「字体」と「字形」。
「字体」は「体」なので、字の姿のことか?
「字形」は「形」なので、字の形のこと?
ではでは…、「姿」と「形」の違いは??
なんだか、ますます意味がわからなくなります…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「字体」と「字形」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「字体」と「字形」の意味の違い!
最初に、「字体」と「字形」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「字形」とは、人間が視覚的にとらえる字の形のこと。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「字体」には2つの意味が!
「字体」という言葉には主に2種類の意味があります。
その1つが、「正字体」や「旧字体」といった字の形のこと。
たとえば、「慶応大学」。
この「慶応」は、「慶應」と表記されることもありますよね。
実は、「応」は正字体であり「應」は旧字体なのです。
どちらかが誤りというものではなく、新しい字が「応」で古い字が「應」ということ。
この「応」と「應」の違いが、「字体」の違いということです。
また、「俗字体」というものもあります。
たとえば、「峰」は正字体で「峯」は俗字体。
俗字体とは、もともとは正しい字ではなかったものの、世間一般に広がって普通に使われるようになった字のことです。
いつのまにか、市民権を得てしまった字ということですね。
正字体と俗字体の違いも、「字体」の違いということ。
それから、もう1の意味が「楷書体」や「草書体」、「明朝体」や「ゴシック体」などの書き方のこと。
たとえば、楷書体が下です。
そして、下が草書体。
ゴシック体や明朝体は以下のとおり。
こういった、書き方も「字体」といいます。
②「字形」の意味とは!
「字形」は、人の目に入る字の形のことです。
たとえば、字が上手な大人と、字を覚えたばかりの子供が、同じ漢字を書いたとしましょう。
当然ですが、大人の字は形が整っていて読みやすく、子供の字はどうしてもバランスが悪くなりますよね。
この形が「字形」です。
また、前項で説明した「字体」の違いも、見た目の字の形が違いますよね。
「応」と「應」では、まるで字の形が違うわけで。
つまり、この「字体の違い」も「字形が違う」ということができるのです。
これは、「楷書体」と「草書体」の違いや「明朝体」と「ゴシック体」の違いも同じことがいえます。
人の目に入る字の形が「字形」ということ。
③「字体」と「字形」の意味の違いを整理!
それでは、ここで一度「字体」と「字形」の意味の違いを整理します。
正字体や旧字体といった字の形が「字体」。
楷書体や草書体、明朝体やゴシック体など字の書き方も「字体」です。
人間が視覚的にとらえる字の形が「字形」。
大きな「字形」とい意味があり、その中に「字体」が存在します。
2.「字体」と「字形」の辞書での意味!
続いて、辞書による「字体」と「字形」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「字体」の辞書での意味!
【字体】
①文字の形。「旧―」
②書体。楷書・行書・草書・篆書・隷書など。
③活字体。明朝・ゴシックなど。
引用元:旺文社国語辞典
意味が3種類になっていますが、意味②と意味③を合わせて説明しました。
内容は、説明したとおりです。
②「字形」の辞書での意味!
【字形】
・文字の形。「縦長の―」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりの内容ですね。
例文にもありますが、「縦長の字形」の「字形」ということ。
3.「字体」と「字形」の使い方!
最後に、「字体」と「字形」の使い方を例文で紹介します。
①「字体」の使い方!
・この字体は俗字であり実は正字ではない。
・エクセルの文字の字体はゴシック体でお願いします。
・字体が草書体になっているが読みにくいですね。
②「字形」の使い方!
・自分はなぜか字形のバランスがよくならない。
・子供時代の作文が出てきたが字形が全く違う。
・毛筆で書いたこの字形は美しい。
まとめ
以上が、「字体」と「字形」の意味の違いと使い分けについてでした。
「字体」は、正字体や旧字体といった字の形のこと。
また、楷書体や草書体、明朝体やゴシック体など字の書き方という意味もあります。
「字形」は、人の目に映る字の形のこと。