「ずつ」と「づつ」といえば、「一歩ずつ前に進む?」「一歩づつ前に進む?」…どっちが正しい?となりますよね…。
これ、口で発言する時は全く問題ないのですが…。
文字として、書き表す時に大変です…。
この答えは「ずつ」 !!!
「ずつ」と「づつ」では、「ずつ」が正解 と覚えてください!
しかし!この「ず」と「づ」って、よく悩みますよね…。
たとえば、「続く」は「つづく」が正解であり、必ずしも「ず」が正しいとは限りません。
実は、この「ず」と「づ」には、使い分けのルールがあります!
その、ルールのポイントさえ押さえれば悩むことはなくなりますよ!
ということで本記事では、「ずつ」と「づつ」を含めた「ず」と「づ」の使い分け方法について、わかりやすく解説していきます。
この記事さえ読めば悩みは解消!
ご期待ください!
1.「ずつ」と「づつ」はどっちが正しい?その理由!
冒頭でもお伝えしたとおり、「ずつ」と「づつ」では「ずつ」が正解。
一応、辞書の内容も掲載しておきますね。
【ずつ】
(数量・程度を表す名詞や助詞などについて)
①同じ数量を割り当てる意を表す。【りんごを三つ―与える】
②同じ数量を繰り返す意を表す。【カードを一枚―めくる】
引用元:旺文社国語辞典
「ずつ」と「づつ」では「ずつ」が正しい表記なのですが、これは「ずつ」に限ったことではありません。
そもそも日本語は、「ZU」と発音する言葉は「ず」、「JI」と発音する言葉は「じ」を使うのが基本と覚えてください。
「づ」「ぢ」ではなく、基本は「ず」「じ」です。
これが大前提!
でも、「づ」や「ぢ」って使うことがありますよね…。
では、どういった場面で「づ」や「ぢ」を使うべきなのか?
2.「ず」と「づ」の違いと使い分け方法!
「続く」は「つづく」で「づ」が正解なのですが、これはなぜか?
前項でも基本は全て「ず」と説明しましたが、全部「ず」の方がわかりやすいですよね…。
実は、こういった「ず」「じ」と「づ」「ぢ」の使い分けについては、「文化庁」がルールを定めています。
基本は「ず」「じ」を使うのですが、「づ」「ぢ」を使うべき場面は2つありますよ。
①同音が連呼される場合!
1つめは、「つづく」や「ちぢむ」といった具合に同音の語が重なる場合は「ず」「じ」ではなく「づ」「ぢ」を使うというルールがあります。
具体的には、「続く(つづく)」「鼓(つづみ)」「綴り(つづり)」「縮む(ちぢむ)」など。
一語で、「つづ」「ちぢ」と「つ」「ち」が連続する場合は「づ」「ぢ」を使いましょう。
ポイントは「一語」であること。
ですから、「知事」は「知」と「事」が合わさった二語なので、「ちぢ」ではなく「ちじ」が正解です。
「無花果(いちじく)」と「著しい(いちじるしい)」は、例外で「じ」を使います。
これは、「無花果」は外来語「インジーク」が語源で、「著しい」は「いちしるし」が語源だから。
例外はこれだけなので、「いちじく」「いちじるしい」だけ覚えておけば良いですね。
②二語が合わさり一語の読みが「つ」「ち」の場合!
2つめのルールが、二つの語の組み合わせで、元々の読み方が「つ」「ち」の場合は「づ」「ぢ」を使うということ。
たとえば、「手作り」は「手」と「作り」が合わさった語ですが、「作り」は「つくり」と読みますよね。
こういった場合は、「つくり」に濁点を加えて、「てづくり」と書きます。
ですから、「てずくり」は間違い。
あと、「底力」は「底」と「力」が合わさった語で、「力」は「ちから」です。
したがって、「ちから」の「ち」に濁点で「そこぢから」ということ。
他には、「道連れ(みちづれ)」「箱詰め(はこづめ)」「小包(こづつみ)」「鼻血(はなぢ)」「間近(まぢか)」などがあります。
迷った時は、二語を分割して単独ではどう読むのか?で判断してください。
「道連れ」は「連れ」なので「つれ」、「鼻血」は「血」なので「ち」、したがって「つれ」「ち」に濁点です。
前項で、「知事」を例にしましたが、「知」と「事」に分割しても「事」は「ち」とは読みませんよね。
したがって、「知事」は「ちじ」が正解です。
「地面」「地震」は「地」なので、「ち」に濁点が正解に思えますが、この場合は「じ」が正解です。
理由は、「地」は正式には「ち」の他に「じ」とも読むから。
「血」は「ち」としか読めませんので「ぢ」ですが、「じ」と読むことができる「地」は「じめん」「じしん」と書くのが正解です。
「世界中」「稲妻」などは「中(ちゅう)」「妻(つま)」で「ぢ」「づ」が正解に見えますが…。
実は、「世界中」は「せかいじゅう」、「稲妻」は「いなずま」が正解。
でも「せかいぢゅう」「いなづま」でも間違いではなく、使うことが可能となっています。
これは、昔からの慣習を優先したもので、キチンとした理由はありません。
他には、「融通」も基本は「ゆうずう」で、「ゆうづう」でも間違いではありません。
こういった「文化庁」のルールの詳細については、下のリンクからご確認ください。
まとめ
以上が、「ずつ」と「づつ」を含めた「ず」と「づ」の使い分け方法についてでした。
「ずつ」と「づつ」では、「ずつ」が正解。
「ず」と「じ」が基本です。
ただし、「つづく」や「ちぢむ」といった具合に、同音の語が重なる場合は「づ」「ぢ」を使わなくてはいけません。
一語で「つつ」「ちち」となる時は「づ」「ぢ」が正解ですが、二語の場合は異なります。
ですから、「知事」は「ちじ」。
それから、二つの語の組み合わせで、元々の読み方が「つ」「ち」の場合は「づ」「ぢ」を使いましょう。
二語を分割してから、読み方を確認することでハッキリしますよ。