「いつでも」と「いつも」。
似ていますよね…。
ほとんど、同じような意味で使われる言葉です。
たとえば、「いつでも身に付けている」といいますし、「いつも身に付けている」ともいいます。
これは、同じ意味だと思いますが…。
しかし、「いつもどおりの服装」とはいいますが、「いつでもどおりの服装」とはいいません…。
「いつでも」と「いつも」は似ているようで、意味には決定的な違いがあるようです!
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「いつでも」と「いつも」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「いつでも」と「いつも」の意味の違い!
最初に、「いつでも」と「いつも」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「いつも」とは、副詞で「どんな時でも」「常に」のことで、「いつでも」と同じ意味。
ただし、「いつも」には名詞としての意味もあります。
名詞の「いつも」とは、「普段」「通常」のこと。
ちなみに、「いつでも」には名詞としての意味はありません。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「いつでも」の意味とは!
「いつでも」は、「どんな時でも」「常に」という意味。
たとえば、「ネックレスをいつでも身に付けている」といった使い方をします。
これは、「どんな時でも」や「常に」に置き換えることが可能。
「ネックレスをどんな時でも身に付けている」
「ネックレスを常に身に付けている」
といった具合に、違和感は全くありません。
また、「いつでも」と「いつも」の違いをしっかり理解する上で必要不可欠なのが「品詞」。
そして、「いつでも」の品詞は「副詞」です。
副詞というのは、別の言葉を飾る役割をになう言葉。
たとえば、「ゆっくり」という言葉がありますが、これも副詞。
「ゆっくり歩く」といった使い方をしますが、「歩く」という動詞を飾っています。
しかも、「ゆっくり」単独では、何がゆっくりなのか意味が伝わりません。
つまり、他の言葉と合わさって初めて文章が成り立つ言葉ということです。
「ネックレスをいつでも身に付けている」も、「いつでも」が「身に付けている」という言葉を飾っています。
「いつでも」がないと「ネックレスを身に付けている」となりますが、なくても文章は成立しますし、意味も通じますよね。
ですが、「いつでも」を加えることで、文章の内容がより濃くなります。
そして、「いつでも」という言葉は単独では文章が成り立たないというのが「副詞」の特徴。
ということで、「いつでも」という言葉は、副詞であり意味は「どんな時でも」「常に」ということです。
②「いつも」の意味とは!
「いつも」には、「副詞」と「名詞」の2種類の意味があります。
まずは、「副詞」から。
副詞の「いつも」は、「どんな時でも」「常に」のこと。
つまり、副詞である「いつでも」と意味は同じです。
前の項で、「ネックレスをいつでも身に付けている」という例文を紹介しました。
これは、「ネックレスをいつも身に付けている」と意味は全く同じです。
ネックレスをどんな時でも、常に身に付けているという意味。
問題は、もう一つの「名詞」の「いつも」。
これが、「いつでも」との最大の違いです。
名詞の「いつも」は、「普段」「通常」という意味。
「いつもどおりの服装」といった使い方をします。
これは、「普段どおりの服装」や「通常どおりの服装」と同じこと。
そして名詞なので、同じ名詞の「普段」「通常」と同様、他の言葉と必ずセットになるわけではありません。
「いつもは」「普段は」「通常は」といったように、単独でも成立します。
具体的には、「じゃあ、待ち合わせはいつもの場所で」といった使い方。
ちなみに、この「普段」「通常」という意味は「いつでも」にはありません。
したがって…。
「いつでもどおりの服装」
「じゃあ、待ち合わせはいつでもの場所で」
となると、おかしな文章になってしまいます…。
③「いつでも」と「いつも」の違いを整理!
それでは、ここで一度「いつでも」と「いつも」の違いを整理します。
副詞の「いつでも」と副詞の「いつも」は、どちらも同じ「どんな時でも」「常に」という意味。
ただし、名詞の「いつも」は、「普段」「通常」という意味。
そして、「いつでも」は名詞ではありません。
2.「いつでも」と「いつも」の辞書での意味!
続いて、辞書による「いつでも」と「いつも」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「いつでも」の辞書での意味!
【何時でも(いつでも)】
・(副)どんな時でも。常に。「何時でもいいから連絡を下さい」「何時でも身につけている」
引用元:デジタル大辞泉
説明したとおりの内容です。
②「いつも」の辞書での意味!
【何時も(いつも)】
①(副)どんな時でも。「あの店は―開いている」
②(名)ふだん。通常。「―のとおり」「―の服」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおり、意味が2つ。
内容も説明どおりですね。
3.「いつでも」と「いつも」の使い方!
次に、「いつでも」と「いつも」の使い方を例文で紹介します。
①「いつでも」の使い方!
・四季を通じていつでも安定した性能を発揮するオールシーズンタイヤ。
・必要な情報の登録だけで、いつでも簡単に画像や映像を投稿できます。
・見逃したライブ授業や過去の動画をいつでも受講できます。
・携帯電話をいつでも肌身離さず持ち歩いていたはず。
②「いつも」の使い方!
・いつも美しくパーフェクトなセレブたちにも、実はメイク失敗の過去がある。(副詞)
・初めてお会いした時からずっと変わらず、いつも笑顔で優しい。(副詞)
・普段の練習から一緒に泳いでいるメンバーなのでいつもどおり楽しく泳げました。(名詞)
・皆さんからの応援の声がない、いつもと違う状況下で試合をする。(名詞)
4.「いつでも」や「いつも」には似た意味の言葉がたくさんある!
「いつでも」や「いつも」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「いつでも」と「いつも」の意味の違いと使い分けについてでした。
「いつでも」は、副詞で「どんな時でも」「常に」という意味。
「いつも」も、副詞で「どんな時でも」「常に」という意味であり、「いつでも」と同じ意味。
ですが、「いつも」には名詞としての「普段」「通常」という意味があります。
「いつでも」は副詞であり、名詞としての意味はありません。