凄く似ている漢字の「采」と「彩」。
「彩」の方は、よく名前に使われる漢字で…。
有名人でも、剛力彩芽さんや上戸彩さん、須藤理彩さん、高島彩さん、山本彩さんなど他にもまだまだたくさんいます。
そして、男性より女性の名前が圧倒的に多いですね。
あと「彩」ほどではありませんが、「采」の方も名前に使われ、有名人でも一色采子さんがいます。
そんな漢字の「采」と「彩」を、徹底的に調べてみましたよ。
ということで、本記事では「采」と「彩」の2つの漢字、その読み・意味・成り立ちの違いをわかりやすく解説していきます。
後半では、名付けのポイントも解説していますので、ぜひご期待ください!
1.漢字の「采」と「彩」の違い!
最初は、「采」と「彩」の読み・意味・成り立ちの違いから。
①漢字の「采」を深掘り!
ということで、まずは「采」について、以下の表をご覧ください。
采 | 使い方 | |
音読み | サイ | |
訓読み | いろどり/と(る)/すがた/うね | |
意味① | とる/つみとる/えらびとる | 納采/采配 |
意味② | 色どり/あや/模様 | 采色 |
意味③ | 姿/様子 | 風采 |
意味④ | 領地/知行所 | 采地 |
意味⑤ | サイコロ | |
成り立ち | 爪(手)+木 |
漢字の成り立ちを、わかりやすく説明すると…。
「采」の上の部分が漢字の「爪(つめ)」で、つまりは人間の「手」を表しています。
そして、下の部分はそのとおり「木」のこと。
要するに、人の手で木の実を摘み取る様子を表現した漢字です。
漢字の意味に「とる」「つみとる」がありますが、まさにこの成り立ちのとおりですね。
②漢字の「彩」を深掘り!
次に「彩」ですが、以下の表をどうぞ。
彩 | 使い方 | |
音読み | サイ | |
訓読み | いろど(る)/あや | |
意味① | いろどる/色をつける | 彩色 |
意味② | 色どり/あや/ひかり/つや | 色彩/光彩 |
意味③ | 姿/様子 | 神彩 |
成り立ち | 爪(手)+木+彡(髪) |
「彩」の成り立ちを補足しますね。
「彩」の左側は「采」ですのですので、これは人の手で木の実を摘み取る様子。
そして、右側の「彡」は長い髪の毛を意味しています。
つまり、綺麗な色の木の実などを摘み取って、髪の毛に飾るということ。
漢字の意味が、「いろどる」「色をつける」となっていますのでそのとおりです。
③「采」と「彩」の違いのまとめ!
「采」と「彩」は、音読みではどちらも「サイ」です。
ただし、訓読みになると、「采」は「とる」で「彩」は「あや」。
「采」は「あや」とは読みませんし、「彩」は「とる」とは読みません。
ちなみに、「とる」で漢字変換すると、手へんの「採る」が出てきます。
あと、「采」の訓読みの「うね」「すがた」も、「彩」の場合は読みませんが…。
一般的な読みの中での大きな違いは、「采」は「とる」ですが「あや」とは読みませんし、「彩」は「あや」ですが「とる」とは読まないこと。
それから、意味に関してですが…動詞的な意味が最大の違いのポイントです。
「采」は「とる」「つみとる」に対し、「彩」は「いろどる」「色をつける」。
全く異なる意味ですね。
また、「色どり」「あや」という意味は「采」「彩」共通していますが、こちらは名詞的な意味で「配色された色合い」的な意味。
名詞ですので、手を動かして「色をつける」とはまた少し意味が異なります。
あと、「姿」「様子」が「采」「彩」共通の意味。
「采」独自の意味は、「領地」や「サイコロ」があります。
2.「采」と「彩」の名付けのポイント!
「采」と「彩」の違いをご理解いただいたところで、名付けのポイントを紹介します。
その前に、「采」と「彩」を使った熟語をご覧ください。
①「采」と「彩」を使った熟語!
名付けで意外に役立つのが熟語とその意味、活用できますよ。
a.「采」を使った熟語!
最初は「采」の方から。
「喝采(かっさい)」
・拍手して賛美すること。
「采色(さいしょく)」
・いろどり、また女性の美しい顔だち。
「納采(のうさい)」
・皇族の結納のこと。
「采配(さいはい)」
・指図、指揮をとること。
なかなか、良い意味の熟語です。
b.「彩」を使った熟語!
続いて「彩」。
「精彩(せいさい)」
・生き生きとした美しさのこと。
「七彩(しちさい)」
・七種の色。また美しい色どりのこと。
「星彩(せいさい)」
・星の光のこと。また、鉱物に光を当てた時の美しい輝きのこと。
「彩霞(さいか)」
・美しいかすみ。また朝やけ夕やけの雲気のこと。
まだまだたくさんありますが…。
多くが「美しい」ことを表しています。
②「采」と「彩」の漢字に込める思い!
ここからは、漢字に込める思い、願いを紹介します。
a.「采」の漢字に込める思い!
「采」は、人の手で木の実を摘み取る様子が成り立ちの漢字です。
そこから、「幸せをとりにいく」「素晴らしい人生を手に入れる」といった願いが込められるのではないでしょうか。
それから、「采配」という熟語がありますが、そこから「リーダーシップ」を願う場合も良いかもしれません。
具体的には、「さい」や「と(る)」の「と」という読みを使った名前。
男の子だと「海采(かいと)」「采樹(さいき)」、女の子であれば「采華(さいか)」「瑚采(こと)」などがあります。
b.「彩」の漢字に込める思い!
続いて、「彩」ですが…。
「彩」は、綺麗な色の木の実などを摘み取って髪の毛に飾るという成り立ち。
ですから、「色どりが豊か」「色彩が豊富」というイメージから…。
「美しさ」はもちろんのこと、「いろどり豊かで楽しい人生」「様々な才能を持つ」などの願いが込められます。
昔は「美しさ」が先行していたため女の子に多く使われていましたが、「いろどり豊かな人生」「多彩な才能」という捉え方で男の子にも増えているそうですよ。
読み方は、「あや」が圧倒的に人気ですが、他にも「さい」や「いろど(る)」の「いろ」もよく使われます。
男の子であれば「彩斗(あやと・さいと)」「彩世(あやせ)」、女の子は「彩葉(あやは・いろは)」「彩心(あやこ・あこ・あやみ・あやね)」など。
女の子の「彩葉」「彩心」は最近の人気の名前で、どちらもベスト100に入っています。
特に上位人気の「彩葉」は、「美しさ」「色どり」ももちろんですが、その他に「葉」ですので「陽の当たる人生」という願いも。
まとめ
以上が、「采」と「彩」の読み・意味・成り立ちの違いについてでした。
「采」と「彩」は、どちらも人の手で木の実を摘み取る様子を表現した漢字ですが…。
「彩」の方は、そこから長い髪の毛に飾るということが成り立ちです。
そのため、「采」は「とる」「つみとる」という意味に対し、「彩」は「いろどる」「色をつける」という意味。
この意味の違いが、最大のポイントでしょうか。
参考にしてください。