故事成語である「五里霧中」。
四字熟語でもあります。
「五里にもわたる、深い霧の中にいる」ということ。
つまりは、「方向感覚がわからなくなってしまう」という意味で、「物事の事情がわからずに方針や見込みが立たない」という意味で使われます。
では、この「五里霧中」、どのような場面でどのように使うべきなのか?
ということで、「五里霧中」の使い方を例文で紹介していきます。
特に、小学生にでもわかりやすいように簡単な短文で紹介しますので、ご期待ください。
1.「五里霧中」の例文を小学生にでもわかりやすく!
・先生に対し新しくラクロス部をつくってほしい旨をお願いしたが、先生自身も部活設立の経験がないため何をしたらよいのかわからず五里霧中とのことだった。
・文化祭ではクラスでたこ焼き屋を出すことに決まったが、必要な設備や手続きなど何もわからない。クラスの中に誰もわかる奴がいないとは、まさに五里霧中だ。
・インフルエンザで一週間も休んだら、数学の授業の内容がチンプンカンプンで全くついていけない状態。五里霧中をさまよう気分だ。
・普段から全く避難訓練をしていなかったことから、社員たちは突然の地震でてんやわんやの五里霧中だった。
・高校はどこにするのかきいたところ、高校に行くのかどうかも含めて五里霧中だと言われたよ。
・ワンクリック詐欺にあった彼だが、被害が発覚した当時は慌ててしまって何をしたらよいのかわからないようで、五里霧中だった。
・今年が最後と決めていた司法試験が不合格となり、これから先何をどうしたらよいのかわからずに五里霧中のようだ。
・巨大な台風で大きな被害を受けたほか、さらに大地震も重なった。役所の中は大混乱。何を優先すべきかもわからない状態で、五里霧中だ。
2.「五里霧中」の由来とは!
「五里霧中」の由来は、中国の歴史書「後漢書(ごかんじょ)」
「後漢書」の中の「張楷伝(ちょうかいでん)」にあります。
昔、張楷(ちょうかい)という、優れた人物がいました。
知識が豊富な張楷は、職に就くのを嫌がり山の奥で暮らしていました。
さらに張楷は、道術の使い手だったのです。
道術とは、一種の魔法のようなもの。
道術の中でも、張楷は自分の姿を隠す術である「五里霧」を得意としていました。
この「五里霧」は、五里四方を霧で覆ってしまう道術です。
人々は張楷に、道術の教えを乞おうとしましたが…。
張楷は、「五里霧」を使って自分の身を隠していたことから、人々が張楷に会うことはできませんでした。
これが、「五里霧中」の由来です。
まとめ
以上が、「五里霧中」の例文についてでした。
「五里霧中」と似た意味では、「曖昧模糊(あいまいもこ)」があります。
「曖昧模糊」は、ぼんやりしていてはっきりしないという意味。
あとは、「手詰まり」や「立ち往生」なども同じように使えますね。
ご参考になれば幸いです。