住所が変わる場合、知人に対して新住所をお知らせします。
その時はハガキだったり、メールだったり。
方法は様々ですね。
では、その文面で使う言葉は「移転」ですか?「転居」ですか?
「移転」と「転居」、同じような意味にみえますが、実は使い分けが必要な場合があるようす…。
ということで、本記事では「移転」と「転居」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「移転」と「転居」の意味の違い!
まずは、「移転」と「転居」の意味の違いを端的にお伝えします。
一方の「転居」は、「住んでいる建物」、つまり「家」を移ることです。
「場所」を移すのか、「家」を移るのかの違いですね。
では、ここからはもう少し詳細に、わかりやすく説明していきまね。
①「移転」と「転居」の違いのポイント!
「移転」も「転居」も、どちらも「移る」「移す」という部分は共通しています。
違いは、「移転」が「場所」「住所」で、「転居」は「住居」であるということ。
「場所」「住所」とは、所在地のことです。
ですから、「○○町5-2」から「□□町4-7」へ移る場合が「移転」ということですね。
そして、「転居」の意味する「住居」とは、「住んでいる建物」ということです。
要するに、現在住んでいる「家」から、隣町の「新築住宅」に移ることですね。
この場合は、「場所」「住所」も移るので、「移転」であるともいえます。
ですから、このケースでは「移転」=「転居」となります。
では、「移転」≠「転居」、イコールにならないケースがあるのか?
それは、人が住んでいない「店舗」や「生産工場」などが移る場合。
人が住んでいない建物の場合は、「転居」とはいいません。
要するに、大きな「移転」の意味の中に、「転居」の意味が含まれるのですね。
②「移転」は他にも移るものがある!
「移転」には「場所」「住所」以外に、「権利」を移す意味もあります。
「権利」とは、主に「所有権」「著作権」「商標権」など。
たとえば、マンションを購入したとしても、他人に売却する場合がありますよね。
この時、「マンションの所有権を移転する」といいます。
普段、頻繁に使うものではありませんが、「場所」「住所」以外に「権利」にも使うことを覚えておきましょう。
③「移転」と「転居」の違いを整理!
では、ここで一旦「移転」と「転居」の違いを整理します。
「場所」「住所」を移すのが「移転」。
「住居」を移るのが「転居」です。
通常は、「住所」も移り「住居」も移るケースが多いので、そういった場合は「移転」と「転居」のどちらを使っても間違いではありません。
ただし、人が住んでいない「店舗」「オフィス」などの住所が移る場合は「移転」です。
このケースで、「転居」を使ってはいけませんよ。
2.「移転」と「転居」の辞書での意味!
続いて、辞書による「移転」と「転居」の意味がどうなっているのか一応確認していきます。
①「移転」の辞書での意味!
【移転】
①(事務所・役所などの)場所・住所を移すこと。転居。「会社を―する」「―届」
②権利を他に移すこと。「―登記」
引用元:旺文社国語辞典
「場所」「住所」と「権利」を移すことですね。
説明したとおりの内容です。
②「転居」の辞書での意味!
【転居】
・住居を変えること。引っ越し。
引用元:旺文社国語辞典
「住居」とは、説明したとおり人が住む建物のことです。
3.「移転」と「転居」の使い方!
今度は、「移転」と「転居」の使い方を例文で紹介します。
①「移転」の使い方!
・生産工場を首都圏から東北地方へ移転することとした。
・転勤に伴い移転手続きを進める。
・仮住まいだったアパートから新築住宅へ移転する。
・債権を他人に移転することが決まった。
・権利の売買は、売主がその権利を取得して買主に移転する義務があります。
②「転居」の使い方!
・郵便局の窓口に転居届を提出する。
・市内で移る場合は、市役所に転居届を提出します。
・転居した場合の住民税を支払うべき市町村を確認する。
・転居祝いに観葉植物をいただいた。
・転居のお知らせハガキを郵送させていただきます。
4.「移転」や「転居」には似た意味の言葉がたくさんある!
「移転」や「転居」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「移転」と「転居」の意味の違いと使い分けについてでした。
「移転」とは、「場所」「住所」を移すこと。
「転居」とは、「住居」つまり「住んでいる家」を移ることです。
一般的に、「家」が移る場合は「住所」も移りますので、「移転」であり「転居」でもあるということ。
ですが、人が住んでいない「店舗」や「オフィス」の場所を移す場合は、「移転」ではありますが「転居」ではありまあせん。