「非常」と「緊急」。
似ていますし、使う場面も同じような…。
たとえば…。
「非常事態だ!!」
「緊急事態だ!!」
といった具合ですが、この二つに違いはあるの??
ということで、この「非常」と「緊急」の意味を徹底的に分析してみましたよ!
調べてみたら意外な事実が…。
本記事では、「非常」と「緊急」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「非常」と「緊急」の意味の違い!
最初に、「非常」と「緊急」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
ただし、対応を特に急がなくてはいけない状態という意味もあります。
「緊急」とは、対応を特に急がなくてはいけない状態のこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「非常」の「緊急」の違いのポイント!
「非常」は普通ではない状態のことで、「緊急」は対応を特に急がなくてはいけない状態のこと。
違いのポイントは、対応を急ぐとは限らない「非常」と、絶対に対応を急がなくていけない「緊急」という部分です。
この違いは、それぞれの対義語を見比べるとよくわかりますよ。
「非常」の対義語は「正常」「通常」ですから、普通であるということです。
「緊急」の対義語は「不急」、つまり急ぐ必要がないということ。
ということは、「非常」は「普通でない」、「緊急」は「急ぐ必要がある」ということができます。
最大の違いポイントはこれです。
急ぐ必要がない場合もある「非常」、必ず急がなくてはいけない「緊急」ということですね。
ただし!!
実は、最初にお伝えしたとおり「非常」には、対応を特に急がなくてはいけない状態という意味もあります。
つまり、「正常ではない」「通常ではない」状態は、場合によっては急いで対応する必要があるということ。
こういった場合は、「非常」と「緊急」は同じ意味ということになります。
ですから、「非常事態だ!」と「緊急事態だ!」といった場合は、同じ意味として解釈できます。
「非常」と「緊急」は、意味が異なるとは限らないということも覚えておいてください。
②「非常」の持つもう一つの意味とは!
「非常」には、もう一つの意味があります。
それは、普通の度合いを超えているという意味。
たとえば、「今日は非常に暑いですね…」といった使い方をする「非常」です。
あとは、「彼は非常な才能を持っている」といった使い方も。
この「非常」は、前の項目で説明した「普通ではない状態」と似ているのですが、違いますよ。
前の項目の「非常」は名詞であり、こちらの「非常」は形容動詞。
こちらの、普通の度合いを超えているという意味の「非常」は、「ものすごい」「かなり」「尋常じゃない」といった意味合いです。
③「非常」と「緊急」の違いを整理!
それでは、ここで一度「非常」と「緊急」の意味の違いを整理します。
普通ではない状態と、対応を特に急がなくてはいけない状態が「非常」。
対応を特に急がなくてはいけない状態が「緊急」。
ですから、「非常」と「緊急」は同じ意味の場合もあるということ。
ただし「非常」には、普通の度合いを超えているという意味もあります。
2.「非常」と「緊急」の辞書での意味!
続いて、辞書による「非常」と「緊急」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「非常」の辞書での意味!
【非常】
①ふだんと異なること。ふつうでない緊急の状態。「―事態」
②[仏]変化すること。無常。
③なみひととおりでないさま。程度がはなはだしいようす。「―にうれしい」「―な寒さ」
引用元:旺文社国語辞典
意味①には「普通ではないこと」と「緊急の状態」の二つの意味があります。
意味②は説明しませんでしたが、仏教用語で「変化すること」。
意味③は「非常にうれしい」の「非常」で、説明どおりですね。
②「緊急」の辞書での意味!
【緊急】
・事態が重大で取り扱い・対応などを特に急がなければならないこと。また、そのさま。「―を要する問題」
引用元:旺文社国語辞典
こちらは、前の項目で説明したとおりの内容です。
3.「非常」と「緊急」の使い方!
最後に、「非常」と「緊急」の使い方を例文で紹介します。
①「非常」の使い方!
・通用口がとおれないため非常口から出る。
・列車非常停止警報装置を押す。
・高速道路の非常電話をさがす。
・この商品は非常に高価だ。
②「緊急」の使い方!
・急がなくてはいけないことなので緊急動議とします。
・緊急時はこちらの出口を使用してください。
・仕事をする上で緊急度を把握することは重要。
・スマホから緊急電話をかける。
まとめ
以上が、「非常」と「緊急」の意味の違いと使い分けについてでした。
「非常」は、普通ではない状態という意味と、対応を特に急がなくてはいけない状態という意味があります。
「緊急」は、対応を特に急がなくてはいけない状態という意味。
双方の意味には、共通点もあります。
また、形容動詞の「非常」は、「非常に楽しい」といった使い方をする、普通の度合いを超えているという意味もあります。