「愚痴」と「悪口」。
どちらも、集団生活などでよくもらしてしまいます…。
「悪口は言っちゃいけない」とか、「愚痴をこぼすな」とか言われます…。
ですが、「愚痴」なのか「悪口」なのかがわからない場合もありますよね…。
特に、他人がからむと、この違いがまぎらわしい…。
たとえば、「あいつとはどうもそりが合わない…。会社に来るのが嫌になるよ…」というのは「悪口」なのか?「愚痴」なのか??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「愚痴」と「悪口」には決定的な違いがありました!
本記事では、「愚痴」と「悪口」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「愚痴」と「悪口」の意味の違い!
最初に、「愚痴」と「悪口」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「悪口」とは、他人を悪く言うこと。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「愚痴」の意味とは!
「愚痴」は、言っても仕方がないことを口に出して言い嘆くこと。
他人のことを悪く言うのではありません。
言ったところで何も解決しないこと、意味のないような事をわざわざ口に出して嘆くことが「愚痴」です。
たとえば、「仕事が忙しくて寝る暇もない…。たまには休ませてほしい…」と嘆くこと。
これが「愚痴」です。
一人で嘆いたとしても、何一つ解決することはありません。
ただし、この思いを会社の上司に伝えた場合、この言葉は「愚痴」ではなくなります。
上司が、その社員の辛い思いを理解して、仕事の内容を改善したり、場合によっては休ませてくれる可能性があるからです。
たとえ、結果的に何も改善しなかったとしても、言った時点で可能性があれば「愚痴」ではありません。
つまりは、「言っても仕方がない」ことではなくなるということです。
あと、「悪口」と似ている「愚痴」の例も紹介します。
「あいつとはどうもそりが合わない…。会社に来るのが嫌になるよ…」
この場合は、相手を悪く言っているようで、そうではありません。
そりが合わないということは、他人と自分の関係がうまくいかないことであり、どちらか一方が悪いのか双方が悪いのかはわからないこと。
しかも、「そりが合わない」と嘆いたところで、何かが改善するわけではありません。
したがって、この例文は「愚痴」ということになります。
②「悪口」の意味とは!
「悪口」は、他人を悪く言うこと。
必ず他人が登場します。
その他人のことを悪くいうこと、またその言葉が「悪口」です。
たとえば、「あいつは何度言っても同じミスをする…。アホか!」というのが「悪口」。
「アホか!」と悪く言っています。
ちなみに、「本人に直接言えば悪口ではない」という説もあるようですが、正確には違いますよ。
本人に直接言ったとしても、悪く言えば「悪口」です。
それから、「あいつは、他人の手柄を横取りして出世した…。ひどい奴だ!」と言ったとしましょう。
これも「悪口」なのですが…。
仮に、「横取りする、ひどい奴」ということが事実の場合はどうなると思いますか?
実は、事実に基づいていたとしても、他人を悪く言えば「悪口」になります。
ちまたでは、「事実の場合は悪口ではない」という説もあるようですが、正確には違いますよ。
相手を悪く言えば「悪口」ということになります。
ただし、その「悪口」が事実に基づいているのならば、たとえ「悪口」であっても世間から受け入れられるものとなります。
③「愚痴」と「悪口」の違いを整理!
それでは、ここで一度「愚痴」と「悪口」の違いを整理します。
言っても仕方がないことを、口に出して言い嘆くことが「愚痴」。
口に出すことで、解決する可能性があれば「愚痴」ではなくなります。
他人を、悪く言うことが「悪口」。
事実であろうと、事実でなかろうと、他人を悪く言えば「悪口」です。
2.「愚痴」と「悪口」の辞書での意味!
続いて、辞書による「愚痴」と「悪口」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「愚痴」の辞書での意味!
【愚痴】
・言っても仕方がないことを言って嘆くこと。
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「悪口」の辞書での意味!
【悪口】
・他人を悪く言うこと。また、その言葉。わるぐち。あっこう。
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりですね。
「事実」なのかどうかの定義はありません。
3.「愚痴」と「悪口」の使い方!
次に、「愚痴」と「悪口」の使い方を例文で紹介します。
①「愚痴」の使い方!
・某自動車会社の役員は、川崎氏の友人に愚痴とも思える言い掛かりをつけた。
・愚痴や悩みは、誰かに共感してもらえるだけでストレスが軽減されます。
・久々に連絡してみた女友達と結婚生活の愚痴で盛り上がる。
・取引先の部長に誘われて飲みに行ったら、さんざん愚痴を聞かされた。
・愚痴を聞きたくない心理には、複雑な思いが隠されている場合が多いのです。
②「悪口」の使い方!
・結婚してすぐに、姑から親戚や近所の悪口など聞かされてきました。
・上司の悪口ばかり言う人は出世できないのか?
・本人に悪口のメールを送ってしまい、それが職場に広がったことで会社を退職。
・人の悪口を聞きたくないという堅実な人は、世の中に多く存在するもの。
・会社の同僚が、自分の悪口を言っているのを立ち聞きし完全に心が折れる。
4.「愚痴」や「悪口」には似た意味の言葉がたくさんある!
「愚痴」や「悪口」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「愚痴」と「悪口」の意味の違いと使い分けについてでした。
「愚痴」は、言っても仕方がないことを口に出して言い嘆くこと。
「悪口」は、他人を悪く言うこと。
一般的に「愚痴」や「悪口」は、よくないものとされています。
しかし時には「愚痴」や「悪口」を、人に迷惑がかからないようにうまく吐き出すことで、精神衛生上良いことも。
ストレス発散は大切ですよ!