「マナー」と「常識」。
静かにしなくてはいけない場所で騒ぐと、「常識がない」といいますし「マナー違反」ともいいますよね。
ということは、「マナー」と「常識」は意味が同じなのか…。
と、思いきや、似ているようで実は違いがあるようです…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「マナー」と「常識」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「マナー」と「常識」の意味の違い!
最初に、「マナー」と「常識」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「常識」とは、世間一般の人が共通に持っている知識や判断力のこと。
短くまとめると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「マナー」と「常識」の微妙な違い!
「マナー」はその場にふさわしい立ち居振る舞い、「常識」は世間一般的に当り前とされる知識や判断力。
つまり、「マナー」は「動作」「行為」「動き」といった目に見えるもの、「常識」は「知識」「判断力」といった目に見えないものといえます。
厳密には、こういった違いがあるということですね。
「マナー」の方は、たとえば「テーブルマナー」や「マナーモード」といった言葉があります。
「テーブルマナー」は、食事の時のふさわしい立ち居振る舞い、行儀作法のこと。
「マナーモード」は、携帯電話の着信音を消すことで、要するに静かにするといった動作です。
ですから、「マナー」は「動作」のことですね。
一方の「常識」は、「一般常識クイズ」や「常識外れ」といった言葉があります。
「一般常識クイズ」は、誰でも知っているようなごく当たり前の問題をクイズにしたもの。
「常識外れ」は、その人の考え方などが世間一般とかけ離れていること。
ということで、「常識」は人の頭の中にある「知識」のことですね。
②同じ場面で使われる「マナー」と「常識」とは!
「マナー」が動作、「常識」が知識と説明しました。
しかし、「マナー」と「常識」は同じ場面で使わることが多い言葉です。
たとえば、電車内でギャーギャー騒いでいる人がいたとしましょう。
この騒いでいる人は、「マナー違反」ともいいますし「常識がない」ともいいます。
「マナー違反」ということは、行儀作法が出来ていないということ。
そして「常識がない」ということは、電車内でどうすべきかといった考え方がないということです。
そもそも「動作」とは、人の考えがもとになって現れるもの。
ですから「知識・判断力・考え方」があり、それが「立ち居振る舞い」「行儀作法」といった「動作」に移行していくということですね。
③同じ場面で使えない「マナー」と「常識」とは!
同じ場面で使われることが多い「マナー」と「常識」ですが、必ずしもそうではありません。
「常識」は世間一般の人が共通に持っている知識や判断力のことで幅が広く、行儀作法の「マナー」と合致しない場合があるのです。
たとえば、天気の良い日は洗濯物を屋外で干すと早く乾きますよね。
これは、「常識」です。
しかし、天気の良い日に洗濯物を屋外で干すことを「マナー」といいません。
つまり、洗濯物を外で干すのは、その場にふさわしい行儀作法ではないということ。
このように、「マナー」と「常識」は必ず一致するものではないということを覚えておきましょう。
④「マナー」と「常識」の違いを整理!
それでは、ここで一度「マナー」と「常識」の違いを整理します。
その場にふさわしい立ち居振る舞いや行儀作法が「マナー」。
世間一般の人が共通に持っている知識や判断力が「常識」。
厳密には、「マナー」が動作で「常識」が知識ということです。
「マナー」と「常識」は、お互いに同じ場面で使われることが多いのですが、必ずしも一致しないことも覚えておきましょう。
2.「マナー」と「常識」の辞書での意味!
続いて、辞書による「マナー」と「常識」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「マナー」の辞書での意味!
【マナー】
・その場にふさわしい態度。行儀作法。
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容ですね。
②「常識」の辞書での意味!
【常識】
・世間一般の人が共通に持っている、また、持つべきだとされる知識や判断力。「―がない」「非―」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりの内容ですね。
3.「マナー」と「常識」の使い方!
次に、「マナー」と「常識」の使い方を例文で紹介します。
①「マナー」の使い方!
・フランス料理でスープをいただく時に音を立てるのはマナー違反。
・世界的にお互いに挨拶するのは基本的なマナー。
・多くの人が並んでいる列に割り込むのはマナー違反。
・イギリスでは、人にぶつかった時に必ず「Sorry」と言うのがマナー。
・ロシアでは、招待され時に10分遅れで行くのがマナーらしい。
②「常識」の使い方!
・フランス料理でスープをいただく時に音を立てるのは常識外れ。
・挨拶は世界の常識だ。
・多くの人が並んでいる列に割り込むのは非常識。
・果物は甘味が増した時が食べごろであるのは常識。
・明かりがなければ本を読むことができないのは常識だ。
4.「マナー」や「常識」には似た意味の言葉がたくさんある!
「マナー」や「常識」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「マナー」と「常識」の意味の違いと使い分けについてでした。
「マナー」は、その場にふさわしい立ち居振る舞いや行儀作法。
「常識」は、世間一般の人が共通に持っている知識や判断力。
「マナー」が動作で「常識」が知識なのですが、同じ場面で使われることが多い言葉です。
ただし、人は食事をするのが「常識」ですが、食事をしないからといって「マナー違反」とはいいません。