「団結」と「結束」。
似ています…、といいますか同じ意味では…??
「勝利のために団結する」といいますし、「勝利のために結束する」ともいいます…。
もしかして、本当に同じ意味なのか…??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
実は、「団結」と「結束」には微妙な違いがありました!
本記事では、「団結」と「結束」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「団結」と「結束」の意味の違い!
最初に、「団結」と「結束」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「結束」とは、複数の人が同じ志しのもとに結び付くこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「団結」と「結束」の違いのポイント!
「団結」は多くの人が同じ目的のもとにまとまることで、「結束」は複数の人が同じ志しのもとに結び付くこと。
「団結」と「結束」の違いのポイントは3つあります。
ポイントの1つ目が、まとまる「人数」。
「団結」は「多くの人」に対し、「結束」は「複数の人」です。
つまり、極端な話をすると「結束」は2人だけでも成り立つということ。
「2人が結束した」といいますが、「2人が団結した」となると少し違和感がありませんか?
「団結」の「団」は、「団体」「集団」といった使い方をするとおり「多くの人」が基本。
「2人」だけであっても、違和感なく使えるのが「結束」です。
ポイントの2つ目が、「団結」が「同じ目的」に対し、「結束」は「同じ志し」という違い。
凄く似ているのですが、微妙に違います。
「目的」は「目当て」で、「志し」は「心に思い決めた方向」のこと。
「目的」と「志し」の違いを分ける明確な基準はありませんが、あえて言うならば「スケール」「規模」の違い。
たとえば、「バーゲンセールの先頭に並ぶという共通の目的」といった例文を…。
「バーゲンセールの先頭に並ぶという共通の志し」となると、なんとなく変ですよね…。
日常的な小さな物事に対して「志し」を使うのは、意味合いが大きすぎて合わないということです。
また、目指すものが大きい例としては以下のとおり。
「江戸幕府を打倒するという共通の目的」
「江戸幕府を打倒するという共通の志し」
この場合は、どちらも違和感はありません。
ですが、言葉の意味としては、上の例文が「目当て」で下の例文が「心に思い決めた方向」といった違いがあります。
ということで、「団結」は「目的」ですので、「目当てが同じ人がまとまる」ということ。
そして、「結束」は「志し」ですので、「心に思い決めた方向が同じ人が結び付く」ということです。
「結束」の方が、「団結」に比べて目指すスケールが大きいということですね。
そして、最後の3つ目のポイントについては、次の項目で解説します。
②「結束」には別の意味もある!
「結束」には、「複数の人が同じ志しのもとに結び付く」以外の意味があります。
それは、「結束」の本来の意味である「結んで束ねること」。
「テレビの裏の配線を結束バンドでまとめる」、といった使い方をする「結束」です。
「結束」の元々の意味は「結んで束ねること」で、そこから人と人とが結び付く意味で使われるようになりました。
本来の意味を知ると、「団結」の「まとまる」より「結束」の方が「より固く結びつく」というイメージを抱きませんか?
この「まとまる」と「結び付く」という違い、これが「団結」と「結束」の3つ目の違いのポイントです。
おそらく、崩壊がはやいのは「結束」よりも「団結」なのではないでしょうか。
③「団結」と「結束」の違いを整理!
それでは、ここで一度「団結」と「結束」の違いを整理します。
多くの人が、同じ目的のもとにまとまるのが「団結」。
複数の人が、同じ志しのもとに結び付くのが「結束」。
「人数」の違いもありますが、それに加え「スケールの大きさ」と「結びつきの固さ」の違いです。
より規模が大きく、しかも強固につながるのが「結束」ということ。
2.「団結」と「結束」の辞書での意味!
続いて、辞書による「団結」と「結束」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「団結」の辞書での意味!
【団結】
・多くの人が、同じ目的のもとに信頼し合い、しっかりとまとまること。「一致―」「固い―」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「結束」の辞書での意味!
【結束】
①結び束ねること。「―した薪」
②同じ志を持つ者が固く結び合うこと。「―を乱す」
引用元:旺文社国語辞典
意味が2つ、内容も説明どおりですね。
3.「団結」と「結束」の使い方!
次に、「団結」と「結束」の使い方を例文で紹介します。
①「団結」の使い方!
・問題解決のために一致団結して乗り切る。
・出版大手31社が電子書籍の分野で団結する。
・私たちが団結し、強い意思を持ち続ければ打ち勝つことができる。
・宗教の違いを超えて団結する姿勢を示している。
②「結束」の使い方!
・民主党候補者確定で党の結束固めを目指す。
・総選挙や政権交代などの混乱を恐れた与党が結束する。
・引っ張り強度が上がり、荷物を強固に結束できます。
・他の国に負けていないところは、チーム力と結束力だと思います。
4.「団結」や「結束」には似た意味の言葉がたくさんある!
「団結」や「結束」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「団結」と「結束」の意味の違いと使い分けについてでした。
「団結」は、多くの人が同じ目的のもとにまとまること。
「結束」は、複数の人が同じ志しのもとに結び付くこと。
大人数なのが「団結」で、2人でも可能なのが「結束」。
また、「目的」が「団結」、「志し」が「結束」。
そして、「まとまる」のが「団結」、「結び付く」のが「結束」です。