「研究」「究極」といった使い方をする「究」という漢字。
「穴かんむり」と漢数字の「九」の組み合わせでできています。
実は、この「究」の書き方に関する揉め事があるらしい…。
それは、「穴かんむり」の「八」の右端と、「九」の右端を「はねる」のか「とめる」のかといったもの…。
最上段が「九」を「はねる」形、中段が「八」と「九」両方「はねる」形、そして一番下が「八」と「九」ともに「とめる」形です。
色々な書き方がある中で、どれが正解なのか？？
時々使う漢字ですので、誤字のまま使うわけにはいきません！
ということで、国はどういった書き方を推奨しているのか徹底的に調べてみました。
本記事では、「究」の漢字は「はねる」？「とめる」？正しい「究」について根拠も含めわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください！
1.「究」の漢字、「はねる・とめる」どっちが正しい？
まずは、正しい「究」の書き方を端的にお伝えします。
「究」の漢字は、「はねる」のも正解ですし、「とめる」のも正解。
これは、「八」と「九」ともに、どういった書き方をしても正しい漢字ということ。
どちらも正解である根拠は、国が文書で公開しています。
その文書は、文化庁が出した「常用漢字表の字体・字形に関する指針（報告）について」というものですが、内容については次の項でお伝えしますね。
実は、パソコンのフォントでも、この「はねる」「とめる」はバラバラ。
たとえば、下の「教科書体」「楷書体」は、「八」はとめて「九」だけをはねています。
そして、下の「明朝体」「ゴシック体」は、「八」と「九」ともにはねています。
さらに、下の「行書体」は、「八」「九」ともにとめています…。
このように、普通に売られているフォントも書き方はバラバラ。
これも、「どういった書き方も誤字ではない」という一つの根拠といっても良いでしょう。
「究」の書き方なのですが、「九」の部分は「はねる」のが一般的で、「八」の部分は「とめる」書き方が浸透しています。
それもそのはず、漢数字の「九」は「はねる」字体がほとんどで、「八」や「穴」の最後は「はねる」というより「はらう」のが普通…。
そのため、多くの人々の頭の中には、「八」はとめて「九」をはねる「教科書体」や「楷書体」の書き方がしみついているのではないでしょうか…。
ですが、「八」「九」ともに、「はねる」「とめる」どういった書き方をしても正しい漢字です。
2.「究」の漢字に対する国の見解！
続いて、国が示した漢字の書き方に関する文書を紹介します。
文化庁が、平成28年（2016年）2月29日に出した「常用漢字表の字体・字形に関する指針（報告）について」という文書。
４ 手書き（筆写）の楷書では、いろいろな書き方があるもの
手書きの楷書においては、以下に挙げるような漢字の構成要素及び漢字の例のように、字形に違いがあっても、同じ字体として認めることのできるものがある。
それらを（１）～（６）に分類して示した。
（５）はねるか、とめるかに関する例漢字の点画の終筆をはねるか、とめるかについて、いろいろな書き表し方があるものとして、以下のような例が挙げられる。
ここに挙げるような点画のはね方、とめ方の違いは、字体の判別の上で問題にならない。
イ 縦に下ろして右に曲げる点画（乚）の終筆を、とめて書くことも、はねて書くこともあるもの
◇ 上記を含め、同様に考えることができる漢字の例
引用元：常用漢字表の字体・字形に関する指針（報告）について
このように、どちらも誤字ではない旨が記載されています。
そしてこの文書の二つある画像のうち、下の方の中段には「九」に対する「究」が載っていますし…。
その下段付近には、「穴かんむり」に対する「究」も載っています。
まとめ
以上が、正しい「究」の漢字についてでした。
「究」の漢字は、「はねる」のも正解ですし、「とめる」のも正解。
これは、「八」と「九」ともに、どういった書き方をしても正しい漢字ということ。
ですから、どのように書いても誤字ではありませんよ。