私はウイスキーが大好きで、ロックで飲む時は「チョコレート」を一緒に食べます。
あうのですよ!!
美味いし、健康効果も高いし、最高ですね。
ところで、この「チョコレート」ですが、普段はカタカナ表記されるのが一般的。
しかし…。
この「チョコレート」、なんと!漢字表記ができますよ!
しかも、その漢字の数…、一つや二つだけではありません。
ということで本記事では、「チョコレート」の漢字表記とその由来について、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「チョコレート」を漢字で書くと?
最初にお伝えしたとおり、「チョコレート」の漢字は一つだけではありません!
漢字は下のとおり、全部で12個もあります!
貯古齢糖・貯古令糖・貯古冷糖
千代古齢糖・千代古令糖
知古辣・知古辣他
楂古聿
血汚齢糖
かなりたくさんありますが、これら全てが「チョコレート」のこと。
「チョコ」の部分は、「猪口」「貯古」「千代古」「知古」という字が複数使われています。
そして「レート」の方は、「齢糖」「令糖」「冷糖」など色々とあって、それぞれの組み合わせで数が多くなっているということ。
まあ、単独の漢字もありますが…。
ちなみに、私が持っている辞書では下のとおり説明していますよ。
【チョコレート(chocolate)】
①カカオの実をいって粉にしたもの。また、それにミルク・バター・砂糖・香料などを混ぜて型で固めた菓子。
②(「チョコレート色」の略)濃いあずき色。こげ茶色。
▽日本では、一八七七(明治十)年ころ、東京両国の菓子店風月堂が半製品から製造を行ったのが最初という。
引用元:旺文社国語辞典
ということで、「チョコレート」の漢字は紹介されていませんでした。
カカオからつくったお菓子ということだけ。
余談ですが、カカオの漢字は「加加阿」です。
それでは、次項では漢字の由来について説明しますね。
2.「チョコレート」の漢字の由来!
「チョコレート」の漢字表記は、全部で12種類。
ということで、それぞれの漢字の由来について説明していきます。
①「猪口齢糖」「猪口令糖」「猪口冷糖」の由来!
最初は、「猪口」のグループから説明していきます。
チョコレートは江戸時代に初めて日本に上陸しますが、製造販売が行われたのは明治時代になってから。
前項の辞書にもあるとおり、風月堂という菓子店がその歴史の第一歩を踏み出したのです。
1887(明治10)年に、チョコレートの販売にあたり新聞に広告を掲載したのですが、その時に初めて漢字表記されました。
そして、「チョコレート」の当て字に使われた最初の漢字が「猪口齢糖」。
「ちょこ」という言葉で、当てはまる漢字は「猪口」しかありませんので、この字が採用されたものと思われます。
あと、後ろの「レート」も当て字で、「レー」という部分は正確には「れい」ではありますが、「齢」が当てられました。
「ト」は、「砂糖」の「糖」が使われましたが、まあ甘いお菓子ということだと思います。
「糖」は、正確には「と」ではなく「とう」ですが、その辺は目をつぶってくださいというところでしょうか…。
それから「猪口齢糖」の他に、「猪口令糖」「猪口冷糖」も漢字として使われるようになりました。
「齢」と同じ「れい」と読む字として、比較的画数が少なく簡単な「令」や「冷」が当てられたものと思われます。
②「貯古齢糖」「貯古令糖」「貯古冷糖」の由来!
続いて、「貯古」のグループについて説明します。
1887(明治10)年に風月堂が新聞広告を掲載しましたが、「猪口齢糖」の他に「貯古齢糖」という漢字も使われました。
「ちょこ」という言葉の漢字は「猪口」しか存在しませんので、「ちょ」と「こ」にそれぞれ無理矢理漢字を当てたということのようです。
「貯金(ちょきん)」の「貯」に、「古典(こてん)」の「古」で、「貯古(ちょこ)」。
「レート」の部分は、前項の「猪口齢糖」と全く同じです。
そして、「齢糖」の他に「令糖」や「冷糖」も前項と同じように使われるようになりました。
③「千代古齢糖」「千代古令糖」の由来!
次は、「千代古」のグループ。
この「千代古齢糖」も、「猪口齢糖」や「貯古齢糖」と同様に同時期に新聞広告として掲載された漢字です。
「チョコ」という部分に、「猪口」「貯古」の他に「千代古」も採用されたということ。
「千代紙(ちよがみ)」の「千代(ちよ)」に、「古典(こてん)」の「古(こ)」。
正確には「千代古」で、「ちょこ」ではなく「ちよこ」ですが…。
あと「レート」の部分は、「齢糖」の他に「令糖」が使われました。
なぜか「冷糖」が使われませんでしたが、その理由は不明です。
それから、「猪口」「貯古」「千代古」や「齢糖」「令糖」「冷糖」と、多くの漢字を多用していますが、その理由もわかりません…。
たくさんの漢字表記が存在することで、逆に混乱するような気がするのですが…。
④「知古辣」「知古辣他」の由来!
そして、「知古辣」のグループ。
「知古辣」「知古辣他」は、「猪口」「貯古」「千代古」のグループよりも少し遅れて使われるようになりました。
「知古辣」や「知古辣他」も、単純な当て字です。
「知識(ちしき)」の「知(ち)」に、「古典(こてん)」の「古(こ)」、「辣腕(らつわん)」の「辣(らつ)」。
合せると「ち・こ・らつ」ということで、英語の「チョコレート」ではなくフランス語の「ショコラ」に対する当て字と思われます
「知古辣他」の方は、「他人(たにん)」の「他(た)」を加えて、「ち・こ・らつ・た」ということで、こちらもおそらくフランス語の「ショコラ」への当て字。
「ショコラ」は「chocolat」ですので、よーく聞くと「chocolat」の「t」の発音「タ」がかすかに聞こえたのかもしれません。
⑤「楂古聿」の由来!
続いて、「楂古聿」。
「楂古聿」は、明治時代の詩人・歌人である「北原白秋」が由来しています。
「楂古聿」という漢字表記は、北原白秋の歌集に登場しました。
「楂古聿」の「楂」の読み方は「さ」。
「楂古聿」の「古」は、「古典(こてん)」の「こ」。
そして、「楂古聿」の「聿」は、「いつ」「いち」「ふで」「のべる」「おさめる」と読みます…。
ということで、この「楂古聿」も「さ」「こ」があることから、フランス語の「ショコラ」に対する当て字ではないでしょうか…。
ただし、「聿」が「いつ」「いち」「ふで」「のべる」「おさめる」ですので、近い読み方がありません…。
真相はわかりませんが、北原白秋の歌集には「楂古聿」の他に「楂古律」という漢字表記もあったという情報が…。
この「律」だとすると、読み方が「りつ」なので「さ・こ・りつ」ということで、なんとなく「ショコラ」に近いといえなくもない…。
もしかして、「楂古聿」の「聿」は、本当は「律」と書こうとして「聿」と書き間違えたのかも…???
⑥「血汚齢糖」の由来!
最後は、「血汚齢糖」。
なにやら不穏な、「血が汚れている」という漢字。
実は、チョコレートは茶色ですので、当時は「牛の血を固めてつくったもの」という噂が流れたそうです。
ということで、「血(ち)」「汚す(けがす)」「齢糖(れいと)」で「ち・けが・れいと」。
もしかしたら、「汚す」は「けがす」ではなく「よごす」なのかもしれません。
そうなると、「ち・よご・れいと」
「ちけがれいと」か「ちよごれいと」か、どちらかわかりませんが、この漢字表記は確かに存在しますよ。
まとめ
以上が、「チョコレート」の漢字とその由来についてでした。
参考にしてください。
「チョコレート」を漢字で書くと、「猪口齢糖」「猪口令糖」「猪口冷糖」「貯古齢糖」「貯古令糖」「貯古冷糖」「千代古齢糖」「千代古令糖」「知古辣」「知古辣他」「楂古聿」「血汚齢糖」。
全部で12種類も存在します。
由来も、風月堂の新聞広告が一番多いのですが、北原白秋が考案したものや、牛の血液といった噂まで様々。
もしかすると、漢字の数が多すぎることで、逆に漢字表記が普及しなかったのかもしれません…。