「被災」と「被害」。
似ていて、まぎらわしい…。
「地震のよる被災」といいますし、「地震による被害」ともいいます…。
でも、「窃盗による被害」とはいいますが、「窃盗による被災」とはいわないような…。
ということは、「被災」と「被害」は意味に違いがあるということか…??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「被災」と「被害」には明確な違いがありました!
本記事では、「被災」と「被害」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「被災」と「被害」の意味の違い!
最初に、「被災」と「被害」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「被害」とは、危害や損害を受けること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「被災」の意味とは!
「被災」は、地震などの天災や火事などの災いにあうこと。
地震の他に台風や洪水、竜巻といった自然現象による天災にあうこと。
また、火事や事故といった自然現象以外の災いにあうことも「被災」です。
ただし、「被災」という言葉には大事なポイントがあります。
「被災」の「被」は、「受ける」「こうむる」という意味。
「被災」の「災」は、「わざわい」です。
つまり、「災い」を「受ける」のが「被災」ということ。
自然現象による天災は、必ず「受ける」ものです。
しかし、火事や事故は必ず「受ける」ものとは限りません。
つまり、自分が起こした火事や事故の場合は「被災」とはいいませんよ。
必ず、他から受けた火事や事故といったものが「被災」です。
②「被害」の意味とは!
「被害」は、危害や損害を受けること。
「被害」の「被」は、「被災」の「被」と同じで「受ける」「こうむる」こと。
「被害」の「害」は、文字どおりの「害」で、「傷つける」「壊す」「損なう」といった意味。
要するに、「害」を「受ける」のが「被害」です。
たとえば、地震などの天災も、危害を受ければ、「被害にあう」ということ。
事故をもらって損害を受けても、「被害にあう」です。
この場合は「被災」とよく似ていますが、「被害」の方は「危害や損害を受ける」という部分にスポットが当たっています。
たとえば、「被災はしましたが、被害は小さかった」といった使い方。
また、「被災地域に来ていますが、被害を受けた家は数えるほどです」といった使い方も。
つまり、災いを受けるのが「被災」、危害損害を受けるのが「被害」です。
それから、「被害」は「被災」との決定的な違いがあります。
たとえば、泥棒に宝石を盗まれたとしましょう。
盗難にあうことも災いの一つではありますが、この場合は「被災」とはいいません。
ですが、宝石を盗まれて損害を受けますので「被害」です。
また、誰かに殴られた場合も「被災」とはいいません。
しかし、殴られて痛い思いをしますので危害を受けています。
したがって、誰かに殴られた場合は「被害」を受けたということ。
③「被災」と「被害」の違いを整理!
それでは、ここで一度「被災」と「被害」の違いを整理します。
地震などの天災や火事などの災いにあうことが「被災」。
天災は全て「被災」と呼べますが、災いの場合は火事や事故といった限定的なものが対象となります。
危害や損害を受けることが「被害」。
危害や損害を受けることなので、その発端となる事象の幅が広くなります。
2.「被災」と「被害」の辞書での意味!
続いて、辞書による「被災」と「被害」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「被災」の辞書での意味!
【被災】
・地震や洪水などの災害にあうこと。罹災。「台風の―者」
引用元:旺文社国語辞典
「災害」には、天災以外の災いも含まれます。
②「被害」の辞書での意味!
【被害】
・危害・損害を受けること。また、その危害・損害。「―を受ける」「―状況」↔加害
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
3.「被災」と「被害」の使い方!
次に、「被災」と「被害」の使い方を例文で紹介します。
①「被災」の使い方!
・阪神・淡路大震災で直接、間接的に被災したとする兵庫県内の中小企業。
・東日本大震災による、被災地域の高齢者のカーシェアリングを支える。
・チリ共和国で発生した大地震の被災者救済。
・新潟県の糸魚川大火の被災者のため、整備していた市営駅北復興住宅が完成。
②「被害」の使い方!
・都内のコーヒーショップでは、スリ被害が2019年に入って50件余り相次いでいる。
・DV被害から回復するには長い期間が必要。
・調査捕獲にあたる人たちがクマの被害に遭わないような対策。
・西日本各地に被害を与えた記録的な豪雨。
4.「被災」や「被害」には似た意味の言葉がたくさんある!
「被災」や「被害」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「被災」と「被害」の意味の違いと使い分けについてでした。
「被災」は、地震などの天災や火事などの災いにあうこと。
「被害」は、危害や損害を受けること。
DVを受けた場合、「被災」ではありませんが「被害」を受けたことになります。