「必ず」と「絶対」。
似ている…、といいますか同じ意味では??
たしかに、「必ず合格する」とも言いますし、「絶対合格する」と言います…。
この違いってあるの…??
でも、「絶対許さない」と言いますが、「必ず許さない」となると変です…。
やはり、違いがあるということか???
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみました!
実は、「必ず」と「絶対」には明確な違いがありましたよ!
しかも、「必ず合格する」と「絶対合格する」では、意味合いに微妙な差がありました!
本記事では、「必ず」と「絶対」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「必ず」と「絶対」の意味の違い!
最初に、「必ず」と「絶対」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「絶対」とは、「なにがなんでも」「どうしても」という意味。
「必ず」は多くが「肯定」に使いますが、「絶対」は「肯定」「否定」双方に使われます。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①副詞の「必ず」と「絶対」の違い!
「必ず」は「例外なく」「間違いなく」、「絶対」とは「なにがなんでも」「どうしても」という意味。
同じようで、実は微妙な差があります。
「例外なく」「間違いなく」の方は論理に基づき客観的であるのに対し、「なにがなんでも」「どうしても」の方はどちらかといえば主観的な要素が加わります。
たとえば、下の例文を比較してみてください。
「間違いなく合格する」
「なにがなんでも合格する」
印象では、「間違いなく合格する」と言った方が、合格率が高く感じませんか?
この、「間違いなく合格する」が「必ず合格する」ということ。
一方の「絶対」の意味である、「なにがなんでも合格する」は客観的に判断した合格率というよりは、本人の意志が関係しています。
つまり、主観的な要素があるということ。
確率的には、一番確率が高いのが「絶対」で、次が「必ず」、最後が「きっと」といった説も出回っていますが、正確には違います。
「絶対」は強く感じますが、正確には本人の意志が加わった「なにがなんでも」という意味。
「必ず」の方が客観的である分、信頼性が高くなるということです。
こういった、「主観」が入ることで微妙な違いがあることを覚えておいてください。
そらから、「必ず」は多くが「肯定」に使いますが、「絶対」は「肯定」「否定」双方に使われます。
たとえば、「あいつだけは、絶対に許さない!」と言いますが、「あいつだけは、必ず許さない!」となると変ですよね…。
あとは、「絶対に負けない!」に対して「必ず負けない!」もおかしいです…。
このように、「否定」で使う場合は「絶対」が多く、「必ず」は限定的。
ちなみに、否定の「絶対」は「決して」という意味です。
「必ず」を否定に使う場合は、「必ずしも」というように「しも」が加わります。
「そうとも限らない」という意味で、「絶対」とは意味合いが異なります。
たとえば、以下のとおり。
「学校の成績が良い人間が、必ずしも成功しない」
「学校の成績が良い人間は、絶対に成功しない」
最初の「必ずしも」の方は、学校の成績が良い人間の中で、成功する人もいますが、全員が成功するとは限らないということ。
「絶対」の方は、学校の成績の良い人間の全てが成功しないという意味になります。
現実には、そんなことはあり得ませんよね…。
全く、意味が違ってくるということです。
②名詞の「絶対」の意味とは!
前の項目では、「副詞」の「必ず」と「絶対」の意味を解説しました。
ですが、「絶対」には「名詞」の意味もあります。
たとえば、「絶対王者」の「絶対」。
ボクシングで強力なチャンピオンがあらわれて、連戦連勝するとよく「絶対王者」と言われます。
この「絶対」は、比較するものや対立するものがないという意味。
要するに、現在のチャンピオンにはもはや誰もかなわないという意味ですね。
他には「絶対君主」といった使い方もします。
もう一つは、「社長の命令は絶対だ」の「絶対」。
この「絶対」は、他の何も制約や制限されないという意味。
つまり、社長の命令を拒否することができないという意味です。
こういった、名詞としての2種類の意味がありますので覚えておいてください。
③「必ず」と「絶対」の違いを整理!
それでは、ここで一度「必ず」と「絶対」の違いを整理します。
「例外なく」「間違いなく」という意味が「必ず」。
「なにがなんでも」「どうしても」という意味が「絶対」。
「絶対」は肯定にも使いますし、否定にも使います。
「必ず」は多くが肯定に使用。
「必ず」を否定に使用する場合は「必ずしも」となり、「限らない」という意味になります。
「絶対」は、「絶対王者」や「社長の命令は絶対だ」といった、名詞としての意味もあります。
2.「必ず」と「絶対」の辞書での意味!
続いて、辞書による「必ず」と「絶対」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「必ず」の辞書での意味!
【必ず】
(副)・例外なく確実なさま。きっと。まちがいなく。「約束は―守る」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「絶対」の辞書での意味!
【絶対】
(名)①何物にも比較できないこと。「―の真理」↔相対
(名)②少しも条件・制約を加えられないこと。「社長の命令は―だ」
(副)①無条件で。なにがなんでも。「―反対だ」「―合格する」
(副)②決して。「―ありえない」(あとに打ち消し語を伴う)
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりですね。
3.「必ず」と「絶対」の使い方!
次に、「必ず」と「絶対」の使い方を例文で紹介します。
①「必ず」の使い方!
・運行前には、必ずタイヤの外観や空気圧などの点検を行いましょう。
・実は、レム睡眠の状態の時に必ず夢を見ています。
・購読のお申し込みは必ず成年の方がおこなってください。
・インターネットに載っている情報が必ずしも正確とは限らない。
②「絶対」の使い方!
・まずは「締め切りは絶対に守るもの」と考える。
・絶対に日本一を獲れるように頑張りたいと思う。
・悪質な勧誘には絶対に耳を貸してはいけません。
・絶対権力者が率いる組織マネジメントの「陰」の部分。
4.「必ず」や「絶対」には似た意味の言葉がたくさんある!
「必ず」や「絶対」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「必ず」と「絶対」の意味の違いと使い分けについてでした。
「必ず」は、「例外なく」「間違いなく」という意味で客観的。
「絶対」は、「なにがなんでも」「どうしても」という意味で主観が加わります。
「絶対にダメ」といった否定に多く使われるの「絶対」の方。
「必ず」を否定に使う場合は「必ずしも」となります。