「基本」と「原則」。
「基本NGです」といったり「原則NGです」といったり…。
似たような意味合いで使われているような気がします…。
また、「基本原則」といったように、2語を合わせて使うこともありますよね。
似たような場面で使われる「基本」と「原則」ですが、その意味には違いがあるらしい…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「基本」と「原則」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「基本」と「原則」の意味の違い!
最初に、「基本」と「原則」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「原則」とは、一般に適用する、守らなくてはいけない決まりのことで、例外が存在することがあります。
短くまとめると、こういった違いです。
それでは、ここからはさらに詳細に紐解いていきますね。
①「基本」の意味とは!
「基本」は、物事の中心と考えられているもののことです。
「中心」ですので、「物事の軸」や「物事の大もと」ともいえますね。
たとえば、学校では「基本問題」と「応用問題」があります。
学習しながら序盤で解くのが「基本問題」で、この「基本問題」を理解してから「応用問題」へと進みますよね。
最初の「基本問題」が解けない場合は、当然ですが「応用問題」は解けません。
これが、物事の中心となるものであり、「基本」ということです。
ちなみに、「基本」と似た言葉で「基礎」がありますが、「基礎」は土台のこと。
「基本」は中心で、「基礎」が土台ということで、微妙な違いがありますので覚えておいてください。
ただし、「基本」と「基礎」は微妙な違いはあるものの、指すものはほぼ同じです。
「基本練習」と「基礎練習」の明確な違いを説明できませんし…、「基本」も「基礎」も英語ではどちらも「ベーシック」です。
②「原則」の意味とは!
「原則」は、特別な場合を除き、一般に適用する、守らなくてはいけない決まりのこと。
守らなくてはいけない決まりなので、「規則」や「ルール」ともいえますね。
たとえば、「この道路は原則、通行止めです」といった使い方をします。
道路を通行してはいけないという決まり、ということですね。
そして、「原則」は特別な場合である「例外」が存在することがあります。
こういった「例外」は、「原則」からは除外されることになるのですね。
たとえば、「この道路は原則、通行止めです」とはいっても、救急車両が通行することはありますよね。
この救急車両が「例外」ということです。
ちなみに、「原則」は「守らなくていけない」といった縛りがありますが、「基本」にはそういった縛りはありません。
③「基本」と「原則」の意味の違いを整理!
それでは、ここで一度「基本」と「原則」の意味の違いを整理します。
物事の中心と考えられているもの、また物事の軸となるものが「基本」。
特別な場合を除き、一般に適用する、守らなくてはいけない決まりが「原則」です。
ちなみに、「基本NG」は「中心になる考え方においてはNG」という意味で、中心から外れる考え方もあることを暗示しています。
そして、「原則NG」は「特別な場合を除きNG」ということで、例外があるということ。
要するに、「基本NG」と「原則NG」はほぼ同じような意味ということですね。
2.「基本」と「原則」の辞書での意味!
続いて、辞書による「基本」と「原則」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「基本」の辞書での意味!
【基本】
・物事の中心や基準になると考えられているもの。よりどころとする大もと。「―に忠実に行う」「―給」
引用元:旺文社国語辞典
「中心」であり、「大もと」ですので、説明したとおりですね。
②「原則」の辞書での意味!
【原則】
・特別な場合を除き、一般に適用する基本的な規則や法則。「―を貫く」「―を立てる」↔例外
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明したとおりの内容ですね。
ちなみに、「法則」といえば「オームの法則」などの物理法則を連想しますが、「規則」や「決まり」の意味もあります。
3.「基本」と「原則」の使い方!
最後に、「基本」と「原則」の使い方を例文で紹介します。
①「基本」の使い方!
・毎日、基本練習ばかりで飽きてしまう。
・人間らしく生きる権利、基本的人権がある。
・基本情報技術者試験に挑戦する。
・基本給に様々な手当が加算された給料。
・彼のプレーは本当に基本に忠実だ。
②「原則」の使い方!
・原則として部外者の立ち入りはできません。
・契約自由の原則があるにもかかわらず視聴料が徴収される。
・消費税の簡易課税と原則課税。
・普段の業務では原則として当社制服を着用してください。
・すみませんがサンダルでの入店は原則NGとなっております。
まとめ
以上が、「基本」と「原則」の意味の違いと使い分けについてでした。
「基本」は、物事の中心、物事の軸と考えられるもののこと。
「原則」は、特別な場合を除き、一般に適用する、守らなくてはいけない決まりのこと。
物事の中心が「基本」で、決まりが「原則」です。
「原則」には、「例外」もありますので意外にやわらかい表現なのかもしれませんね。