「A社がB社を吸収合併」といった使い方をする「合併」。
この「合併」なのですが、前後を入れ替えると「併合」になります。
でも、この「併合」も合わさるような意味合いで理解していたのですが…。
果たしてこの「合併」と「併合」に、違いはあるのか…??
ということで、この「合併」と「併合」、いったい何がどう違うのか徹底調査してみましたよ!
本記事では、「合併」と「併合」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「合併」と「併合」の意味の違い!
最初に、「合併」と「併合」の意味の違いを端的にお伝えします。
そして「併合」も、二つ以上のものが一つに合わさることです。
つまり、「合併」も「併合」も意味は同じということ。
ただし、言葉を使用する際にちょっとした注意点があります。
ということで、両者の言葉の意味をさらに詳しく紐解いていきますね。
①国家間の「合併」と「併合」の違い!
「A」という国家と「B」という国家、この2つの国が合わさって1つの国家になることを「合併」、または「併合」といいます。
「合併」「併合」どちらを使っても間違いではありませんよ。
最初に説明したとおり、両者は同じ意味です。
ただし「併合」に限っては、二つ以上のものが一つに合わさること、という意味の他に別の意味合いが含まれているのです。
国家間の「併合」に限っては、強国が他国を呑み込む意味があります。
これは、強国が完全に他国を支配してしまうということ。
単純に二つの国が合わさることとは意味合いが違ってくるのですね。
しかし、強国が主権を握り支配をするので、主権が完全に移行しない「占領」ではありません。
「占領」ではないのですが、「併合」は武力を使い強制的に行われる場合もあります。
②会社間の「合併」と「併合」!
前項で、国家間の「併合」を説明しました。
一国が、もう一国を呑み込んでしまうことが、ネガティブな意味での「併合」です。
厳密には「占領」ではないのですが、それに近いものがありますね。
こういったイメージから、会社間の「合併」と「併合」も同じような意味合いで使分けされている場合もあるようです。
つまり、完全に強い会社が、もう一方の弱い会社を呑み込んでしまうことが「併合」であると。
ですが、正確にはこれは違います。
会社間の場合は「合併」も「併合」も意味は同じです。
③「合併」と「併合」の違いを整理!
ここで一度、「合併」と「併合」の違いを整理します。
「合併」も「併合」も、二つ以上のものが一つに合わさることであり、意味は同じ。
対等に合わさる場合もあれば、どちらか一方が不利になってしまう場合もあります。
ただし、国家間の場合に限り「併合」は、強い国が弱い国を呑み込んでしまう意味合いがあります。
二つの国が合わさる意味の他に、一方の国を呑み込んでしまうという意味の2とおりの意味があるということ。
「併合」という言葉を使用する場合は、国家間だけは注意しましょう。
2.「合併」と「併合」の辞書での意味!
続いて、「合併」と「併合」の意味が辞書ではどうなっているのか確認していきます。
①「合併」の辞書での意味!
【合併】
・組織など二つ以上のものが一つに合わさること。また、合わせること。併合。「市町村―」
引用元:旺文社国語辞典
意味の中に「併合」の記載がありますね。
意味が同じであるということ。
②「併合」の辞書での意味!
【併合】
・二つ以上のものを一つに合わせること。合併。統合。「関連企業を―する」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも意味の中に「合併」があります。
同じ意味ということですね。
3.「合併」と「併合」の使い方!
最後に、「合併」と「併合」の使い方を例文で紹介します。
①「合併」の使い方!
・トイレの水以外に生活排水も処理するのが合併浄化槽です。
・ある病気が原因となって起こる別の病気のことを合併症といいます。
・地方自治法に基づいて行なわれる市町村の廃置分合が市町村合併です。
・大阪市立大学と大阪府立大学が合併。
・国民民主党と自由党が政党合併で合意。
②「併合」の使い方!
・大手のメーカーが中小の会社を併合する。
・裁判で確定判決を経ていない複数の犯罪を併合罪といいます。
・2件以上の裁判を同時に進めることを併合審理といいます。
・1783年にロシア帝国はキュチュク・カイナルジ条約を破棄してクリミア・ハン国を併合した。
・イラク革命指導評議会はクウェートの併合を決定。
まとめ
以上が、「合併」と「併合」の意味の違いと使い分けについてでした。
「合併」と「併合」は意味が同じ。
二つ以上のものが一つに合わさることです。
ただし、国家間の「併合」だけは使う時に注意が必要。
「併合」には、単純に2つ以上の国が合わさる意味の他に、強い国が弱い国を呑み込んでしまう意味合いがあります。
基本的に両者は同じ意味なのですが、「国家間の併合」だけは気をつけましょう。