「補修」と「修復」。
似ている…。
というよりは、同じ意味では?と思ってしまいます…。
「補修工事」といいますし、「修復工事」ともいいます…。
やはり、同じ意味なのだろうか???
ですが、よくよく調べてみたら「補修」と「修復」には決定的な違いがありました!
この2つの言葉は、意味が全く違いますよ!
本記事では、「補修」と「修復」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「補修」と「修復」の意味の違い!
最初に、「補修」と「修復」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「修復」とは、壊れたところを元どおりに直すこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「補修」の意味とは!
「補修」は、壊れたところを補って直すことで、「必ず元どおりにする」という定義はありません。
完全に元どおりにするというよりは、他の部品で補ってとりあえず使えるようにするということ。
「補う」ことなので、穴埋め的に直すことといった言い方もできます。
たとえば、床に足がスッポリと入るような穴が開いたとしますね。
このままにしておくのは当然危険。
とりあえず、40センチ四方の板があったので、その板を穴の部分に打ち付けてふさぎました。
別の板で「補って」直すこと、これが「補修」です。
しかも、床は元どおりではありません。
穴の部分には明らかに別の板が打ち付けられていて、パっと見ただけで「補った」ことがすぐにわかってしまいます。
「補う」ことと、「必ずしも元どおりではない」ということがポイントですね。
②「修復」の意味とは!
「修復」は、壊れたところを元どおりに直すこと。
「元どおり」に直すということがポイントです。
たとえば、床に足がスッポリと入るような穴が開いた場合。
40センチ四方の板でふさいだだけでは、元どおりにはなりません。
完全に元の状態にするには、専門の工事が必要になります。
壊れた部分の床板を取り替えるか、床全部を取り替えるといった工事ですね。
その場しのぎではなく、キッチリと元どおりに直すのが「修復」です。
それから、「修復」は「物体」だけに使うとは限りません。
たとえば、「壊れてしまった友人関係を修復する」といった使い方をします。
「関係の修復」ですので、目に見える「物体」ではありません。
壊れてしまうものであれば、何でも使えるのが「修復」です。
③「補修」と「修復」の違いを整理!
それでは、ここで一度「補修」と「修復」の違いを整理します。
壊れたところを補って直すのが「補修」。
「補修」は、元どおりに直すとは限りません。
壊れたところを元どおりに直すのが「修復」。
必ず元どおりに直します。
2.「補修」と「修復」の辞書での意味!
続いて、辞書による「補修」と「修復」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「補修」の辞書での意味!
【補修】
・足りないところをおぎなったり、こわれたところを修理したりすること。「ビルの―工事」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりですね。
「元どおりにする」とは記載されていません。
②「修復」の辞書での意味!
【修復】
・こわれた所をもとどおりに直すこと。「―工事」「絵画の―」「親子の関係を―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
3.「補修」と「修復」の使い方!
次に、「補修」と「修復」の使い方を例文で紹介します。
①「補修」の使い方!
・パテとは、ひびや穴があいた部分に塗るように補修するもの。
・校舎の劣化に伴う補修工事が始まる。
・美術館に常設展示されてきた自身の作品を初めて補修した。
・お気に入りの鞄やブランドバッグのキズの補修もお任せください。
②「修復」の使い方!
・カビなどの修復やメンテナンスに加え、最適な靴の状態を保つ。
・現状の石垣の健全性を判定し、修復の必要性を判断します。
・150万ユーロをかけて修復された1883年製の木造帆船。
・相続トラブルで揉めた関係を修復するのは難しい。
4.「補修」や「修復」には似た意味の言葉がたくさんある!
「補修」や「修復」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「補修」と「修復」の意味の違いと使い分けについてでした。
「補修」は、壊れたところを補って直すこと。
「修復」は、壊れたところを元どおりに直すこと。
「修復」は必ず元どおりにしますが、「補修」は元どおりにするとは限りません。