「文句」と「不満」。
意味が似ていて、まぎらわしいですよね…。
もしかして、同じ意味なのか…。
たしかに、「ご飯の盛りが少ない!」ということが、「文句」でもあり「不満」でもあるような気がします…。
でも、「ご飯の盛りが少ない!」と思っただけで、それ以外何もなかった場合も「文句」というのだろうか…???
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「文句」と「不満」には決定的な違いがありました!
本記事では、「文句」と「不満」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「文句」と「不満」の意味の違い!
最初に、「文句」と「不満」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「不満」とは、満足できないという気持ちのことであり、言いたいことというわけではありません。
また、「文句」には文章の中の語句という意味もあります。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「文句」と「不満」の違いをわかりやすく!
「文句」は「納得できない」「気に入らない」「満足できない」ことの言い分で、「不満」は「満足できない」という気持ちのこと。
簡単にいいてしまえば、「文句」の方は「言い分」で、「不満」は「気持ち」という違いです。
「言い分」というのは「言いたいこと」。
要するに、「もの足りない」「満足できない」と思うのが「不満」、そしてその思いを「誰かに言ってやりたい!」となった時点で「文句」に変わるということ。
具体的には、学生食堂で「今日のご飯の盛り、ちょっと少ないなあ…」と感じたら「不満」。
そして、同席している仲間に「ご飯が少ないよね…」と言いたくなったり、食堂のおばさんに「今日のご飯の盛り、少ないです!」口に出した時点で「文句」になります。
ところで、「不満を口にする」という使い方もありますが、この場合は「満足できない気持ちを口にする」ということであり、「文句」と同じ意味になります。
「文句」と「不満」は今までの説明どおりリンクする場合もありますが、必ずリンクするとは限りません。
というのも、「不満」は「満足できない」だけに限定されていますが、「文句」は「納得できない」「気に入らない」「満足できない」など様々なことが当てはまるから。
たとえば、A氏とB氏の間でトラブルがあり、B氏が「A氏は詐欺師のような奴だ!」と言いふらしたとしましょう。
ちなみに、「詐欺師のような」ということは事実無根だったとしますね。
この場合A氏は、「満足できない」という思いはいだきません。
どちらかというと、「納得できない」という気持ちになります。
つまり、「不満」ではなく「不服」ということ。
「納得できない」という思いのA氏は、B氏に対して「いい加減なことを言うな!」と言いますが、これが「文句」です。
ということで、「文句」の場合は「不服」など様々な気持ちが対象になることから、必ず「不満」だけとは限りませんよ。
②「文句」には別の意味も!
「文句」は「不服」や「不満」などの言い分のことですが、正確には別の意味もあります。
それは、文章の中の語句のこと。
たとえば、「決まり文句」といった使い方をしますが、この「文句」です。
この「文句」は、「不服」や「不満」とは全く関係ありません。
具体的には、結婚式の祝辞で「〇〇君、〇〇さん、本日は誠におめでとうございます。ご両家の皆様にも心よりお慶び申し上げます。」といった始まりになりますが…。
これは、だいたい皆さん一緒です。
これが「決まり文句」ですね。
あとは、歌の「歌詞」のことを「文句」といったりしますが、これも文章中の語句です。
③「文句」と「不満」の違いを整理!
それでは、ここで一度「文句」と「不満」の違いを整理します。
納得できない、気に入らない、満足できないことの言い分が「文句」。
満足できない、という気持ちが「不満」。
「言い分」と「気持ち」の違いです。
ただし「文句」には、「宣伝文句」「決まり文句」といった、文章中の語句の意味もあります。
2.「文句」と「不満」の辞書での意味!
続いて、辞書による「文句」と「不満」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「文句」の辞書での意味!
【文句】
①文章の語句。文言。「きまり―」
②不平・不満などの言い分。苦情。「―をつける」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「不満」の辞書での意味!
【不満】
・満足しないこと。納得できずもの足りなく感じられるさま。「―をぶちまける」「―に思う」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりですね。
「感じられるさま」であり、「言い分」「言いたいこと」ではありません。
3.「文句」と「不満」の使い方!
次に、「文句」と「不満」の使い方を例文で紹介します。
①「文句」の使い方!
・学校の教員のプロ意識とスキルの高さは、文句なく素晴らしい。
・知り合いが文句をつけて解約させたということがあった。
・試合を通して文句を言われ続けたと記している。
・タイヤの宣伝文句として「シリカ配合」という言葉を耳にすることがある。
②「不満」の使い方!
・選手たちから不満が噴出したことから不使用を決めたという。
・バスなどの交通渋滞やマナーの悪さにも、住民の不満が高まっている。
・訪日外国人が実際に感じた不満についてのアンケート結果を紹介した。
・あなたのイライラや不満を「叫びの壺」が引き受けます。
4.「文句」や「不満」には似た意味の言葉がたくさんある!
「文句」や「不満」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「文句」と「不満」の意味の違いと使い分けについてでした。
「文句」は、納得できない、気に入らない、満足できないことの言い分。
「不満」は、満足できないという気持ちのこと。
「言いたいこと」になるかどうかが、「文句」と「不満」の分岐点です。