「適応」と「対応」。
似ています…。
「応」という字が共通点ですが、こういった字は「反応」や「即応」など多いですね。
そして、いずれも行動に関するような意味合い。
では、この「適応」と「対応」にも、そういった行動に違いがあるのだろうか…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「適応」と「対応」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「適応」と「対応」の意味の違い!
最初に、「適応」と「対応」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「対応」とは、ある状況に応じて行動すること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「適応」と「対応」の違いをわかりやすく!
「適応」はある状況に合うように行動すること、「対応」はある状況に応じて行動するということ。
つまり、状況に「合わせる」のか「応じる」のか、といった違いです。
「適応」の状況に「合わせる」とは、自分自身をその状況に寄せていくということ。
極端な言い方をすれば、仮に自分が「合わせたくない」「相手に合わせるのは不本意だ」といった気持ちであっても、相手に寄せていくということです。
そして、「対応」の状況に「応じる」とは、状況に反応して行動を起こすということ。
この「対応」は、仮に「チームのしきたりに合わせるべき」といった意見がある場合、全て「合わせる」とは限りません。
たとえば、「少し待っていただけませんか?」とか「妥協案としてこういったやり方はいかがでしょうか?」など、こういった行動であっても「対応」ということです。
ですが、「対応」は「チームのしきたりに合わせる」ということでもありますよ。
こういった、相手に寄せる「対応」をとった場合は、「対応」と「適応」は同じ意味ということですね。
「適応」は状況に合わせるだけ、「対応」は状況に応じることですが、合わせる意味もあるということ。
②「対応」の意味は幅が広い!
「対応」には、「ある状況に応じて行動すること」意外の意味が二つあります。
一つが、お互いに向き合うという意味。
これは、よく数学などで使う「対応」です。
たとえば、「対応する角の大きさは等しい」。
また、「対応する二辺の長さは等しい」などですね。
もう一つの意味は、つり合うという意味。
たとえば、「売上げに対応する仕入れ」といった使い方をします。
これは、売上げと仕入れがつり合っているといった意味。
「売上げに対応する仕入れ」を「売上げにつり合う仕入れ」と言い換えることができます。
③「適応」と「対応」の違いを整理!
それでは、ここで一度「適応」と「対応」の意味の違いを整理します。
ある状況に合うように行動するのが「適応」。
ある状況に応じて行動するのが「対応」。
「合わせる適応」と「応じる対応」の違いです。
ただし、「応じる」には「合わせる」意味も含まれていますよ。
2.「適応」と「対応」の辞書での意味!
続いて、辞書による「適応」と「対応」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「適応」の辞書での意味!
【適応】
①ある状況や条件によく合うこと。また、合うように行動すること。「環境に―する」
②[生]生物が環境に応じて、器官の構造や機能を変化させること。
引用元:旺文社国語辞典
意味①は説明どおりの内容ですね。
そして意味②は、同じ意味ではあるのですが、生物が環境に合わせる進化のことです。
②「対応」の辞書での意味!
【対応】
①たがいに向き合うこと。二つの物事が相対する関係にあること。「―する二辺」
②相手の動きや状況に応じて行動すること。「新たな―を迫られる」「―策」
③つり合うこと。見合っていること。「収入に―した支出」
引用元:旺文社国語辞典
意味が3種類あり、全て説明どおりですね。
3.「適応」と「対応」の使い方!
最後に、「適応」と「対応」の使い方を例文で紹介します。
①「適応」の使い方!
・真っ暗闇だったが、目が適応して徐々に見えるようになる。
・集団生活では適応能力が大切。
・高い適応性が彼の長所だと思う。
・慣れない職場環境だが一歩一歩適応していくしかない。
②「対応」の使い方!
・来客の呼びかけに対応する。
・現在は電話対応中です。
・その辺は柔軟に対応させていただきます。
・顧客対応力強化研修に参加する。
まとめ
以上が、「適応」と「対応」の意味の違いと使い分けについてでした。
「適応」は、ある状況に合うように行動すること。
「対応」は、ある状況に応じて行動すること。
「適応」と「対応」の意味は違いますが、結果的に同じ行動になる場合があります。