テレビを視ていると、時々「ミイラ」という言葉を耳にします。
古代のお墓から発見される、人間などの遺〇のことですね。
通常は生ものですので、月日の経過とともに腐食し生前の姿とは全く異なる形状になりますが…。
形状が維持されるように、人工的に細工を施したものが「ミイラ」です。
この「ミイラ」という言葉なのですが…。
昔々は当たり前だったのですが、あるロールプレイングゲームがヒットすると新たに「マミー」という言葉も登場することになります。
「マミー」って何だ??見た目は「ミイラ」じゃね??と思ったものですが…。
果たして、「マミー」と「ミイラ」は同一のものを指しているのだろうか…。
ということで、この2語について徹底的に調査してみましたよ!
本記事では、「マミー」と「ミイラ」についてわかりやすく解説していきます。
結構深掘りしましたので、ぜひご期待ください!
1.「マミー」と「ミイラ」の違いとは!
まずは、結論から端的にお伝えしますね。
「マミー」も、人為的加工や自然条件により乾燥され、腐食せず残っている人間またはその他の動物の遺〇のこと。
つまり、「マミー」と「ミイラ」は同じものを指しています。
違いは、「ミイラ(mirra)」はポルトガル語で「マミー(mummy)」は英語ということ。
では、語源なども含めさらに深掘りしていきますね。
①「ミイラ」の語源とは!
「ミイラ(mirra)」はポルトガル語で、日本には英語よりポルトガル語の方が早く伝わりました。
そのため、「マミー」ではなくポルトガル語の「ミイラ」の方が定着したのです。
余談ですが、「天ぷら」や「金平糖」もポルトガル語由来ですよ。
「ミイラ(mirra)」が日本に伝わったのが、16世紀から17世紀ごろ。
時代は、室町時代から戦国時代のころです。
南蛮貿易を通じて、ポルトガル人から伝わりました。
ちなみに、ポルトガル語で「mirra」は「ミッラ」と発音し、元々は「没薬(もつやく)」を意味する言葉。
「没薬」とは、樹木から採取するゴム樹脂のことで、ミイラ作りの防腐剤として使われていた薬のことです。
つまり、「ミイラ」の語源は防腐剤だったのですね。
②「マミー」の語源とは!
「マミー(mummy)」は英語で、元々はペルシャ語の「ワックス」を意味する「mum」が出発点。
要するに、「マミー(mummy)」の語源は「ワックス(mum)」ということです。
ペルシャ語からアラビア語を経由して、英語として「マミー(mummy)」が使われるようになり定着しました。
ところで、なぜ「ワックス」が出発点なのか?ですが…。
実は、「ミイラ(マミー)」をつくるために、蜂の巣の「蜜蝋」が使われていたそうです。
保存するための防腐剤の一つだったみたいですね。
蜜蝋の蝋はまさに「ワックス」ですから、「ワックス」を意味するペルシャ語の「mum」が語源であっても全く不思議ではありません。
2.国別「マミー」「ミイラ」の呼び方!
続いて、他の国では「マミー」「ミイラ」をどのように呼んでいるのかご紹介しますね。
カッコ内は表記の仕方です。
スペイン語:モミア(momia)
フランス語:モミ(momie)
ドイツ語:ムミイエ(mumie)
ロシア語:ムーミア
ポルトガル語:ミッラ(mirra)
日本語:ミイラ(木乃伊)
中国語:ムーナイイー(木乃伊)
韓国語:ミラ
基本的に、どこの国の言葉でも「ま行」から始まっていますので似ていますね。
日本語表記はカタカナで「ミイラ」と書くのが一般的ですが、漢字では「木乃伊」と書きます。
そして、中国語でも「木乃伊」と表記。
日本語で「木乃伊」を「ミイラ」と読むのはかなり無理があるのですが、中国語からそのまま流用されたということです。
まとめ
以上が、「マミー」と「ミイラ」についてでした。
「マミー」と「ミイラ」はどちらも同じ意味。
腐食せず形状を維持した遺〇のことです。
違いは、「マミー」が英語、「ミイラ」がポルトガル語で、日本へはポルトガル語の「ミイラ」が早く伝わり定着しました。
「マミー」は防腐剤のワックスが語源で、「ミイラ」は防腐剤の没薬が語源です。