「状態」と「常態」。
読み方はどちらも「じょうたい」。
似ていますよね…。
「状態」という字は頻繁に使われるので、意味は理解しているつもりですが…。
では「常態」って…、「状態」とは意味が違うのだろうか…???
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「状態」と「常態」は全く意味が違っていました!
本記事では、「状態」と「常態」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「状態」と「常態」の意味の違い!
最初に、「状態」と「常態」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「常態」とは、平常時の様子のこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「状態」の意味とは!
「状態」は、移り変わっていくある物事の、ある一時点における様子のこと。
ある時点で、切り取った断面の様子のことです。
多くの物事というのは、時間の経過とともに変化していくもの。
ただし、時間経過とともに物事は移り変わりますが、「状態」の様子はその時間を一旦ストップさせるのが意味のポイント。
ある時点の時間を止めた、その様子が「状態」です。
たとえば、「あなたの現在の健康状態は、ハッキリ言ってあまりよくない」といった使い方をします。
これは、健康診断を行った「時点」の様子のことを指しています。
まさに、ある一時点の様子ですね。
②「常態」の意味とは!
「常態」は、平常時の様子のこと。
「状態」はある一時点の様子でしたが、「常態」はその一時点が平常時に限定されます。
たとえば、前項で「健康状態がよくない」という意味の例文を紹介しました…。
つまり、体の調子が病気か、病気に近い段階といえます。
だとすると、健康だった普段の様子が「常態」ということ。
また、「状態」は「現在の状態を報告します」「今は危険な状態です」といった使い方をするのですが…。
「常態」の方は、一時点を切り取る必要がありませんので、「状態」のような使い方はしません。
たとえば、「常態化」「常態的」といった使い方をします。
これは、普通・平常時ではない物事が、いつの間にかその物事が「あたりまえ」になってしまったという意味。
「あたりまえ」=「平常時」ということですね。
具体的には、以下のとおりです。
「いつの間にか、在宅勤務が常態化してしまった」
「サッカーのリーグ戦では、いつの間にかラフプレーが常態的に行われるようになった」
③「状態」と「常態」の違いを整理!
それでは、ここで一度「状態」と「常態」の違いを整理します。
移り変わっていくある物事の、ある一時点における様子が「状態」。
平常時の様子が「常態」。
ある一時点が「状態」で、平常が「常態」です。
2.「状態」と「常態」の辞書での意味!
続いて、辞書による「状態」と「常態」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「状態」の辞書での意味!
【状態】
・移り変わってゆく人や物事の、ある一時点におけるようす。ありさま。「経済―」「健康―」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「常態」の辞書での意味!
【常態】
・ふだんの状態。「―にもどる」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりですね。
3.「状態」と「常態」の使い方!
次に、「状態」と「常態」の使い方を例文で紹介します。
①「状態」の使い方!
・タイヤで検知した路面状態に応じて車両の挙動を制御する技術。
・ダイビングに適した健康状態かどうか改めてご自身で確認して頂く必要がある。
・ほぼ静止状態で長時間空中に漂う所属不明の白い大型気球状物体が現れました。
・ワンちゃんの体調や状態に合わせ、飼い主様に代わり栄養管理・運動管理を行う。
②「常態」の使い方!
・本来の日本の生態系が失われており、これが常態化するとまずい。
・大量の投稿が原因で、常態的にネットワークへかなりの負荷がかかった。
・修学旅行で訪れる学生も多いため、那覇市内は常態的に混雑しています。
・人手不足が常態化した物流現場では業務改善が急務です。
4.「状態」や「常態」には似た意味の言葉がたくさんある!
「状態」や「常態」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「状態」と「常態」の意味の違いと使い分けについてでした。
「状態」は、移り変わっていくある物事の、ある一時点における様子のこと。
「常態」は、平常時の様子のこと。
「常態」の「常」は、「通常」「平常」といった使い方をするとおり、「いつも」「ふつう」という意味です。