「原本」と「元本」。
あらためて、こうして見るとまぎらわしです…。
もしかして、同じ意味?
しかも、読み方も同じ??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「原本」と「元本」は全く意味が違う言葉でした!
本記事では、「原本」と「元本」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「原本」と「元本」の意味の違い!
最初に、「原本」と「元本」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「元本(がんぽん)」とは、投資したお金、もとで・元金のこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「原本」の意味とは!
「原本」は「げんぽん」と読みます。
そして、「原本」は複写や翻訳したものなどに対し、もとになる本や書類のこと。
「元本」は「お金」のことですが、「原本」は「紙」ですね。
たとえば、作家が小説を書いたとします。
当然ですが、作家自身が考えたストーリーですので、もちろんオリジナル作品。
この、完成したオリジナル作品、これが「原本」です。
その小説は、やがてたくさん出版されて、店頭に並ぶことになりますが、この並んだ本は「原本」ではありません。
「原本」は作家が最初に書いた物だけ、一冊だけということです。
これは、「本」に限らず「書類」でも同じことが言えますよ。
職場で作成した資料なども、「原本」となるのは最初に作成したものだけ。
その「原本」をコピーして、他の社員が使用することになります。
②「元本」の意味とは!
「元本」は「がんぽん」と読みます。
そして、「元本」は投資したお金、もとで・元金のこと。
「原本」は「紙」でしたが、「元本」は「お金」。
たとえば、100万円を銀行に預金したとします。
ある期間預金したことで、利息が1000円ついた場合。
預金残高は1,001,000円になりますが、この利息を除いた100万円が「元本」ということになります。
100万円の「元本」で、1000円の利息が儲かったということ。
これは、預金に限らず「不動産投資」や「株式投資」などにも同じように使われます。
最初の「もとで」「元金」ということですね。
③「原本」と「元本」の違いを整理!
それでは、ここで一度「原本」と「元本」の意味の違いを整理します。
複写や翻訳などをする前の、もとになる本や書類が「原本」。
投資したお金、もとで・元金が「元本」。
紙が「原本」で、お金が「元本」です。
2.「原本」と「元本」の辞書での意味!
続いて、辞書による「原本」と「元本」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「原本」の辞書での意味!
【原本】
①もと。根本。根源。
②写本・翻訳・改訂・引用などをする前の、もとの書物・文書。「戸籍の―」
引用元:旺文社国語辞典
意味①は説明しませんでしたが、物事のおおもとという意味です。
紙以外の「おおもと」という意味もありますので、覚えておいてください。
他は、説明どおりですね。
②「元本」の辞書での意味!
【元本】
①元金。もとで。「―保証」
②[法]利益・収入を生み出すもととなる財産。貸家・株券・著作権など。
引用元:旺文社国語辞典
意味①は説明どおりです。
意味②は法律用語で、お金とお金以外の「利益を生み出す財産」という意味ですね。
3.「原本」と「元本」の使い方!
最後に、「原本」と「元本」の使い方を例文で紹介します。
①「原本」の使い方!
・車検証のコピーではなく、必ず車検証原本をお持ち下さい。
・所蔵資料の原本の滅失等を避けるため複製することができます。
・首里城火災では、文化財である文書の原本が焼失してしまったものもある。
・収入状況についての資料は必ず原本で確認する。
②「元本」の使い方!
・為替相場が円高に振れた場合に元本割れのリスクがある。
・投資信託は元本が保証されている金融商品ではない。
・ローンを組む時に、支払利息は経費にできるが元本部分はできないのか?
・信託商品には元本補てん契約があるものとないものがある。
まとめ
以上が、「原本」と「元本」の意味の違いと使い分けについてでした。
「原本」は、複写や翻訳したものなどに対し、もとになる本や書類のこと。
「元本」は、投資したお金、もとで・元金のこと。
「原本(げんぽん)」は「紙」、「元本(がんぽん)」は「お金」です。