「瞬間」と「瞬時」。
この違いって、まぎらわしいですよね…。
もしかして、同じ意味なのか?
ですが、「扉を開けた瞬間」といいますが、「扉を開けた瞬時」とはいわないような…。
それから、「瞬時も目を離すことはできない」とはいいますが、「瞬間も目を離すことはできない」とはいいませんよね…。
ということは、「瞬間」と「瞬時」には何らかの違いがあるということか…??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「瞬間」と「瞬時」には微妙な違いがありました!
本記事では、「瞬間」と「瞬時」の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「瞬間」と「瞬時」の違い!
最初に、「瞬間」と「瞬時」の違いを簡潔にお伝えします。
ただし「瞬間」は、起点から終点までの「間」を表現する時に多く使われる言葉。
「瞬時」も、まばたきをする時間、つまりまたたく間のことで、きわめて短い時間のこと。
「瞬時」は、起点から終点までが「ゼロ」であることを表現する時に使われるという特徴があります。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「瞬間」の意味とは!
「瞬間」は、まばたきをする時間、つまりまたたく間のことで、きわめて短い時間のこと。
そもそも、「瞬間」の「瞬」は「瞬き(まばたき)」の意味があります。
そして「まばたき」は「またたき」ともいいますが、それは「目(まなこ)」を「たたく」が語源。
要するに、「またたく間」とは「まばたきをする時間」のことなのです。
ちなみに、この「まばたきをする時間」という意味は、「瞬時」と共通の意味。
ただし「瞬間」と「瞬時」には、使い方に微妙な違いがあります。
「瞬間」は「間」という字が使われているとおり、起点から終点までの「間」を表現する時に多く使われる言葉。
たとえば、「扉を開けた瞬間、ネコが出て行ってしまった」といった使い方をします。
この例文で起点となるのが、「扉を開けた」その時。
そして、終点は「ネコが出て行った」その時点です。
扉を開けてから、ネコが出て行くまでの時間を表現しています。
したがって、「瞬間」は「○○した瞬間」「○○の瞬間」のように、「瞬間」の前に起点となる「○○」が付くことが多くなります。
余談ですが、「瞬間最大風速」「瞬間湯沸かし器」といった使い方をします…。
この場合、「瞬間最大風速」は風が0.25秒間で進む速さのことで、0.25秒の「間」を計測しています。
そして、「瞬間湯沸かし器」は蛇口をひねって(スイッチオン)から、お湯になるまでの「間」のことですね。
②「瞬時」の意味とは!
「瞬時」も、まばたきをする時間、つまりまたたく間のことで、きわめて短い時間のこと。
この意味は、「瞬間」と全く同じです。
ただし「瞬間」のように、起点から終点までの「間」を表現するような「○○した瞬間」「○○の瞬間」といった使い方はしません。
「○○した瞬時」「○○の瞬時」とはいいませんよね。
「瞬時」の使い方の特徴は、起点から終点までが「ゼロ」であることを表現する時に使われるということ。
たとえば、「瞬時も忘れることができなかった」といった使い方をします。
また、「瞬時も目を離すことはできない」といった使い方も。
この使い方は「間がない」、つまり「ゼロ」を表現しています。
ちなみに、「瞬間も忘れることができなかった」「瞬間も目を離すことはできない」といった使い方はしません。
ですが、「瞬時」は全て間が「ゼロ」を表現する言葉なのか?といえばそうではありません。
たとえば、「炎が瞬時に広がった」「私では理解できない難解な説明を、彼は瞬時に理解した」といった使い方をします。
この場合の起点は、「炎が広がる直前」と「難解な説明を聞いた(読んだ)時点」。
「○○した瞬時」「○○の瞬時」といった使い方はしませんが、「間」を表現する意味で使われることも覚えておいてください。
③「瞬間」と「瞬時」の違いを整理!
それでは、ここで一度「瞬間」と「瞬時」の違いを整理します。
「瞬間」と「瞬時」はどちらも、まばたきをする時間、つまりまたたく間のことできわめて短い時間のこと。
言葉の持つ意味自体は同じです。
ただし「○○した瞬間」「○○の瞬間」のように、起点から終点までの「間」を表現する時に多く使われるのが「瞬間」の方。
また、起点から終点までが「ゼロ」であることを表現する時に使われるのが「瞬時」です。
2.「瞬間」と「瞬時」の辞書での意味!
続いて、辞書による「瞬間」と「瞬時」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「瞬間」の辞書での意味!
【瞬間】
・またたく間。きわめて短い時間。瞬時。「―最大風速」「決定的な―」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「瞬時」の辞書での意味!
【瞬時】
・まばたきするくらいのわずかな時間。瞬間。
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりですね。
3.「瞬間」と「瞬時」の使い方!
次に、「瞬間」と「瞬時」の使い方を例文で紹介します。
①「瞬間」の使い方!
・高価だけあって、乗り込んでドアを閉めた瞬間から高級感を味わうことができる。
・プレゼントの箱を開ける瞬間のワクワク感がたまらない。
・接触冷感の素材を使ったマスクは触れた瞬間冷たさが感じられる。
・新しい端末を泣く泣く買った瞬間に「見つかった」と連絡が来ました。
②「瞬時」の使い方!
・絶対最大定格は、瞬時たりとも超過してはならない限界値。
・そんな負けグセのチームに古葉はまず「瞬時たりともボールから目を離すな」と厳命した。
・自分があとで後悔しない言うべきことを瞬時に判断できるようになりたい。
・ぶつかって、瞬時に骨折したことを悟った。
4.「瞬間」や「瞬時」には似た意味の言葉がたくさんある!
「瞬間」や「瞬時」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「瞬間」と「瞬時」の違いと使い分けについてでした。
「瞬間」は、きわめて短い時間のこと。
ただし「瞬間」は、起点から終点までの「間」を表現する時に多く使われる言葉です。
「瞬時」も、きわめて短い時間のこと。
「瞬時」には、起点から終点までが「ゼロ」であることを表現する時に使われるという特徴があります。