「親」と「両親」。
どちらも、普段の会話でよく使う言葉ですが…。
そういえば、使い分けを意識したことはありませんでした…。
でも「私の親は現在…」と言われた時に、「父と母の両方」なのか、それとも「どちらか一方」なのかがわかりませんよね…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
「親」の意味は、一筋縄ではいきませんでした!
本記事では、「親」と「両親」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「親」と「両親」の意味の違い!
最初に、「親」と「両親」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
ただし、「父か母のどちらか一方」を指す場合もあれば「父と母の両者」を指す場合もあります。
「両親」とは、父と母の両者、二人のこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「親」と「両親」の意味の違いと使い分け!
「両親」は父と母のことであり、必ず二人。
ですが、「親」は「父か母どちらか一方」の場合もあれば、「父と母の両方」を意味する場合もあります。
「『両親』は二人で『親』はどちらか一人」という意見もありますが、「親」がどちらか一方を指すとは限りません。
たとえば、「初めて親元を離れて暮らす」といった場合は、「父と母の両方」を指している可能性の方が大きいです。
要するに、「親」といった場合は「父」「母」「父と母」のどれを意味するかは文脈などで判断しなくてはいけません。
わからない場合もありますが、その時は相手に確認しましょう。
ただし、「親」を英語に直訳すると、日本語の解釈とは少し差が出てきます。
「親」は「parent」、または「father or mother」。
つまり、「parent」で複数形の「s」がありませんので、「父か母」のどちらかということになります。
そして、「両親」は「parents」、または「father and mother」。
「parents」は、複数形の「s」が付きますので必ず二人ということになります。
「親」と「両親」の使い分けが必要になる場面は、会話をする相手の「親」や「両親」をたずねる時です。
たとえば、相手の親がどこに住んでいるのか確認したい場合。
「両親」が健在であることがわかっているならば簡単です。
「ご両親は現在どちらにお住まいですか?」
で問題ありません。
しかし、「両親」が健在かどうかわからない場合、この時が「親」の出番です。
「親御さんはどちらに住んでいますか?」
「親御様はどちらにお住まいですか?」
こういった使い方をします。
ところで、この「親」と「両親」ですが、必ず生んでくれた人が対象とは限りません。
我が子として育ててくれている、「養父」「養母」も「親」や「両親」と呼びます。
生んでくれた実の父や実の母以外であっても、「親」であり「両親」であることも覚えておいてください。
②「親」は生き物以外にも使う!
「親」は、実は必ず生き物であるとは限りません。
子を生んだ「親」という意味を、比喩的に使った意味もあります。
たとえば、「親会社」といった使い方。
具体的には、携帯電話に関するサービスを行う「NTTドコモ」があります。
この「NTTドコモ」の親会社は、固定電話のサービスを行う「NTT」。
元々「NTT」が存在し、そこから携帯電話部門が分裂して「NTTドコモ」の前身となる「エヌ・ティ・ティ中央移動通信」が独立しました。
その後、社名を「エヌ・ティ・ティ中央移動通信」から「NTTドコモ」へ変更。
まさに、「NTT」から生まれたのが「NTTドコモ」ということです。
あとは、ゲームなどでも「親」と「子」という表現を使います。
たとえば、トランプの「ブラックジャック」は1人の「親」と複数の「子」の勝負。
それから、「麻雀」は1人の「親」と3人「子」で勝負します。
「親」の意味は、他にもたくさんあります。
詳しくは、後半の第2項にあります「親の辞書での意味」をご覧ください。
③「親」と「両親」の違いを整理!
それでは、ここで一度「親」と「両親」の意味の違いを整理します。
「父」か「母」、または「父と母」の意味があるのが「親」。
「父と母」の両者、必ず二人のことを指すのが「両親」。
一般的には、養父や養母の場合も「親」であり「両親」と呼びます。
2.「親」と「両親」の辞書での意味!
続いて、辞書による「親」と「両親」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「親」の辞書での意味!
【親】
①父と母。生物の、子・卵を生んだもの。「―はなくとも子は育つ」「―の欲目(=親が子を実際以上によく見てしまうこと)」↔子
②他人の生んだ子を、わが子として養い育てる人。養父母。「育ての―」↔子
③祖先。「―代々」
④物のはじめ。元祖。
⑤物を生じふやすもの。「―芋」
⑥中心となるおもだったもの。「―会社」↔子
⑦小さいものに対して、大きいもの。「―指」
⑧ゲームなどで中心となる人。↔子
⑨無尽などの発起人。
引用元:旺文社国語辞典
意味①に、「父か母」ではなく「父と母」とあります。
つまり、どちらか一方限定ということではありません。
意味②が養父母のことで、意味③以降は比喩的な使い方ですね。
②「両親」の辞書での意味!
【両親】
・父と母。父母。ふたおや。
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
3.「親」と「両親」の使い方!
最後に、「親」と「両親」の使い方を例文で紹介します。
①「親」の使い方!
・いつまでもあると思うな親と金。
・壮絶な親子喧嘩の末に娘が母にした行為とは。
・登壇して子育てエピソードや親バカぶりを披露した。
・多くの人は子供時代を親の庇護下で暮らし、社会人となった時に自立します。
②「両親」の使い方!
・妻が両親と一緒に住みたくないという理由で口論になる。
・高学歴両親の英才教育で子どもがニートになるおそれ?
・元気一杯だった両親は80歳を過ぎて介護が必要になる。
・両親は子どもの興味や関心を考慮せず教育的な側面のみを重視することが。
まとめ
以上が、「親」と「両親」の意味の違いと使い分けについてでした。
「親」は、「父」か「母」、または「父と母の両方」の意味があります。
「両親」は、父と母の両者のことで、必ず二人。
相手に確実に伝えたい場合は、「父と母」の時は「両親」、「父」の時は「父」か「父親」、「母」の時は「母」か「母親」と表現するのが無難です。