「業績」と「実績」。
似ていますよね…。
といいますか、もしかして同じ意味なのだろうか…。
たしかに、「この会社には大きな実績がある」といいますし、「この会社には大きな業績がある」ともいいます…。
ですが、よく考えたら「上半期の業績が悪化した」とはいいますが、「上半期の実績が悪化した」とはいわないような…。
ということは、「業績」と「実績」には違いがあるということか??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「業績」と「実績」には確かな違いがありました!!
本記事では、「業績」と「実績」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「業績」と「実績」の意味の違い!
最初に、「業績」と「実績」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「業績」とは、事業や学術研究において成し遂げた成果のこと。
大きな「実績」の意味があり、その中に、事業や学術研究などの細分化された「業績」があるということ。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「実績」の意味とは!
「実績」は、実際に成し遂げた成果のこと。
「実績」と「業績」の最大の違いは、「業績」は「事業・学術研究」に限定されますが、「実績」は「事業・学術研究」以外にも使えるという部分。
たとえば「事業・学術研究」ではない、スポーツに当てはめてみましょう。
「彼には、3年連首位打者の実績がある」「実際にプレミアリーグでプレーした実績は大きい」といった使い方。
これを「業績」に置き換えると、「彼には、3年連首位打者の業績がある」「実際にプレミアリーグでプレーした業績は大きい」となり、おかしいですよね…。
では、「事業・学術研究」における「実績」と「業績」の違いは何か?なのですが…。
「実績」と「業績」を使い分ける場合は、「業績」は詳細内容的な意味合いに対して「実績」はおおよその外形的な意味合いになります。
たとえば、「彼は、この会社を国内シェアナンバーワンの地位まで押し上げた実績がある」といった使い方。
この場合、「ナンバーワンにした」という成果を指しているのですが、具体的に何をしたのかがよくわかりませんよね…。
こういった「おおよその外形」をあらわす際に適しているのが「実績」です。
ナンバーワンになった理由として、詳細な内容に「実績」を使ったらどうなるのか?
「彼は、指導力を発揮し徐々に実績を上昇させた」、となると変ですよね…。
②「業績」の意味とは!
「業績」は、事業や学術研究において成し遂げた成果のこと。
ですから、前項のとおり「事業・学術研究」以外のスポーツなどに「業績」は使えません。
そして、「事業・学術研究」における「実績」と「業績」の違いは、前項でも説明したとおり「実績」は「おおよその外形」で「業績」は「詳細内容」です。
ただし、厳格に使い分けされているわけではありませんので、前項の例文を「業績」に置き換えることが可能。
「彼は、この会社を国内シェアナンバーワンの地位まで押し上げた業績がある」
ということで、違和感はありません。
ですが、「良かったり、悪かったり」といった変化する要素がある詳細内容になると「業績」しか使えない場合があります。
「不況の影響で業績が悪化している」
「人事制度に則り業績評価を行う」
「業績予想を修正する」
といった使い方です。
この例文を、「実績」に置き換えると以下のとおり。
「不況の影響で実績が悪化している」
「人事制度に則り実績評価を行う」
「実績予想を修正する」
というように、違和感満載な文章になります。
この使い方は、まさに「事業・学術研究」の細かい部分にスポットを当てた使い方ということ。
③「業績」と「実績」の違いを整理!
それでは、ここで一度「業績」と「実績」の違いを整理します。
実際に成し遂げた成果が「実績」。
そして、事業や学術研究において成し遂げた成果が「業績」。
「事業・学術研究」においては、「おおよその外形」が「実績」で「詳細内容」が「業績」です。
ただし、厳格に使い分けされているわけではありません。
ですが「詳細内容」でも、特に変化する物事に対しては「業績」だけしか使えない場合があります。
2.「業績」と「実績」の辞書での意味!
続いて、辞書による「業績」と「実績」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「業績」の辞書での意味!
【業績】
・事業や学術研究などについての成果。「―不審」「―をあげる」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「実績」の辞書での意味!
【実績】
・仕事などの上で、実際に示された成果や功績。「―を上げる」「―がある」
引用元:旺文社国語辞典
「仕事など」となっていますので、幅広く使うことができます。
説明どおりですね。
3.「業績」と「実績」の使い方!
次に、「業績」と「実績」の使い方を例文で紹介します。
①「業績」の使い方!
・プロのアナリストの予想との比較など、さまざまな視点で企業の業績を分析します。
・アンケートでは、業績が悪化すると答えた企業の割合は全体の45%もあった。
・「巣ごもり需要」をとらえたゲーム関連各社の業績には好調な数字が踊る。
・職務に忠実に精励され社の業績に大いに寄与されました。
②「実績」の使い方!
・不動産業22年の実績と積み重ねた信頼があります。
・この2人はすでにメジャーリーグで実績を残している。
・輸出は13カ月連続で前年実績を下回った。
・日本アマ2位の実績をひっさげ、最年少予選通過を目指す。
4.「業績」や「実績」には似た意味の言葉がたくさんある!
「業績」や「実績」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「業績」と「実績」の意味の違いと使い分けについてでした。
「実績」は、実際に成し遂げた成果のこと。
「業績」は、事業や学術研究において成し遂げた成果のこと。
「業績」は「事業・学術研究」だけ、スポーツなどには使うことができません。
「事業・学術研究」における「実績」と「業績」の違いは微妙なのですが、「おおよその外形」が「実績」で「詳細内容」が「業績」です。
微妙な違いなので、お互いを置き換えて使うことが可能な場合もありますが、「詳細内容」でも変化を伴うものに「実績」が使えない場合があります。