「緩和」と「軽減」。
似ています…。
どちらも、なんとなく「助かる!ありがたい!」といったイメージがありますが…。
たとえば、「軽減税率」という言葉があります…。
これは、「税負担を軽減する」ものであり、「税負担を緩和する」となると何か変です…。
ということは、「緩和」と「軽減」の意味は違うということか…??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「緩和」と「軽減」には決定的な違いがありました!
本記事では、「緩和」と「軽減」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「緩和」と「軽減」の意味の違い!
最初に、「緩和」と「軽減」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「軽減」とは、減らして軽くすること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「緩和」の意味とは!
「緩和」は、緩めて和らげること。
厳しい物事や激しい物事に対して、その厳しさ激しさを緩めて和らげることです。
たとえば、「厳しい校則を緩和する」といった使い方をします。
つまりは、校則を緩くして和らげるということ。
具体的には、「ソックスの色は黒に限る」という校則を「ソックスの色は黒とグレーに限る」へ変更するということです。
要するに、「絶対に黒だけ!」から「黒の他にグレーもいいよ!」に緩くなったということ。
これが「緩和」です。
ちなみに、一つの校則に対して「厳しい校則を緩和する」とはいいますが、「厳しい校則を軽減する」とはいいません。
一つの校則は「厳しくしめつける」ものなので、「緩める」ことはできますが「減らす」ことはできません。
②「軽減」の意味とは!
「軽減」は、減らして軽くすること。
重くのしかかる負担や罰などに対し、その重さを減らして軽くするということです。
たとえば、「軽減税率」といった使い方をします。
これは、2019年に消費税が8%から10%に上がったことによりうまれた制度。
税金の負担を減らして軽くする意味で、一部の商品を8%に据え置きするというもの。
具体的には、生活には絶対に必要である食料品や新聞が対象となっています。
ですから「軽減税率」は、食料品と新聞に対する税負担を減らして軽くするということ。
ちなみに、「税負担を軽減する」とはいいますが、「税負担を緩和する」とはいいません。
税負担は、厳しく締めつけるものというよりは、重い負担がのしかかるというもの。
ですから「税負担」は、減らして軽くする「軽減」の方が適しているのですね。
③「緩和」と「軽減」の違いを整理!
それでは、ここで一度「緩和」と「軽減」の違いを整理します。
緩めて和らげるのが「緩和」。
厳しい物事や、激しい物事に対して使いう言葉です。
減らして軽くするのが「軽減」。
重くのしかかる、負担や罰などに対して使う言葉です。
2.「緩和」と「軽減」の辞書での意味!
続いて、辞書による「緩和」と「軽減」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「緩和」の辞書での意味!
【緩和】
・きびしさ、激しさの程度をゆるめること。また、ゆるやかになること。「規制の―」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりですね。
②「軽減」の辞書での意味!
【軽減】
・負担などを減らして軽くすること。また、減って軽くなること。「負担を―する」↔加重
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
3.「緩和」と「軽減」の使い方!
次に、「緩和」と「軽減」の使い方を例文で紹介します。
①「緩和」の使い方!
・車のタイヤのはみだし規制が緩和されたが、フェンダーから10mm未満であれば大丈夫?
・無電柱化促進へケーブル収容管埋設深さ基準緩和。
・集客施設やイベントの制限緩和の方針を説明する。
・登山道の通行規制について、年内の緩和を断念したと発表した。
②「軽減」の使い方!
・どうしたら事故に遭うリスクを軽減できるか?
・保健所の負担を軽減するため、検査センターを設置すると表明した。
・重さ半分の軽量パネルで、屋根荷重を軽減する。
・劇場の負担軽減のために、映画発展基金の賦課金を減免する。
4.「緩和」や「軽減」には似た意味の言葉がたくさんある!
「緩和」や「軽減」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「緩和」と「軽減」の意味の違いと使い分けについてでした。
「緩和」は、緩めて和らげること。
「軽減」は、減らして軽くすること。
「緩める」と「減らす」の違いですが、「痛み」に関しては「緩和」「軽減」ともに使うことができます。
「痛みの緩和」、「痛みの軽減」、どちらも違和感はありません。