「知見」と「経験」。
漢字は全く違うのですが、意味が似ているのですよ…。
「知見」は「知見を広げる」。
「経験」は「経験量の差」。
といったように、身についてものも意味しているようです…。
では、「知見」と「経験」では具体的にどういった部分が違うのか…??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、決定的な違いがありました!
本記事では、「知見」と「経験」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「知見」と「経験」の意味の違い!
まずは、「知見」と「経験」の意味の違いを端的にお伝えします。
「経験」とは、実際に「行う、見る、聞く」こと、また、そのことで得た知識や技能のこと。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「知見」の意味とは!
「知見」は、実際に見て知ること、また、その見聞きして得た知識のこと。
ですが、「知ること」という意味よりも「実際に見聞きして得た知識」という意味で使われる方が多いです。
そして「知見」の意味のポイントは、「実際に見聞きする」という部分。
これはつまり、実物を見ることなく、読書で得た知識や先生から教わった知識は含まないということです。
写真で見るということではなく、現場に足を運び、本物を直接見ることが求められるのですね。
たとえば、「アメリカ留学で知見を広げる」といった使い方をします。
これは、実際にアメリカで生活した上で、アメリカという国に関する知識を得るということ。
仮に、「アメリカの法律に関する専門書を読んで、知見を広げる」といった使い方はしません。
あくまでも、実際に見聞きすることが必要です。
②「経験」の意味とは!
「経験」には、2種類の意味があります。
1つ目は、実際に「行う、見る、聞く」こと。
2つ目が、実際に「行う、見る、聞く」ことで得た知識や技能のこと。
1つ目の、実際に「行う、見る、聞く」ことというのは、たとえば「気球への搭乗を経験する」といった使い方をしたとしますね。
これは、熱気球に実際に乗るということです。
この「経験」は、「気球への搭乗」だけであり、気球に関する知識を得るということではありません。
ですから、この意味の「経験」は知識とは無関係ですので、知識を得る「知見」とは全く意味が違います。
ですが、問題は「経験」の2つ目の意味である、実際に「行う、見る、聞く」ことで得た知識や技能の方。
たとえば、実際に気球に搭乗した場合、飛行する高度などの知識が身につきます。
また、上空の気温や進むスピードなど、様々な知識が実際に搭乗することで身につくのですね。
「経験」には、こういった身についた「知識」という意味もあるのです。
こちらの「経験」は、「気球に乗った経験を生かし、講演をすることになった」といった使い方をします。
その他にも「人生経験」「経験値」「経験量」といった使い方をしますが、これ全て「経験」で得た知識や技能のこと。
この「経験」の意味は、「知見」と非常に似ています。
ですが、「知見」の方は知識だけで、「経験」には知識と技能という違いがありますよ。
「技能」とは、技術的な能力のことで、「知見」にはこの意味はありません。
たとえば、「学生時代に柔道をしていた経験を生かして実業団で活躍する」といった使い方ができるのが「経験」。
これは、「学生時代に柔道で得た知見を生かして実業団で活躍する」といった使い方はしません。
少し、変ですよね…。
③「知見」と「経験」の違いを整理!
それでは、ここで一度「知見」と「経験」の違いを整理します。
実際に見て知ること、また、その見聞きして得た知識が「知見」。
実際に「行う、見る、聞く」こと、また、そのことで得た知識や技能が「経験」。
実際に触れることで得る知識は「知見」も「経験」も共通しています。
ただし、「経験」は触れることで得る技能も含まれます。
2.「知見」と「経験」の辞書での意味!
続いて、辞書による「知見」と「経験」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「知見」の辞書での意味!
【知見】
①知ることと見ること。また、見て知識を得ること。
②知識。見識。「狭い―」
③[仏]悟り。真実の知恵。
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容ですが、意味②に「知識」とあります。
ただし、他の辞書には「知識」といった記載はありませんし、「知識」と「知見」は異なるというのが一般的のようです。
意味③は仏教用語で「悟り」のこと。
②「経験」の辞書での意味!
【経験】
・実際に行ったり、見たり聞いたりすること。また、その結果得た知識や技能。「―者」「―が浅い」「外国生活を―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりですね。
3.「知見」と「経験」の使い方!
次に、「知見」と「経験」の使い方を例文で紹介します。
①「知見」の使い方!
・これまでの知見を生かして自伝を書く。
・学術団体も知見を評価して提言する仕組みが必要。
・現在の科学的知見を最大限活用する。
・AIの知見を深める支援策。
・イギリスが持つ優れた知見を活用して途上国の気候変動対策を支援。
②「経験」の使い方!
・これまでに経験したことのないような大雨。
・退職した社員の経験を生かそうという動きが活発になる。
・デザインの実務経験者大歓迎です。
・50年の人生経験が投資に役立つことも少なくない。
・海外で経験を積むことの重要性が見えた一戦だった。
4.「知見」や「経験」には似た意味の言葉がたくさんある!
「知見」や「経験」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「知見」と「経験」の意味の違いと使い分けについてでした。
「知見」は、実際に見て知ること、また、その見聞きして得た知識のこと。
「経験」は、実際に「行う、見る、聞く」こと、また、そのことで得た知識や技能のこと。
「知見」はそのことで得た知識、「経験」はそのことで得た知識と技能という違いです。