「改善」と「解消」。
なんとなく、意味を理解しているつもりですが、よく考えるとまぎらわしいです…。
たとえば…。
「エレベーターの故障個所を改善した」
「エレベーターの故障個所を解消した」
といった場合、何がどう違う…?
もしかして、「改善」と「解消」は意味が同じ…??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「改善」と「解消」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「改善」と「解消」の意味の違い!
まずは、「改善」と「解消」の意味の違いを端的にお伝えします。
「解消」とは、決め事や関わりなどをとりやめてなくすこと。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「改善」の意味とは!
「改善」は、悪い点をあらためてよくすること。
悪い点をなくすことではなく、よくすることです。
たとえば、職場のエレベーターが故障して、上層階へ行くには階段を上るしかなかったとします。
「エレベーターが使えない」と不便ですよね。
この「エレベーターが使えない」ことが悪いことです。
このエレベーターが使えない状況をよくすること、これが「改善」です。
故障を修理することで、エレベーターが使えるようになる、つまりよくなるということ。
②「解消」の意味とは!
「解消」は、決め事や関わりなどをとりやめてなくすこと。
また、なくすものは、決め事や関わりの他に状態なども含まれます。
たとえば、前の項目と同じように、職場のエレベーターが故障して上層階へ行くには階段を上るしかなかったとします。
エレベーターが使えないと不便ですので、修理を依頼しました。
そして、修理してエレベーターの故障を取り除いたとします。
これは、「エレベーターの故障状態をなくす」ことなので、故障状態の「解消」ということになります。
その他に、決め事の「解消」としては、たとえば契約の「解消」。
そして、関わりの「解消」としては、婚約の「解消」といった使い方があります。
③「改善」と「解消」の違いを整理!
それでは、ここで一度「改善」と「解消」の違いを整理します。
悪い点をあらためてよくするのが「改善」。
たとえば、故障したエレベーターを修理してよくすることです。
決め事や関わりなどをとりやめてなくすのが「解消」。
たとえば、エレベーターの故障状態をなくすことです。
「改善」も「解消」も、エレベーターに対して行った行動は、どちらも故障の修理。
言葉の意味は違うのですが、結果的には同じ行動をしたことになります。
2.「改善」と「解消」の辞書での意味!
続いて、辞書による「改善」と「解消」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「改善」の辞書での意味!
【改善】
・悪い点を改めてよくすること。「生活の―」「待遇―」↔改悪
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容です。
②「解消」の辞書での意味!
【解消】
・取り決め・関係などをとりやめて、なくすること。また、そうなること。「婚約の―」
引用元:旺文社国語辞典
「なくすこと」ですので、説明どおりですね。
3.「改善」と「解消」の使い方!
次に、「改善」と「解消」の使い方を例文で紹介します。
①「改善」の使い方!
・現在の劣悪な労働環境の改善をお願いしたい。
・組み立て作業を機械化したことで労力が改善された。
・消費者から苦情が相次いだことから製品の改善に取り組む。
・服の保温性能を改善する。
②「解消」の使い方!
・網戸の隙間を直してムシの悩みを解消した。
・運動不足を解消すべくウォーキングから始める。
・喧嘩により友人関係は解消されたといってもよい。
・積もりに積もった疲れを解消したい。
4.「改善」や「解消」には似た意味の言葉がたくさんある!
「改善」や「解消」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「改善」と「解消」の意味の違いと使い分けについてでした。
「改善」は、悪い点をあらためてよくすること。
「解消」は、決め事や関わりなどをとりやめてなくすこと。
「故障がよくなった!」が「改善」で、「故障がなくなった!」が「解消」です。