「離職」と「失業」。
似ていますよね…。
でも、「自分で事業を始めるために離職する」とはいいますが、「自分で事業を始めるために失業する」だと何だか変です…。
これはつまり、「離職」と「失業」には違いがあるということのようです…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「離職」と「失業」には確かな違いがありました!
本記事では、「離職」と「失業」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「離職」と「失業」の意味の違い!
最初に、「離職」と「失業」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「失業」とは、働きたい意思がありながら、その意思に反して職業を失うこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「離職」の意味とは!
「離職」は、職業を辞めて離れること。
職業をやめる理由は人によって様々です。
たとえば、「定年退職」や「寿退社」もあれば、「解雇」によって職業を失う場合も。
こういったもの全てが「離職」です。
ですから、厳密には「職業を失うこと」である「失業」も「離職」の一つ。
つまり、自分の意思で辞めるのも、会社側の意思で辞めさせられるのも「離職」です。
誰の意思によるものか、という定義はありません。
また、「離職」にはもう一つの意味があります。
冒頭で説明しませんでしたが、「離職」には担当している職務から離れるという意味もあります。
担当から離れることなので、この「離職」は会社を辞めるとは限りません。
すごくまぎらわしいのですが、「離職」には2つの意味があるこることを覚えておいてください。
②「失業」の意味とは!
「失業」は、働きたい意思がありながら、その意思に反して職業を失うこと。
つまり、「働きたいのに、会社からクビにされた」というのが「失業」です。
では、クビ以外で、会社側が人員削減のため希望退職を募り、それに自ら手を上げた場合はどうなるか…?
これも、手を上げた人が「本来は、その職場でまだ働きたい意思があった」という場合は「失業」です。
ですから、「働きたいという意思」の有無が大きなポイント。
仮に、「働く気がない」という場合は「解雇」されたとしても、厳密には「失業」ではありません。
そもそも働く気がないのに、「職業を失う」という表現には当てはまらないのかもしれませんね。
この場合は、「職業を自ら捨てた」といってもよいのかもしれません。
また、会社から解雇される以外に、倒産によって「失業」する場合もあります。
ですから、企業の経営者が倒産させてしまった場合、解雇ではありませんが「失業」です。
もちろん、経営者以外の従業員も「失業」ということ。
倒産の場合も、当然ですが自分の意思に反して職業を失います。
ちなみに、解雇であっても倒産であっても、その後に再就職した場合は「失業」状態を脱したことになります。
③「離職」と「失業」の違いを整理!
それでは、ここで一度「離職」と「失業」の違いを整理します。
職業を辞めて離れることが「離職」。
「離職」は、誰の意思で辞めるのかといった定義はありません。
働きたい意思がありながら、その意思に反して職業を失うことが「失業」。
リストラや倒産などが該当します。
2.「離職」と「失業」の辞書での意味!
続いて、辞書による「離職」と「失業」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「離職」の辞書での意味!
【離職】
①就いている職務からはなれること。
②職業をはなれること。「―率」
引用元:旺文社国語辞典
意味が2種類で、内容も説明どおりです。
②「失業」の辞書での意味!
【失業】
・職業を失うこと。失職。また、職業に就けないでいること。「―者」「倒産で―する」
引用元:旺文社国語辞典
働きたい意思に関する記載がありませんが、そもそも「失う」という言葉自体に「意思に反する」意味合いがあります。
3.「離職」と「失業」の使い方!
次に、「離職」と「失業」の使い方を例文で紹介します。
①「離職」の使い方!
・新卒者の離職率を見ると、他産業に比べて若干低い。
・特に介護については、介護離職の防止に向けた対策が講じられている。
・近年では学校教師においても離職率は高いというデータもある。
・離職者が相次ぐ検査現場の厳しい環境が報道されていた。
②「失業」の使い方!
・退社後にもらう失業手当を少しでも有利にしておきたい。
・アメリカの、病気などで失業したトラック運転手のための基金。
・韓国の全失業者に占める25〜29歳の割合は21.6%に達した。
・ウイルスの感染拡大の影響で失業者が急増しています。
4.「離職」や「失業」には似た意味の言葉がたくさんある!
「離職」や「失業」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「離職」と「失業」の意味の違いと使い分けについてでした。
「離職」は、職業を辞めて離れることですが、誰の意思で辞めるのかの定義はありません。
「失業」は、働きたい意思がありながら、その意思に反して職業を失うこと。
解雇された場合は「失業」といいますが、厳密には「離職」といっても間違いではありません。