「遺跡」と「遺構」。
「遺跡」という言葉はよく耳にしますが、「遺構」っていったい…。
「遺構」…、「遺跡」とはまた違うものなのだろうか…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「遺跡」と「遺構」の意味の違いについて、わかりやすく解説していきます。
深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「遺跡」と「遺構」の意味の違い!
最初に、「遺跡」と「遺構」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「遺構」とは、「遺跡」のうちの動かすことが不可能な建造物などのことで、構造や様式を知る手がかりとなるもののこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「遺跡」の意味とは!
「遺跡」は、古代の人間の活動の跡が残されたもの。
古代の人間がつくった建造物や物、生活した跡や事件の跡など様々です。
具体的には、「住居」「貝塚(ゴミ捨て場)」「墓」「土器」「石器」「装飾品」「骨」など、全て「遺跡」ということ。
たとえば、青森県の三内丸山遺跡があります。
三内丸山遺跡は、縄文時代の大規模な集落跡が見つかり、多くの建物跡や墓などのほか、多量の土器や石器などが出土しています。
②「遺構」の意味とは!
「遺構」は、「遺跡」の一部。
「遺跡」のうち、動かすことが不可能な建造物などのことです。
正確な意味は、構造や様式を知る手がかりとなる建造物ということ。
具体的には、前の項目であげたもののうち「住居」「貝塚」「墓」などが対象です。
「住居」「貝塚」「墓」は、動かすことができません。
ちなみに、動かすことが可能な「土器」「石器」「装飾品」「骨」などは、「遺物」といいます。
ですから、「遺物」と「遺構」を合わせたものが「遺跡」ということですね。
③「遺跡」と「遺構」の意味の違いを整理!
それでは、ここで一度「遺跡」と「遺構」の意味の違いを整理します。
古代の建造物や生活の跡が「遺跡」。
「遺跡」のうち、動かすことができない建造物などが「遺構」で、その構造や様式を知る手がかりとなるもののこと。
移動不可能なものが「遺構」で、移動可能なものが「遺物」、2つ合わせると「遺跡」です。
2.「遺跡」と「遺構」の辞書での意味!
続いて、辞書による「遺跡」と「遺構」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「遺跡」の辞書での意味!
【遺跡】
・歴史上の建物・事件などのあった跡。住居跡・古墳・貝塚など、古代の人間の生活の跡。「―の発掘」
引用元:旺文社国語辞典
ちなみに、「貝塚」はゴミ捨て場のことで食べた後の貝殻などが捨てられた場所。
説明どおりの内容ですね。
②「遺構」の辞書での意味!
【遺構】
・昔の建造物の構造や様式を知る手がかりとなる残存物。「古代都市の―」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、前の項目で説明したとおりの内容です。
3.「遺跡」と「遺構」の使い方!
最後に、「遺跡」と「遺構」の使い方を例文で紹介します。
①「遺跡」の使い方!
・石見銀山遺跡は世界遺産。
・ローマの古代遺跡コロッセオは当時の市民の娯楽場。
・大塚遺跡で復元された竪穴住居。
・遺跡発掘に関する仕事に携わる。
②「遺構」の使い方!
・平城宮跡遺構展示館を見学。
・古代のトイレはトイレ遺構です。
・マウソロス霊廟の遺構とは。
・縄文時代などに石が配置されたものを配石遺構といいます。
まとめ
以上が、「遺跡」と「遺構」の意味の違いと使い分けについてでした。
「遺跡」は、古代の建造物や生活の跡のことです。
「遺跡」の中で、移動不可能なものが「遺構」、移動可能なものが「遺物」。
そして、構造や様式を知る手がかりとなる建造物が「遺構」です。