「正式」と「公式」。
非常にまぎらわしいですよね…。
よく、「公式の訪問」といいますが、「正式な訪問」といっても間違いではないような…。
では、この訪問の「正式」と「公式」では何がどう違うのだろうか…???
これは、ハッキリさせなくてはいけませんね!
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「正式」と「公式」には明確な違いがありました!
本記事では、「正式」と「公式」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「正式」と「公式」の意味の違い!
まずは、「正式」と「公式」の意味の違いを端的にお伝えします。
「公式」とは、公に定められているやり方のこと。
また「公式」には、計算の方法などを数学上の記号であらわした式という意味もあります。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「正式」の意味とは!
「正式」は、正しいやり方のこと。
「公式」の方は「公に定められたやり方」で、「正式」は「正しいやり方」という違い。
「正しい」の方が、より意味が広くなるとイメージしてください。
では、「正しい」とは何か?ですよね。
「正しい」ということは、「正確」「事実」「法律」「作法」といったものを満たしていなくてはいけません。
まず、「正確」の例を紹介します。
たとえば、「割り勘(わりかん)」という言葉がありますがこの言葉、実は正確な言葉ではありません。
正確には、「割前勘定(わりまえかんじょう)」といいます。
ですから、この場合「割前勘定」が「正式」な言葉ということ。
それから、「法律」に関する例。
たとえば、「正式な借用書」といった使い方をします。
この「借用書」ですが、法的に無効となるケースもあるようです。
法的に有効である「借用書」が、「正式な借用書」ということ。
ということで、「正確」「事実」「法律」「作法」などに反していない、正しいやり方が「正式」ということです。
②「公式」の意味とは!
「公式」は、公に定められているやり方のこと。
「正式」は「正しいやり方」ですので、「公式」の「公で定められているやり方」の方が意味の範囲は狭くなります。
ちなみに、「公で定められているやり方」が、「正しいやり方ではない」ということではありません。
「公で定められているやり方」は、基本的に「正しいやり方」です。
つまりは、大きい「正式」の意味があり、その中に「公式」が含まれるということです。
たとえば、「首相の公式訪問」といった使い方をします。
この「公式」は、国を代表した立場で訪問すること。
要するに、公で定められているやり方で国を代表して訪問するということです。
ちなみに、「公式」ではない訪問は「非公式訪問」。
この場合は、個人的な訪問という位置付けになります。
さてさて、この「公式訪問」と「非公式訪問」は「正しいやり方」をしないのか?といえば、そんなことはありません。
ですから、ある意味「公式訪問」と「非公式訪問」は、「正式な訪問」ということができるのですが…。
この場合、「公式訪問」か「非公式訪問」かがまぎらわしくなるため、政治的な訪問に関してはあえて「正式」という言葉は基本的に使いません。
それから、「チーム公式ユニフォーム」といった使い方をします。
これは、そのチームが公で定められているやり方で作ったユニフォームということ。
要するに、ニセモノではなく本物のユニフォームということができます。
というわけで、「公式」は「本物である」と言い換えも可能。
あと、「公式」は数学の記号であらわした式という意味もありますよ。
③「正式」と「公式」の違いを整理!
それでは、ここで一度「正式」と「公式」の違いを整理します。
正しいやり方が「正式」。
公に定められているやり方が「公式」。
「正式な試合」と「公式の試合」の違いは微妙ですが、正しいルールで行った試合が「正式」で、公で定められているやり方をしたプロ野球のリーグ戦や甲子園大会などが「公式」に該当します。
それから「公式」には、計算の方法などを数学上の記号であらわした式という意味もあります。
2.「正式」と「公式」の辞書での意味!
続いて、辞書による「正式」と「公式」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「正式」の辞書での意味!
【正式】
・正しいやり方。規定どおりの方式。また、それに合っていること。「―の試合」「―な手続きを踏む」↔略式
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「公式」の辞書での意味!
【公式】
①公に定められている方式や形式。また、それにのっとって行われること。「―発表」「非―」
②[数]計算の方法や法則を数学上の記号で書き表した式。
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりですね。
3.「正式」と「公式」の使い方!
次に、「正式」と「公式」の使い方を例文で紹介します。
①「正式」の使い方!
・タイヤから生えた「ヒゲ」の正式名は「スピュー」といいます。
・文科省は、国語と数学の記述式問題の導入を見送ると正式に表明した。
・N検の正式名称は、「ニュース時事能力検定」です。
・正式な災害派遣要請がないために活動を始めらない。
②「公式」の使い方!
・収穫を祝う儀式は天皇が非公式に行う毎年恒例の行事。
・保有権を持つ川崎Fから買い取り、完全移籍での獲得を公式発表。
・グーグルは検索エンジンの計画についての公式発表はまだ。
・公務を担う王族の立場で公式行事に参加するのは、今回が最後。
4.「正式」や「公式」には似た意味の言葉がたくさんある!
「正式」や「公式」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「正式」と「公式」の意味の違いと使い分けについてでした。
「正式」は正しいやり方のことで、「公式」は公に定められているやり方のこと。
ちなみに、「正式」の反対語は「略式」、「公式」の反対語は「非公式」です。
また「公式」には、計算の方法などを数学上の記号であらわした式という意味もありますよ。