「確か」と「確かに」。
これ、ただ「に」が付くかどうかの違いですが、まぎらわしですよね…。
たとえば…。
「確か、昨年だった」
「確かに、昨年だった」
なんとなく、意味が違いますよね…。
しかし…。
「確かな証拠で、決定的だ」
「確かに、この証拠は決定的だ」
この場合、「確か」と「確かに」は同じ意味のような…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
実は、ポイントは「に」が付くかどうかではありません!
本記事では、「確か」と「確かに」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「確か」と「確かに」の意味の違い!
最初に、「確か」と「確かに」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
ただし、副詞の「確か」とは、絶対とはいえないがほぼ間違っていないこと、また、多分のこと。
「確かに」とは、形容動詞の「確か」と同じ、はっきりと間違いないさま、という意味。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「確か」の意味とは!
「確か」は、「形容動詞」と「副詞」とでは意味が全く違ってきます。
まずは、形容動詞の「確か」から説明しますね。
「形容動詞」とは、「綺麗だ」「静かだ」というように物事の状態などを表すもので、「だ」で終わる語。
基本は「だ」で終わるのですが、「で」「な」「に」などに活用します。
ですから、形容動詞の「確か」は、「確かだ」から「確かで」「確かな」というように活用するということ。
そして、形容動詞の「確か」は、「①はっきりと間違いないさま」、また、「②しっかりと信用できるさま」という2つの意味を持ちます。
たとえば、「警察は確かな証拠をつかんだ」といった使い方。
「確かだ」が「確かな」に活用していますね。
これは①の、はっきりと間違いない証拠という意味。
あとは、「職人としての腕は確かだ」といった使い方。
これは②の、職人としての技術はしっかりと信用できるという意味です。
続いて、副詞の「確か」。
「副詞」とは、他の語の様態や程度などを詳しくする働きを持ちます。
たとえば、「だらだら歩く」「きらきら輝く」「ずいぶん昔」といった使い方。
この場合「だらだら」「きらきら」「ずいぶん」が副詞。
その副詞が「歩く」「輝く」「昔」を、それぞれ詳しくしています。
そして、副詞の「確か」は、絶対とはいえないがほぼ間違っていないという意味。
つまり、「多分」のことです。
形容動詞の「確か」は「はっきりと間違いない」と確信があるのに対し、副詞の「確か」は「絶対とはいえないがほぼ間違っていない」というように確信に欠けているのですね。
要するに、形容動詞は「絶対に間違っていない」で、副詞は「多分間違っていない」ということ。
たとえば、「確か、送料無料だ」といった使い方をします。
これは副詞の「確か」が「送料無料」を詳しくしていて、曖昧な記憶ではあるものの送料は無料であることはおそらく間違いないということを言っているのですね。
また、「確か、昨年だった」といった使い方も。
これは副詞の「確か」が「昨年だった」を詳しくしていて、多分昨年だったということ言っています。
②「確かに」の意味とは!
「確かに」は、形容動詞の「確か」と同じ意味です。
形容動詞は基本「だ」で終わり、「で」「な」「に」などに活用すると説明しました。
この「に」に活用したのが、「確かに」ということです。
ですが、気をつけなくてはいけないことが1つ!
形容動詞の「確か」は、「①はっきりと間違いないさま」、また、「②しっかりと信用できるさま」という2つの意味があると説明しました。
しかし、「確かに」というように「に」に活用した場合は、「①はっきりと間違いないさま」という意味でしか使いません。
たとえば、「彼の主張は、確かにその通りだと思う」といった使い方をします。
これは、彼の主張は間違っていないしその通りだと思うという意味。
あとは、「確かに職人としての腕は優れている」といった使い方。
これは、前の項目の「職人としての腕は確かだ」とは意味合いが違います。
前項は、職人としての技術はしっかりと信用できるという意味でしたが、この場合は職人としての技術が優れているのは間違いないということを言っているのですね。
似ていますが、微妙な違いがありますよ。
つまり、「確かに」の場合は、「②しっかりと信用できるさま」という意味ではないということ。
それから、副詞の「確か、昨年だった」を、形容動詞の「確かに、昨年だった」に言い換えると全く意味が違ってきます。
「確か、昨年だった」は「多分、昨年だった」に対して、「確かに、昨年だった」は「間違いなく、昨年だった」ということ。
「確か」は確信していないのに対し、「確かに」は強く確信しています。
③「確か」と「確かに」の違いを整理!
それでは、ここで一度「確か」と「確かに」の違いを整理します。
はっきりと間違いないさま、また、しっかりと信用できるさま、という2つの意味があるのが形容動詞の「確か」。
絶対とはいえないがほぼ間違っていない、という意味が副詞の「確か」。
同じ「確か」でも、形容動詞と副詞では全く意味が違います。
そして、形容動詞の「確か」は、「確かだ」「確かで」「確かな」「確かに」というように活用します。
ですから「確かに」とは、形容動詞の「確か」を活用したもの。
この場合の「確かに」は、はっきりと間違いないさま、という意味です。
「確かに」は、しっかりと信用できるさま、という意味ではありませんよ。
2.「確か」と「確かに」の辞書での意味!
続いて、辞書による「確か」と「確かに」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「確か」の辞書での意味!
【確か】
1(形動)①はっきりしていて間違いないさま。正確・明確であるさま。「―な証拠」
1(形動)②しっかりしていて信用できるさま。安全なさま。「彼の仕事なら―だ」「体は衰えても気は―だ」
2(副)絶対とは言えないが、ほぼ間違いないの意。記憶が間違っていなければ。多分。「―去年のことだった」
[用法]形容動詞「たしかに」は、確信のある表現、副詞「たしか」は、やや確信に欠ける表現に用いる。
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容ですね。
②「確かに」の辞書での意味!
「確かに」では、辞書の掲載がありません。
ですが、前の項目の「確か」のとおりです。
[用法]形容動詞「たしかに」は、確信のある表現、副詞「たしか」は、やや確信に欠ける表現に用いる。
引用元:旺文社国語辞典
[用法]でも説明してくれています。
3.「確か」と「確かに」の使い方!
次に、「確か」と「確かに」の使い方を例文で紹介します。
①「確か」の使い方!
・現場の取材は確かな情報を得るためには必要なこと。
・真冬に半袖短パンでビーチサンダルっておいおい気は確かか?
・確か、彼は今週末イギリスに行くと言っていたはず。
・確か、あの時は最高気温更新したくらいの猛暑日だった。
②「確かに」の使い方!
・昨日、確かに受け取りました。
・確かにタイヤにおいて大きな容積を占めるのはゴムです。
・自治会に対して批判が多いのも確かに分かります。
・確かに経理の仕事は、数字を正しく扱うことが第一。
4.「確か」や「確かに」には似た意味の言葉がたくさんある!
「確か」や「確かに」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「確か」と「確かに」の意味の違いと使い分けについてでした。
形容動詞の「確か」は、はっきりと間違いないさま、また、しっかりと信用できるさま、という2つの意味。
副詞の「確か」は、絶対とはいえないがほぼ間違っていない、という意味。
そして、形容動詞の「確か」は、「確かに」に活用します。
形容動詞である「確かに」は、はっきりと間違いないさまという意味であり、しっかりと信用できるさまという意味はありまあせん。