故事成語である「逆鱗に触れる」。
「皇帝の怒りをうける」ということ。
つまりは、「目上の人などの機嫌を損ねてしまい、猛烈に怒られる」という意味です。
では、この「逆鱗に触れる」、どのような場面でどのように使うべきなのか?
ということで、「逆鱗に触れる」の使い方を例文で紹介していきます。
特に、簡単な短文でわかりやすく紹介しますので、ご期待ください。
1.故事成語「逆鱗に触れる」の例文を簡単な短文で!
・コンプライアンスを最も重要視する社長なのだが、産地表示を誤って販売してしまい社長の逆鱗に触れてしまった。
・些細なことで部長と口論した結果、逆鱗に触れて結局は左遷されたよ…。
・取引先の社長は簡潔に説明しないと機嫌を損ねるタイプ。お前は余計なことを言う癖があるから、うまく説明して逆鱗に触れないように気を付けろ。
・キャプテンの気持ちも考えずに歯向かってしまった。それが逆鱗に触れてしまい、いまだに機嫌が悪い。
・一生懸命やって負けたのなら仕方がないが、お前の緩慢なプレーは監督の逆鱗に触れるのも当然のことだよ。
・いくら何でも一番前の席で堂々と居眠りするなんて、先生の逆鱗に触れるのも仕方がないことだ。
・2日も連続して無断欠勤とは…、上司の逆鱗に触れるだろう、普通。
・温厚な人柄であっても、あんな馬鹿にした態度をされたら…。課長の逆鱗に触れるのも無理もない。
・せっかくの提案をロシアに却下されたことに納得できなかったムハンマド皇太子は、4月からOPECプラスの枠組みをご破算にしたが、これがトランプ大統領の逆鱗に触れてしまったのである。
・その灰色の猫は黒子猫のれっきとした父親で、我が子に近付いただけでなぜか母猫の逆鱗に触れてしまったのである。
・私の素行が悪いことがあり、教授の逆鱗に触れて、何回か出入り禁止になった経験がある。
2.故事成語「逆鱗に触れる」の由来とは!
「逆鱗に触れる」の由来は、中国の著書「韓非子(かんぴし)」。
法律学者である「韓非(かんぴ)」が書いたものです。
もともと竜は、普段はすごく穏やかな性格でした。
穏やかな性格ゆえ、人が背中にまたがって乗ることもできるほど。
しかし、竜の喉元には、たった一つ逆向きにはえた鱗(うろこ)が存在します。
この鱗を、逆向きの鱗ということで「逆鱗」と呼んでいました。
竜は、この逆鱗に触られることを極端に嫌がりました。
普段は穏やかな竜なのですが、この逆鱗に触られた時は、激しく怒り手が付けられないほど暴れたそうです。
これが、「逆鱗に触れる」の由来。
この竜を、中国の皇帝に置き換えられて「逆鱗に触れる」が使われました。
まとめ
以上が、「逆鱗に触れる」の例文についてでした。
「逆鱗に触れる」と似た言葉で、「琴線に触れる」があります。
時々混同される時があるのですが、意味は全く違います。
「琴線に触れる」の「琴線」は琴の糸のことであり、人の心をあらわした言葉。
琴の糸は触れることでふるえて美しい音色をだすことから、素晴らしいものに触れて心が動くこと、つまり「感動」することを意味しています。