「履歴」と「記録」。
意味が似ています…。
パソコンには「閲覧履歴」がありますが、同じようにパソコンで作成するのが「お客様対応記録」。
まぎらわしいですね…。
ですが、「履歴書」とはいいますが、「記録書」とはいいませんし…。
また、「世界記録」とはいっても、「世界履歴」とはいいません…。
ということは、「履歴」と「記録」は意味が違うということか??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「履歴」と「記録」には明確な違いがありました!
本記事では、「履歴」と「記録」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「履歴」と「記録」の意味の違い!
最初に、「履歴」と「記録」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
・現在までに経てきた学業や職業などのこと。
・パソコンなどで過去の閲覧や送受信などの行為が保存されたもの。
「記録」
・残す必要のあることを書きしるすこと、また、その書かれたもの。
・運動競技などの成績のこと、また、その最高のもの。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「履歴」の意味とは!
「履歴」には、二つの意味があります。
一つが、現在までに経てきた学業や職業などのこと。
「学業」や「職業」ですので、入学した学校や経験した職業など。
「経歴」と似ていますが、「経歴」の場合は「学業」「職業」に加え、「身分」や「地位」なども対象になります。
「履歴」は、あくまでも経た学業と職業ということ。
もう一つが、パソコンなどで過去の閲覧や送受信などの行為が保存されたもの。
元々「履歴」は経た学業と職業のことでしたが、コンピューターが普及するようになり、「履歴」にこの意味が新たに加わりました。
パソコンを操作すると、多くの操作内容が本体に保存されます。
たとえば、ショッピングサイトを閲覧した場合、そのサイトが「閲覧履歴」として残っているのですね。
他には「送受信履歴」といいますが、これは電子メールの送信した内容や受信した内容が残るという仕組みのこと。
こういったパソコンの「履歴」は、学業や職業とは全く無関係です。
②「記録」の意味とは!
「記録」にも、二種類の意味があります。
一つが、残す必要のあることを書きしるすこと、また、その書かれたもの。
ただし、ただ単に「書きしるす」ことを「記録」とはいいません。
将来のため、また、後々必要になるかもしれない、といった理由で書きしるすことが対象。
ですから、「書いたものを残す」ということが前提条件です。
たとえば、「クレーマーとの対応内容を記録する」といった使い方をします。
これは、クレーマーとの会話を書きしるして残しておくというもの。
残すことで、同じクレーマーからの同様の苦情対応時に役立ちますし、別の社員の対応の参考にもなります。
そういった、後々のために書き残すこと、また、書き残されたものが「記録」です。
もう一つが、運動競技などの成績のこと、また、その最高のもの。
たとえば、「練習で出した記録を集計し平均タイムを算出する」といった使い方をします。
あとは、「参加標準記録」や「参考記録」、「公認記録」といった使い方も。
この「記録」は、将来のために書きしるすのではなく、競技で出した成績のこと。
スピードを競う競技であればタイム、投てき競技であれば距離、重さを競う競技であれば重量になります。
そして、この「記録」が過去最高のものであれば、「日本記録」や「世界記録」といった使い方に。
こういった意味から、「記録を更新する」といった場合、過去最高の成績を更新するという意味になります。
③「履歴」と「記録」の違いを整理!
それでは、ここで一度「履歴」と「記録」の違いを整理します。
現在までに経てきた学業や職業などのこと、また、パソコンなどで過去の閲覧や送受信などの行為が保存されたものが「履歴」。
残す必要のあることを書きしるすこと、また、その書かれたものが「記録」。
「履歴」には、運動競技などの成績、また、その最高のものという意味もあります。
2.「履歴」と「記録」の辞書での意味!
続いて、辞書による「履歴」と「記録」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「履歴」の辞書での意味!
【履歴】
・現在までに経てきた学業や職業など。経歴。
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
ただし、パソコンの「履歴」の意味がありません…。
ですが、他の辞書には普通に記載されています。
②「記録」の辞書での意味!
【記録】
①あとに残す必要のあることを書きしるすこと。また、その文書。
②運動競技などの成績。特に、その最高のもの。レコード。「世界新―」「―を破る」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容ですね。
3.「履歴」と「記録」の使い方!
次に、「履歴」と「記録」の使い方を例文で紹介します。
①「履歴」の使い方!
・履歴書の資格欄の正しい書き方とは?
・履歴書に書く内容というのは、嘘のないように事実に即して作成するもの。
・パソコンで普段どんなページを見ているのか履歴はしっかり残っている。
・過去の検索キーワードの検索履歴をチェックされる。
・決済するとリアルタイムにスマホに通知が届いて履歴に反映される。
②「記録」の使い方!
・室町時代の裁判記録を東大教授と解読する。
・生活保護受給者と面会していないのに面会したとうその記録をねつ造した。
・東京オリンピックのハンマー投げ参加標準記録は、男子77m50、女子72m50。
・男子棒高跳びで6m17の世界新記録をマークした。
・ドライブレコーダーの運転記録を確認する。
4.「履歴」や「記録」には似た意味の言葉がたくさんある!
「履歴」や「記録」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「履歴」と「記録」の意味の違いと使い分けについてでした。
「履歴」
・現在までに経てきた学業や職業などのこと。
・パソコンなどで過去の閲覧や送受信などの行為が保存されたもの。
「記録」
・残す必要のあることを書きしるすこと、また、その書かれたもの。
・運動競技などの成績のこと、また、その最高のもの。
「履歴」と「記録」では、全く意味が違いますよ。