「署名」と「自署」。
たしか…、どちらも同じ意味として認識していましたが…。
よく考えると、「署名運動」とはいいますが、「自署運動」とはいわないような…。
これは、もしかして意味に違いがあるということか…???
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「署名」と「自署」の意味にについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「署名」と「自署」の意味の違いは?
最初に、「署名」と「自署」の意味を簡潔にお伝えします。
「自署」とは、自分で書きしるすこと、ただし、書きしるすものは本人の氏名に限る。
指す意味は同じですが強調している部分に違いがあり、たとえば「法律上、署名は自署が原則」といった使い方をします。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「署名」の意味とは!
「署名」は、氏名を書きしるすこと、ただし、書きしるす人はその本人に限ります。
つまりは、自分で自分の氏名を書きしるすことであり、意味は「自署」と同じ。
ただし、「署名」は「氏名を書きしるす」という部分が強調されています。
冒頭で紹介しましたが、「法律上、署名は自署が原則」という文書。
「署名」と「自署」は全く同じ意味でありながら、実質異なる意味として使われています。
要するに、「法律上、氏名を書きしるす時はその本人が書くことが原則です」ということを意味しているのですね。
それから、多くの人々から賛同を得る目的で行われる「署名運動」というものがあります。
この「署名運動」は「自署運動」とはいいませんよね。
「署名運動」は、多くの人々の「氏名を書いてもらう」という部分がメインになっていることから「自署」ではなく「署名」が使われているものと思われます。
だからといって、書く本人が別人の氏名を書いてはいけません。
②「自署」の意味とは!
「自署」は、自分で書きしるすこと、ただし、書きしるすものは本人の氏名に限ります。
前項でも紹介したとおり、自分で自分の氏名を書きしるすことであり、意味は「署名」と同じ。
ですが、「自署」の方は、「自分で書きしるす」という部分が強調されています。
余談ですが、よく他社と契約を締結する際は「契約書」を作成しますよね。
この時は、お互いの「署名」「自署」が必要になります。
ただし、パソコンで社名や代表者名を印刷してプラス印鑑、ゴム印プラス印鑑ですます場合もあるかと思いますが…。
この場合は「署名」「自署」ではなく、「記名」と「押印」ということになります。
基本的には「署名」「自署」なのですが、これらは法律上「記名・押印」で代用することが可能となっているのです。
③「署名」と「自署」の意味を整理!
それでは、ここで一度「署名」と「自署」の意味を整理します。
氏名を書きしるすこと、ただし、書きしるす人はその本人に限るというのが「署名」。
そして、自分で書きしるすこと、ただし、書きしるすものは本人の氏名に限るというのが「自署」。
指している意味は同じですが、強調している部分に違いがあります。
2.「署名」と「自署」の辞書での意味!
続いて、辞書による「署名」と「自署」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「署名」の辞書での意味!
【署名】
・自分の氏名を書きしるすこと。また、その書きしるした氏名。サイン。「―捺印」「―運動」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおり、「自署」と同じ意味ですね。
②「自署」の辞書での意味!
【自署】
・自分で署名すること。また、その署名。「―捺印のこと」
引用元:旺文社国語辞典
そもそも、「署名」は自分で書くことなのですが、それでも「自分で」という記載があります。
「自分で」という部分を、強調しているということ。
3.「署名」と「自署」の使い方!
次に、「署名」と「自署」の使い方を例文で紹介します。
①「署名」の使い方!
・活動は11月末の集計までで180万人を超える署名が集まった。
・首相は8日、アボット首相と会談し、日本・オーストラリア経済連携協定に署名した。
・工場稼動中断などを促すために、10万人署名運動に乗り出すことを明らかにした。
・プーチン大統領は20日、セルゲイ・フルガル知事を解任する大統領令に署名した。
②「自署」の使い方!
・委任者の住所・氏名は委任者本人が自署し必ず押印してください。
・左半身がほぼ動かない状態で、書類に自署する事も出来ない。
・応募用紙の記入欄に保護者による自署・押印のないものは無効となります。
・会員は直ちにカードの裏に自署しなくてはいけない。
4.「署名」や「自署」には似た意味の言葉がたくさんある!
「署名」や「自署」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「署名」と「自署」の意味についてでした。
「署名」は、氏名を書きしるすこと、ただし、書きしるす人はその本人に限ります。
「自署」は、自分で書きしるすこと、ただし、書きしるすものは本人の氏名に限ります。
基本的に全く同じ意味なので、厳密には「法律上、署名は自署が原則」という使い方は間違いということになってしまいますが、使われているのが実情。