「案件」と「要件」。
「案」と「要」の違いですが、まぎらわしいです…。
「本日の案件は…」という使い方もあれば…。
「本日の要件は…」といった使い方もあります…。
でも、どちらも指しているものが違うらしい…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「案件」と「要件」の意味の違いと使い分けについて、例文でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「案件」と「要件」の意味の違い!
最初に、「案件」と「要件」の意味の違いを端的にお伝えします。
「要件」とは、大切な用事のこと。
短くまとめると、こういった違いです。
それでは、さらに違いをわかりやすく紐解いていきますね。
①「案件」と「要件」の違いをわかりやすく!
「案件」は問題になっている事柄、「要件」は大切な用事。
どちらも仕事でよく使いますね。
「案件」の問題となっている事柄とは、たとえば「当社の社員のデータ改ざんが発覚した!」といった「こと」です。
「社員の不祥事」という「こと」が、「案件」の一つということ。
実際には、「今日の打ち合わせの案件は、先日の不祥事のことだ」といった使い方をします。
たとえば、ですよ。
一方の「要件」は大切な用事のこと。
ただの用事ではありません、大切な用事のことです。
実はこの「用事」も「こと」なのですが、同じ「こと」でも「用事」の場合は「しなくてはいけないこと」のこと。
たとえば、「どうしてもお伝えしなくてはいけない要件があります」といった使い方をする「要件」。
あとは、「本日お邪魔したのは、先日お伝えした要件に関して…」といった使い方もします。
ということで、ここまでをまとめると「問題になっていること」が「案件」、「しなくてはいけない大切なこと」が「要件」ということですね。
②「案件」と「要件」にはともに別の意味が!
実は、「案件」と「要件」には、ともに別の意味があります。
「案件」には、「訴訟事件」という意味があります。
訴訟事件とは、裁判に訴訟がおこされた事件のこと。
民事、刑事問わず、裁判所で審議されることが「案件」です。
一方の「要件」には、「必要な条件」という意味があります。
「応募要件」とか「参加要件」といった使われ方をする「要件」のこと。
この「要件」は大切な用事ではありません。
「応募要件」であれば、応募するに当たりその条件を満たしていなくてはいけないこと。
つまり、応募に必要な条件ですね。
「参加要件」であれば、参加するに当たりその条件を満たしていなくてはいけないこと。
ですから、参加に必要な条件のことです。
大切な用事以外の意味もありますので、覚えておきましょう。
③「案件」と「要件」の違いを整理!
それでは、ここで一度「案件」と「要件」の違いを整理します。
「案件」には、問題になっている事柄、訴訟事件、という2つの意味があります。
ただし「案件」は、辞書によっては「問題になっている事柄」以外に「問題になっていて、処理すべき事柄」という意味もありますので気をつけてください。
「要件」には、大切な用事、必要な条件、という2つの意味があります。
2.「案件」と「要件」の辞書での意味!
続いて、辞書による「案件」と「要件」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「案件」の辞書での意味!
【案件】
①問題になっている事柄。「重要な―」
②訴訟事件。
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容ですね。
ただし、辞書によっては「問題になっていて、処理すべき事柄」といった意味もあります。
②「要件」の辞書での意味!
【要件】
①大切な用事。
②必要な条件。「―を満たす」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容です。
3.「案件」と「要件」の使い方!
次に、「案件」と「要件」の使い方を例文で紹介します。
①「案件」の使い方!
・それは後回しにできない重要案件だ。(問題の事柄)
・タイ政府が開発を進める大型インフラ案件の一つ。(問題の事柄)
・幇助罪が適用される案件ではないのか。(訴訟事件)
・現在控訴中の案件も少なくない。(訴訟事件)
②「要件」の使い方!
・まずは要件を簡潔にお伝えします。(大切な用事)
・最初に話さなくてはいけない要件をメモしておく。(大切な用事)
・技術者に対する資格要件が厳格化された。(必要な条件)
・制度の申請要件を満たしています。(必要な条件)
4.「案件」や「要件」には似た意味の言葉がたくさんある!
「案件」や「要件」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「案件」と「要件」の意味の違いと使い分けについてでした。
「案件」と「要件」は、どちらも「こと」。
「こと」は「こと」でも、「問題になっていること」が「案件」で、「しなくてはいけない大切なこと」が「要件」です。
ただし、「案件」には「訴訟事件」、「要件」には「必要な条件」という意味もありますよ。
また、「案件」は、辞書によっては「問題になっている事柄」以外に「問題になっていて、処理すべき事柄」という意味もありますので気をつけてください。