話などの使用に関する部分だけ。
あとはありません。
一方の「通行」は山ほど出てきますよ。
「車両通行帯」など様々。
そして、道路交通法ですので、「走行」も「通行」も道路上の法律です。
ですから、全ての場合「通る」わけで、必ず「通過」します。
したがって、道路交通法上の「走行」と「通行」は同じ意味として解釈しても間違いではありませんよ。
ただし、人が歩いて「通行」する場合は、さすがにこれは「走行」ではありません。
④「走行」と「通行」の違いを整理!
ということで、ここで一旦「走行」と「通行」の違いを整理します。
人や乗り物などが走って移動することを「走行」といいます。
人や乗り物などが通ること、また往来することが「通行」。
違いのポイントは「走るか否か」「移動か通過か」という部分ですね。
2.「走行」と「通行」の辞書での意味!
続いて、辞書による「走行」と「通行」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「走行」の辞書での意味!
【走行】
・自動車などが走ること。「―距離」
引用元:旺文社国語辞典
「走ること」とありますので、説明したとおりですね。
②「通行」の辞書での意味!
【通行】
①通ること。行き来すること。往来。「―止め」
②世間一般に行われること。「―の貨幣」
引用元:旺文社国語辞典
意味①は「通る」「行き来する」とありますが、これはある区間で行われます。
つまり、「通過」ですね。
意味②は世の中に一般的に広がっているものに使われる言葉です。
あまり使われませんが、「現代通行している暦」といった使い方をします。
3.「走行」と「通行」の使い方!
最後に、「走行」と「通行」の使い方を例文で紹介します。
①「走行」の使い方!
・走行速度を計測し法定速度を違反した車を停止させる。
・オートバイなどで後輪だけで進むことをウィリー走行といいます。
・片輪走行のギネス記録は時速186キロ。
・一定の速度で走行するように心がける。
・自動車が受ける走行抵抗は空気などが影響する。
②「通行」の使い方!
・通行料金を支払い、有料道路を使う。
・高速道路は基本的に左側車線が車両通行帯である。
・車両通行止めのためUターンするはめになる。
・日本には昔、通行手形が存在した。
・道路通行許可書を申請した。
まとめ
以上が、「走行」と「通行」の意味の違いと使い分けについてでした。
「走行」は、人や乗り物などが走って移動すること。
人の場合は歩くのではなく走らなくてはいけません。
「通行」は、人や乗り物などが通ること、また行き来することです。
ある区間を通ること、通過することであり、歩いても走っても「通行」。
「走る」と「通過する」ということがポイントですね。