「これらを、集積しておいて」
「これらを、集約しておいて」
というように、並べてみましたが、違いはあるのだろうか…。
何となく、同じ意味のような…。
ですが、この「集積」と「集約」ですが、微妙な違いがあるようで…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「集積」と「集約」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「集積」と「集約」の意味の違い!
最初に、「集積」と「集約」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「集約」とは、いくつかのものを集めて一つにまとめること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「集積」の意味とは!
「集積」は、集めて積み重ねること。
「集める」他に、「積んで」「重ねる」がポイントですね。
具体的には、「ゴミの集積所」という言葉があります。
「ゴミの集積所」とは、ゴミを集めて積んで重ねて置く場所のこと。
町内会で場所を決めて、住民がごみ収集日に合わせてゴミ出しする場所のことですね。
ゴミは、収集車が来るまでの間、その場所に集められ積み重ねられた状態となります。
これが、「集積」ということ。
②「集約」の意味とは!
「集約」は、いくつかのものを集めて一つにまとめること。
つまり、バラバラだったものをまとめるという意味です。
「集約」は、物の他に意見や情報といった「言葉」に多く使われます。
たとえば、「災害情報」。
災害直後は、様々な情報が入り乱れ、役所は混乱状態になります。
こういった場合、ある中心人物が様々な複数の情報を集めてまとめることで、次の行動の判断がしやすくなるのですね。
これが、情報の「集約」。
複数のものを、一か所にまとめて整理する、これが「集約」です。
③農地における「集積」と「集約」の違い!
「集積」と「集約」は、農業分野でもよく使われる言葉です。
特に、「農地の集積」と「農地の集約」。
「農地の集積」と「農地の集約」は、どちらも農業経営体に農地利用を集中させることです。
これは、農家の高齢化による、農地転用や放棄を防ぐ対策の一つ。
「農地の集積」の方は、農地面積を広げていくことを意味しています。
これは、買い入れや借り入れによって農地を積み重ねて広げていくということ。
そして、「農地の集約」の方は、農地利用権の交換などで一つに集めることです。
ほぼ似たような意味の「農地の集積」と「農地の集約」。
ですから、「農地の集積・集約」といった使い方をするのがほとんどです。
④「集積」と「集約」の違いを整理!
それでは、ここで一度「集積」と「集約」の違いを整理します。
集めてから、積み重ねるのが「集積」。
複数のものを集めてから、一つにまとめるのが「集約」。
「積み重ねる」と「まとめる」の違いですが、「まとめる」方が整理する意味合いが強くなります。
2.「集積」と「集約」の辞書での意味!
続いて、辞書による「集積」と「集約」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「集積」の辞書での意味!
【集積】
・集まり積み重なること。集めて積み重ねること。「石材に―場」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりですね。
②「集約」の辞書での意味!
【集約】
・いくつかのものを集めて一つにまとめること。「意見を―する」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明したとおりの内容です。
3.「集積」と「集約」の使い方!
次に、「集積」と「集約」の使い方を例文で紹介します。
①「集積」の使い方!
・集積回路の製造工場。
・ゴミ集積所から出火。
・イノベーションと人材の集積。
・名古屋大学未来エレクトロニクス集積研究センター。
②「集約」の使い方!
・子会社を統合し、人材育成や研修支援、知的財産の管理などを集約する。
・アプリを使い記事を集約する。
・台風被害による避難所を七か所から一か所に集約。
・オリンピックの課題を集約。
4.「集積」や「集約」には似た意味の言葉がたくさんある!
「集積」や「集約」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「集積」と「集約」の意味の違いと使い分けについてでした。
「集積」は、集めて積み重ねること。
「集約」は、いくつかのものを集めて一つにまとめること。
「集める」は共通点。
「積み重ねる」と「まとめる」の違いですね。